教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

教育会史研究の将来をどうするか

2015年01月11日 19時01分21秒 | 教育研究メモ

 仕事が始まって以来、会議、打合せ、授業、学生指導、卒論指導、研究などなど、超多忙な毎日を送っております。

 現在、出張から帰宅中。立教大学で、K先生代表科研研究会でした。通称「教育情報回路研究会」または「教育会史研究会」です。今回が、十年以上科研で開かれてきた研究会の最後でした。しかし、研究をやればやるほど残された課題が出てきており、これで研究会が解散するのは惜しいという話になりました。何をどうするか、私にも実働が求められています。

 今回私は、他の学問分野における「職能団体」概念の意義や教育研究活動、情報回路ネットワークの観点から少し整理してみたのですが、これだけでもまだまだ研究すべきことがたくさん残されていることがわかりました。そのほか、今回発表のあったことだけでも、教育会改革に際して出た「教育は教員の占有物ではない」という発言をどのように捉えるかや、教育会の機能分化や連合化の様態、植民地教育会の特殊性や民族意識との向き合い方、教員養成への関わり方の多様性、教育会解散に際しての校長たちの態度、教員統制や施政翼賛のあり方、多様で複雑な地元集団との影響関係、戦後の占領政策・教育改革・教員運動の事情との複雑な関係、教育研究の中身など、多様な課題が出てきました。これらは教育改革や教員の専門性、国家・社会・人間のあり方をめぐる重要な研究課題に直接間接に関連しており、とても重要な研究課題ばかりです。数人がバラバラに数本の論文を書いたところで解明しきれる類のものではありません。

 教育会史研究について、広く成果を共有し、議論して深める場をどのように設けていくか。これから、関係の先生方と一緒に考えていきたいと思います。

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