さて、年度末に発表した論文の紹介の続きです。今回は共著論文です。
この3月に久賀隆之・白石崇人「社会的な見方・考え方に基づいた「問いを表現」する歴史教育―高等学校「日本史探究」を想定した実践開発を通して」(広島文教大学教育学会編『広島文教教育』第35巻、2021年3月、1~12頁)を活字化しました。広島文教大学附属高校の久賀先生が進めてきた授業研究を中心資料にして、一緒にまとめたものです。久賀先生が新学習指導要領に基づいてどうやって授業したらいいかと悩んでいらっしゃったので、2019年から一緒に研究を続けていました。久賀隆之・白石崇人「平成29・30年告示の学習指導要領に基づく歴史教育―小・中・高の連続性と高等学校「日本史探究」を想定した授業実践を通して」(広島文教大学教育学会編『広島文教教育』第34巻、2020年3月、15~24頁)の続編になります。前稿は紹介したことがなかったので、ついでに両方とも論文構成を挙げると、以下の通りです。
「平成29・30年告示の学習指導要領に基づく歴史教育―小・中・高の連続性と高等学校「日本史探究」を想定した授業実践を通して」(2020)
はじめに
1.平成20・21年告示学習指導要領と平成29・30年告示学習指導要領の比較
(1)小学校社会科 第6学年
(2)中学校社会科 歴史分野
(3)高等学校地理歴史科 日本史探究
2.「調べまとめる技能」の一つとしての資料の収集
3.資料の収集活動を取り入れた授業実践
(1)年表から読み取る(個別学習):第1時
(2)仮説を立てて、その仮説の根拠となる資料を調べる(個別学習):第1~2時
(3)グループでプレゼンテーションの準備をする(グループ学習):第3時
(4)プレゼンテーション(グループ学習):第4時
(5)事後の振り返り(個別学習)
おわりに
「社会的な見方・考え方に基づいた「問いを表現」する歴史教育―高等学校「日本史探究」を想定した実践開発を通して」(2021)
はじめに
1.社会的な見方・考え方に基づいて「問いを表現」すること
(1)平成29・30年告示の学習指導要領における「問い」
(2)「問いを表現」する活動を取り入れた歴史授業の先行研究
2.「問いを表現」する活動を取り入れた授業開発
(1)歴史的事項を選定し、問いを多くつくる:第1時
(2)「問いを表現」する:第1時
(3)第1時終了後の授業者の作業
(4)各自が表現した問いを共有し、各自で位置付ける:第2~3時
(5)黒板を用いて「年表」の共有およびその「年表」に対する質問をする:第4時
(6)作成した「年表」を用いて講義形式の授業を行う:第5~14時
(7)講義終了後に生徒自身が表現した問いに再度答える:第15時
(8)現代史の講義を行った後の生徒の振り返り:第15時
3.「問いを表現」する単元学習の成果
おわりに
2017・18年に告示された新指導要領は、昨年度に小学校、今年度に中学、来年度に高校で完全実施となります。新指導要領の「主体的・対話的で深い学びの実現」などの新ワードは、特に高校教員(さらに特に日本史教員)にとってはかなりのプレッシャーのようです。うちの久賀先生は、2019年に資料の収集活動を取り入れた遣唐使の授業を実践研究され、2020年に問いの表現活動を取り入れた日本現代史の授業を実践研究され、それぞれ2020年・2021年の論文の素材にしてくださいました。月に1回、私の研究室で研究相談を続けた結果、まとまった論文たちです。論文化にあたって私は問題設定や分析のところを直接的にお手伝いしたのですが、教育史教育の在り方をめぐっていろいろ考えている立場上、自分としてもとても面白かったし、学ぶものもとても大きかったです。特に今回の授業は、自分の講義でも試してみようかなと思っているくらいです。何より、研究を続ける間に、久賀先生が「新指導要領の授業が少し見えてきた気がします」「授業づくりが面白くなってきました」と言ってくださったのが、お手伝いをしていて一番うれしかったことでした。
歴史教育研究としてはまだまだ課題がありますが、高校では実は珍しいかもしれない単元学習の観点からの授業開発や、小中高の歴史教育の連続性への意識、資料収集や問いの表現という方法の導入、知識暗記に対する向き合い方などを課題化した実践論文になりました。面白い結果も出ていますので、関心のある人はぜひ読んでみてください。
2020年の論文はすでにPDFでネット公開されています(こちら)。2021年の論文も公開されました(こちら)。
