教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

入学年度4月における学生指導上の留意点

2011年04月03日 20時21分29秒 | 教育研究メモ

 先日から公開している未完成稿は、書くこと(余裕)のない日に上げます。

 来週から新入生がやってきます。さて、どんな学生がやってくるかな。初年度・2年目の経験を生かして、学生一人ひとりにあった指導を心がけていきたいです。おそらく全員に指導を行き届かせることは無理だと思いますが、一人でも多くの学生に「学び」を生じさせたいと願っています。

 2年間の短大教員生活を通して、入学年度の4月がとても重要だったと、強く、強く、思いました。この時期に必要だと考えるのは、①学生の特徴をつかむこと、②目標を明確にさせること、③つまずき(短大生活に関する「勘違い」も含む)そうな学生を様々な形で支援すること。

 まず第一に、問題行動や学業継続困難につながりそうな特徴に特に注意しつつ、学内行事や学業面で伸びそうな特徴をもつかんでいきたいところです。幼児教育や普通教育では「一人ひとりにあった教育」が追求され続けていますが、短大でもこの点へ配慮することが必要だと思います。学習や学生指導のとっかかりとなりそうなことを確実につかみ、学生と教師との関係構築のきっかけをつくるのが大事。保育者を目指す動機は何か、どんな興味関心をもっているか、どんな学習履歴を持っているのか、など。授業担当としても、実習担当としても、適切な学習経験を積ませるために不可欠です。

 第二に、何のためにここにいるのか、学生自身に自覚させることが大事です。目標を明確化することは、学びに主体的・積極的に向かわせるとともに、もし万が一逸脱したとしても戻ってこれる糸口になります。大学生活では、高校までと違って自由度が高まり、様々な誘惑に出会います。そういう中で様々な経験をして、人間としての幅を広げることも大事なのですが、残念ながら短大生活とくに保育者養成校での生活は、ほとんどそういう「余裕」を許容しません。厳しいからというよりも、忙しいからです。入学目的を忘れ、誘惑に負けて一時の逸脱をしたがために、短大での学びの機会を全て失わせるわけにはいきません。早い段階での目標の明確化こそ、このような不幸を避け、かつ学びを増進するために必要なことだと思います。

 第三に、短大生活に不適応を起こす可能性のある学力面・生活面・性格面などの特徴をつかみ、具体的に支援していくことです。支援が必要な学生は、上記第一・第二の点を実行するうちに出てきます。学生に合う形をさぐりながら、教諭・説得したり、具体的な技術を訓練したり、専門機関につなげたりしなくてはなりません。最初のつまずきは在学にすら関わるものです。早いうちに把握・支援していけば、改良可能なものも多いはずです。

 以上を学生指導上の「仮説」として、意識的にやっていきたいものです。本人も保護者も教師も悲しまず、夢の実現に一歩一歩確実に近づいていける2年間にしたい。

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