Motoharu Radio Show #106

2012年03月08日 | Motoharu Radio Show

2012/03/06 OnAir - 1st. Week - ジャパニーズ・ポップミュージックの夜明け
笠置シヅ子:ラッパと娘
笠置シヅ子:ロスアンゼルスの買物
ティーヴ釜萢:トーキョー・ラグ
江利チエミ:ロック・アラウンド・ザ・クロック
小坂一也とワゴンマスターズ:冷たくしないで
雪村いづみ:ビー・バップ・ア・ルーラ
雪村いづみ:フジヤマ・ママ
雪村いづみ:恋人になって
Rich Robinson:Falling Again
鈴木ヤスシ:ジェニ・ジェニ
佐々木功:好きにならずにいられない
かまやつ ヒロシ:恋の片道切符
藤木孝:ママのツイスト
山下敬二郎:ダイアナ
坂本九:上を向いて歩こう
コニー・フランシス:想い出の冬休み
Nat "King" Cole:L-O-V-E
ミーナ:砂に消えた涙
弘田三枝子:私のベイビー
佐野元春:バイバイ・ハンディ・ラブ
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■内容の一部を抜粋
・ジャパニーズ・ポップミュージックの夜明け
特集は「ジャパニーズ・ポップミュージックの夜明け」と題して'50年代から'60年代にかけての国内ポップシンガーによるカヴァー曲を取り上げる。
「これはちょっと自分の話になってしまうんですが、僕は1956年3月13日に生まれました。そしてこの1956年3月13日というのはエルヴィス・プレスリーがデビュー・アルバムをリリースした、正にその日に当たるということです。まぁ、僕の母が相当なエルヴィスのファンだったということは聞いていましたが、まさかデビュー・アルバムの発売日に合わせて僕を生んだということは多分ないと思いますが。この素敵な偶然、人が聞いたらそれがどうしたって話になるんでしょうけれども、ロックンロールが好きな僕としては、これは本当に思わず自慢したくなるエピソードです。そんなわけでエルヴィス・プレスリーのデビュー・アルバムが発売された年、そして僕が生まれた年、1956年。物の本によるとこの1956年こそロックンロール誕生の年である、そんなことが書いてありました。日本の場合は戦争が終わってほぼ10年という節目でもありました。Motoharu Radio Show、今夜の特集は『ジャパニーズ・ポップミュージックの夜明け』と題して戦後、日本のポピュラー音楽が欧米の音楽にどのように影響されてきたか、レコードを通じてみていきたい、そんな特集にしたいと思います」と元春。

・ラッパと娘
・ロスアンゼルスの買物
笠置シヅ子の1939年のレコード「ラッパと娘」と1948年の「ロスアンゼルスの買物」はいずれも服部良一のプロデュース。服部良一は洋楽のビートをはじめて歌謡曲に持ち込んだ日本のポップ音楽の元祖。日本のポップス界の最大の功労者といってもいい。

・トーキョー・ラグ
戦後初期のスター、日系二世のティーヴ釜萢はかまやつひろしさんのお父さん。この方はのちにジャズの学校を作って雪村いづみ、平尾昌晃、ミッキー・カーチスなど多くのシンガーを育てた。

・ロック・アラウンド・ザ・クロック
1955年にアメリカでビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツは世界初のロックンロールのヒットを飛ばした。「Rock Around The Clock」。その曲を日本で真っ先にカヴァーしたのは江利チエミだった。

・冷たくしないで
小坂一也とワゴンマスターズがエルヴィス・プレスリーの「Don't Be Cruel」を日本語でカヴァー。1955年のレコード。このあとにやってくるロカビリー・ブームの火付け役になったレコード。

・ビー・バップ・ア・ルーラ
・フジヤマ・ママ
・恋人になって
1953年、一人の天才的歌手がデビューする。雪村いづみ。彼女は当時美空ひばり、江利チエミと共に三人娘と呼ばれて一世を風靡した。三人の中では一番垢抜けていて都会的な印象がある。アメリカをずっと巡業していたこともあってシンガーとしてもパフォーマーとしてもその表現力はとても素晴らしい。当時のロックンロール・ヒットをカヴァーした3曲。

・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月3月の「3PICKS!」はリッチー・ロビンソン『Trough A Crooked Sun』、クラウド・コントロール『Bliss Release』、そしてフローレンス+ザ・マシーン『Ceremonials』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はリッチー・ロビンソン『Trough A Crooked Sun』。