この3月に久賀隆之・白石崇人「社会的な見方・考え方に基づいた「問いを表現」する歴史教育―高等学校「日本史探究」を想定した実践開発を通して」(広島文教大学教育学会編『広島文教教育』第35巻、2021年3月、1~12頁)を活字化しました。広島文教大学附属高校の久賀先生が進めてきた授業研究を中心資料にして、一緒にまとめたものです。久賀先生が新学習指導要領に基づいてどうやって授業したらいいかと悩んでいらっしゃったので、2019年から一緒に研究を続けていました。久賀隆之・白石崇人「平成29・30年告示の学習指導要領に基づく歴史教育―小・中・高の連続性と高等学校「日本史探究」を想定した授業実践を通して」(広島文教大学教育学会編『広島文教教育』第34巻、2020年3月、15~24頁)の続編になります。前稿は紹介したことがなかったので、ついでに両方とも論文構成を挙げると、以下の通りです。
「平成29・30年告示の学習指導要領に基づく歴史教育―小・中・高の連続性と高等学校「日本史探究」を想定した授業実践を通して」(2020)
はじめに
1.平成20・21年告示学習指導要領と平成29・30年告示学習指導要領の比較
(1)小学校社会科 第6学年
(2)中学校社会科 歴史分野
(3)高等学校地理歴史科 日本史探究
2.「調べまとめる技能」の一つとしての資料の収集
3.資料の収集活動を取り入れた授業実践
(1)年表から読み取る(個別学習):第1時
(2)仮説を立てて、その仮説の根拠となる資料を調べる(個別学習):第1~2時
(3)グループでプレゼンテーションの準備をする(グループ学習):第3時
(4)プレゼンテーション(グループ学習):第4時
(5)事後の振り返り(個別学習)
おわりに
「社会的な見方・考え方に基づいた「問いを表現」する歴史教育―高等学校「日本史探究」を想定した実践開発を通して」(2021)
はじめに
1.社会的な見方・考え方に基づいて「問いを表現」すること
(1)平成29・30年告示の学習指導要領における「問い」
(2)「問いを表現」する活動を取り入れた歴史授業の先行研究
2.「問いを表現」する活動を取り入れた授業開発
(1)歴史的事項を選定し、問いを多くつくる:第1時
(2)「問いを表現」する:第1時
(3)第1時終了後の授業者の作業
(4)各自が表現した問いを共有し、各自で位置付ける:第2~3時
(5)黒板を用いて「年表」の共有およびその「年表」に対する質問をする:第4時
(6)作成した「年表」を用いて講義形式の授業を行う:第5~14時
(7)講義終了後に生徒自身が表現した問いに再度答える:第15時
(8)現代史の講義を行った後の生徒の振り返り:第15時
3.「問いを表現」する単元学習の成果
おわりに
2017・18年に告示された新指導要領は、昨年度に小学校、今年度に中学、来年度に高校で完全実施となります。新指導要領の「主体的・対話的で深い学びの実現」などの新ワードは、特に高校教員(さらに特に日本史教員)にとってはかなりのプレッシャーのようです。うちの久賀先生は、2019年に資料の収集活動を取り入れた遣唐使の授業を実践研究され、2020年に問いの表現活動を取り入れた日本現代史の授業を実践研究され、それぞれ2020年・2021年の論文の素材にしてくださいました。月に1回、私の研究室で研究相談を続けた結果、まとまった論文たちです。論文化にあたって私は問題設定や分析のところを直接的にお手伝いしたのですが、教育史教育の在り方をめぐっていろいろ考えている立場上、自分としてもとても面白かったし、学ぶものもとても大きかったです。特に今回の授業は、自分の講義でも試してみようかなと思っているくらいです。何より、研究を続ける間に、久賀先生が「新指導要領の授業が少し見えてきた気がします」「授業づくりが面白くなってきました」と言ってくださったのが、お手伝いをしていて一番うれしかったことでした。
歴史教育研究としてはまだまだ課題がありますが、高校では実は珍しいかもしれない単元学習の観点からの授業開発や、小中高の歴史教育の連続性への意識、資料収集や問いの表現という方法の導入、知識暗記に対する向き合い方などを課題化した実践論文になりました。面白い結果も出ていますので、関心のある人はぜひ読んでみてください。
2020年の論文はすでにPDFでネット公開されています(こちら)。2021年の論文も公開されました(こちら)。
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