Motoharu Radio Show #061

2010年11月19日 | Motoharu Radio Show

2010/11/16 OnAir - 3rd. Week
Ben Folds & Nick Hornby:From Above
Ben Folds & Nick Hornby:Claire's Ninth
佐野元春:星の下 路の上
Simon & Garfunkel:The Boxer
松田聖子:ハートのイヤリング
佐野元春 and The Hobo King Band:君をさがしている(朝が来るまで)~ H.K.B. Version
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■内容の一部を抜粋
・丸山茂雄氏を迎えて
今週、来週はエピック・ソニー・レーベルのレーベル・ファウンダーであり、ソニー・コンピュータエンタテインメント、そしてソニー・ミュージックエンタテインメントの代表を歴任した丸山茂雄さんをゲストに迎えてのプログラム。

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月11月の「3PICKS!」はデヴィッド・グレイ『Foundling』、ロバート・プラント『Band Of Joy』、そしてベン・フォールズ&ニック・ホーンヴィ『Lonly Avenue』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はベン・フォールズ&ニック・ホーンヴィ『Lonly Avenue』。

・ベン・フォールズ&ニック・ホーンヴィ
ベン・フォールズはピアノマンであり素晴らしいソングライター。ベン・フォールズの新作『Lonly Avenue』は作詞をある小説家とコラボレーションしている。'90年代にレコード・ショップの店員を主人公にしたコメディ『ハイ・フィデリティ』という映画がある。この原作を書いたイギリスの作家、ニック・ホーンヴィがベン・フォールズと意気投合して共作しようということになった。話によれば、ある晩二人が夕食を摂ってるときにこのコラボレーションのアイディアが生まれたということ。その後、メールでやりとりがあってだんだん曲ができていった。「作家とミュージシャンのコラボレーション、悪くないですよね。実際アルバムに収録された12曲はいってみれば12篇のショート・ストーリーといった感じです。どの曲も起伏に富んだ味わいのある曲になってます」と元春。このアルバムはアナログ・レコードを意識して作られた。聴いてみるととてもアナログ的なサウンドに仕上がっている。最近の傾向かもしれないがエルヴィス・コステロやノラ・ジョーンズの新作がアナログ盤でリリースされている。U2の『ヨシュア・トゥリー』も新たなカッティングマスターでアナログ盤が出ている。採算のことを考えるとアナログ・レコードの販売は合理的とはいえないが、今世界的に音に意識的なアーティストたちがアナログ・レコードに関心を示している。このことはひとつの傾向としてみていいのではないか。最近ではダウンローディングによるあまり音質がよいとはいえない圧縮した音が主流になりつつあるが、そうした流れにアーティスト側から「ちょっと待った!」そんな声が挙がりはじめているということだろう。『Lonly Avenue』から「From Above」と「Claire's Ninth」の2曲。

・GreenPeople
環境問題に取り組むユースたちを紹介するレポート「GreenPeople」。毎週このコーナーでは環境を巡る社会活動を通じて様々なアクションを起こしている人たちを紹介。このコーナーの協力はNHKの環境特集番組「SAVE THE FUTURE」。
http://www.nhk.or.jp/savethefuture/mamoribito/index.html

今週はNPO法人「JUON NETWORK(樹恩ネットワーク)」。日本の森林を守ろうと1998年から全国各地で活動を行っている。都市と過疎地の交流、そして若者と年配者の垣根を越えた活動を大事にしている。
http://www.nhk.or.jp/savethefuture/mamoribito/movie/motoharu1.html

・CD
「佐野元春さんはCD嫌いだったっけ? アナログのほうが好きだったんだっけ?」と丸山茂雄さん。
「時間が経つごとにそう思いますね」と元春。
「最近僕もそう思うようになってきちゃった。CDをすごく強引に、CDにシフトしたのは僕なんだ。覚えてる?(笑)」と丸山さん。
CDとLPは会社からみるとダブル・インベントリー(在庫品)なので、必ずLPのほうが残ったとか。それで面倒だからどのレコード会社よりも早くLPの生産を中止し、CDにシフトするという乱暴なことを行ったと丸山さん。今本当に悩ましいと思うのは、電器店のオーディオ売り場に行くとオーディオ・セットがなくてMP3プレーヤーばかり。思い出してみると昔は音楽は聴くというよりも音圧を感じてたのだと丸山さん。元春もステレオ・スピーカーから流れる空気に震える音を楽しんでいた記憶があると話す。だから今の風潮を残念に思うそうだ。元春は多感な子どもたちをレコーディング・スタジオに招待して「これが本当の音だよ」と教えたい気持ちだとか。でも子どもたちはクラブに行って大音量の音を楽しんでいる。それと自分が毎日聴く音楽との質的な違いがある。その割り切り方が今よくわからないと丸山さんは話す。

・星の下 路の上
モーツァルト、ベートーヴェンの時代から現代まで音楽業界の周辺の連中が金を稼いでいたのは二十世紀だけだと丸山さん。
「ミュージシャンというのはどこか風来坊のところがあって結局音楽が楽しく作れればそれでいいんだよというノンシャランな連中が多いんです。ですので音楽がどんなふうに売られようと、どんなかたちで流通されようと、ミュージシャンにとっての本懐というのは、いい曲を書き、いいライヴをやることなんだ。いいレコードを作ることじゃない」と元春。

・丸山茂雄
'80年代、'90年代、若者の生活を席巻したのは音楽とゲーム。その音楽とゲームという二大ソフトウェアのメーカーとしてビジネスをしていたのがソニー・ミュージックエンタテインメント。その中枢にいたのが丸山茂雄さん。出身は東京。1941年生まれだからボブ・ディランと同じ年。中学の頃は文学少年、それではいけないと思い運動神経がないので高校に入りラグビーをはじめたという。大学では周りから才能がないのでラグビーをやめて、高校のラグビーの監督をやれといわれ、やっていたそうだ。15、16歳の多感な頃は日本が高度成長期の時代。テレビが一般家庭に普及してないから、自身の身の回りに起こったリアルなことしか体験できない世代だったという。大学の専攻がマーケティングだったために卒業後は広告代理店に就職。営業をやっていたそうだ。同じ広告をやるんだったらクライアント側のほうがいいと思って辞めて、できたばかりのCBSソニーに入ったとか。そこでも営業職をやっていた。

・The Boxer
最初の赴任先は仙台。そこから香港で二年。当時ビートルズと共に人気があったのがサイモンとガーファンクル。東京に戻り、'70年代の初期に邦楽のプロモーションをはじめる。当時のメイン・ストリームは歌謡曲。テレビ時代の到来によりアイドルで当ててCBSソニーは急成長する。

・ハートのイヤリング
CBSソニーのアイドルといえば南沙織、天地真理、キャンディーズ、山口百恵。そのながれに松田聖子。男性アイドルだったら代表するのが郷ひろみだった。当時のメインストリームは演歌で、アイドルは子どもの音楽。若者の音楽はフォーク、吉田拓郎。時代でいうとアイドルとフォークは同じだと丸山さん。フォークをカウンター・カルチャーとしては見ておらず、当時は別に洋楽ファンがいて、洋楽ファンがアイドルを好むというねじれた現象があり、フォークは女子大生が好む傾向があったそうだ。

・君をさがしている(朝が来るまで)~ H.K.B. Version
新興レーベルのCBSソニーには専属の作詞家、作曲家がいなかったので、'70年代中期からシンガー・ソングライターを積極的に売り出すことになる。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/
コメント
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