・リッチー・ロビンソン
米国ジョージア州アトランタ出身のバンド、ブラック・クロウズのギタリスト。バンドから離れてソロ・アルバムを出した。アメリカ南部のロックンロール音楽でいい感じでレイドバックしている。ブラック・クロウズはリッチー・ロビンソンとクリス・ロビンソンという二人の兄弟が中心となっている。
「このブラック・クロウズというバンド。僕は最初に聴いたとき、'70年代のバンドだと思いました。当時のバンドでいうと例えばハンブル・パイとか、ロッド・スチュワート、フェイセス、そうしたバンドが持ってるいい雰囲気を感じました。今の時代にこうした雰囲気を持ったバンドというのはとても貴重じゃないかと思います」と元春。
今回紹介するリッチー・ロビンソンのソロ・アルバム『Trough A Crooked Sun』はブラック・クロウズと同じようによいブルースとよい演奏がある。『Trough A Crooked Sun』から「Falling Again」。

・GreenPeople
環境問題に取り組むユースたちを紹介するレポート「GreenPeople」。毎週このコーナーでは環境を巡る社会活動を通じて様々なアクションを起こしている人たちを紹介。このコーナーの協力はNHKの環境特集番組「エコチャンネル」。
http://www.nhk.or.jp/eco-channel/

今週は「メダカのがっこう」。田んぼに住む生きものたちを守ることが環境保護につながるという理念のもと2001年から活動している。

今でこそ日本語でロックを歌うのは当たり前のことだったが英語でできている音楽に日本語を当てはめてゆくというのはそもそも無理があったと思われる。しかしそこは無理は承知で楽しさ優先でいこうよというのが当時のノリだったんじゃないだろうか。日本語のロックンロールの夜明け。男性シンガーによる洋楽のカヴァー・レコードから鈴木ヤスシの「ジェニ・ジェニ」と佐々木功の「好きにならずにいられない」。

1958年、東京で第一回日劇ウエスタン・カーニバルが開催される。場所は東京・有楽町にあった元日劇ミュージック・ホール。年に二回当時のロカビリーのスターたちが集まってライヴを行った。ロカビリー三人男といえば平尾昌晃、山下敬二郎、ミッキー・カーチスの三人。それぞれバンドを持っていて熱狂的なライヴをやった。大体外国の曲の日本語カヴァーをやっていた。当時このイベントは大盛況となってマスコミが大きくこの様子を伝えた。これによりロカビリーという音楽が全国に知れ渡ることになる。空前のロカビリー・ブーム。ウエスタン・カーニバルに出演していたかまやつ ヒロシ「恋の片道切符」、藤木孝「ママのツイスト」、山下敬二郎「ダイアナ」。

・上を向いて歩こう
日本人アーティストでたった一人、ビルボード・ホット100で1位を獲得した歌手がいる。そう坂本九。1961年に出した「上を向いて歩こう」は「SUKIYAKI」というタイトルで海外でもヒットした。この曲は国内外で多くの歌手にカヴァーされている。中村八大、永六輔のオリジナル作品。

'60年代に入ると洋楽の日本語カヴァーは益々盛んになってくる。その動きを一気に加速させたのが草野昌一(しょういち)、またの名を漣健児(さざなみけんじ)という訳詞家だった。'60年代ポップスの日本語カヴァーのオリジネイターといってもいい。雑誌ミュージックライフの初代編集長でもあった。坂本九の「ステキなタイミング」からはじまって、以降アメリカン・ポップスを中心に400曲以上の訳詞を手掛けた。草野昌一はのちに音楽の著作権に関わるビジネスマンとして大きな功績を残す。彼が手掛けたコニー・フランシス「想い出の冬休み」、ナット・キング・コール「L-O-V-E」、ミーナ「砂に消えた涙」、そして弘田三枝子「私のベイビー」。

「こうして聴いてみると新しい発見があっておもしろいですね。僕の興味はやはり自分がソングライターということもあって曲の中の言葉ですね。日本語がどんなふうにビートにフックしているか、それを歌手がどう歌ってるのか。そこに興味を持ちました。その点でいうと今日特集した中では二人の女性シンガー、雪村いづみ、弘田三枝子、この二人のシンガーの歌は本当に素晴らしいと思いました。そして漣健児。日本語を使ったポップソングの表現、日本語をどうビートに乗せていくか。いろいろな試行錯誤が見えてとても興味深かったです。では特集最後に僕の歌を聴いてください。僕は'50年代ロカビリーの世代ではないんですがこんな曲を書きました。まぁ、時が時ならもしかしたら僕もあの日劇ウエスタン・カーニバルに出ていたかもしれません。Bye Bye Handy Love」と元春。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

「次回放送は3月13日になります。ゲストには雪村いづみさんをお迎えしたいと思います」と元春。
コメント (1)
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