2012年03月25日プレイリスト
「棚からひとつかみ+リクエスト」
1. 風の回廊(コリドー)/ 山下達郎 '85
2. NOTHING CAN CHANGE THIS LOVE / SAM COOKE "LIVE AT THE HARLEM SQUARE CLUB, 1963" '85
3. PHILADELPHIA DREAMING / MATT COVINGTON "MATT COVINGTON" '12('76?)
4. BABY PLEASE PRETTY PLEASE / JAMES KNIGHT & THE BUTLERS '71
5. PARTY TIME MAN / THE FUTURE "PAST, PRESENT & THE FUTURES" '78
6. I LAUGHED / THE JESTER '58
7. T & T / HIP CHICK "HIP CHICK 2" '12
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■内容の一部を抜粋
・近況
全国ツアーの真っ只中。ライヴの合間を縫って番組を前倒しで収録しているという。今回は3月17日、18日のNHKホールが終わった時点で録音しているとか。
「おかげさまでここのところ、声のほうが本調子になってきたといいましょうか、三十代の中頃の調子に戻って来ました(笑)。わりとコンスタントに演奏も歌もアベレージが保てておりますので福岡サンパレスもきっとうまくいってることと思います(笑)。がんばってやっております」と達郎さん。
福岡が終わった時点で20本を切り、あとは5月の中頃まで一直線。今週は26日月曜日が長崎ブリックホール。週末31日土曜日、4月1日の日曜日は横浜の神奈川県民ホール。
・風の回廊(コリドー)
リスナーからのリクエストで1985年のシングル「風の回廊(コリドー)」。
・棚からひとつかみ+リクエスト
先週に引き続いて今週もレギュラー・プログラムの「棚からひとつかみ」にリクエストをまぶして。最近のオールディーズもののCD再発ものに、リスナーからのリクエストをいろいろと取り混ぜて。
・NOTHING CAN CHANGE THIS LOVE
最近ソニーからサム・クックの作品が紙ジャケ、Blu-Spec CDでリイシューされた。紙ジャケなので限定盤とのこと。1963年1月にマイアミのハーレム・スクエアというアフリカ・アメリカンのコミュニティでのサム・クックのライヴ。あまりに刺激が強すぎて当時のRCAでは発売を自粛して1985年まで日の目を見なかったという。達郎さんは1985年当時、NHK-FMで「サウンド・ストリート」という番組をやってたが、このアルバム『LIVE AT THE HARLEM SQUARE CLUB, 1963』を全曲紹介したという。このアルバムは1曲だけ聴くというわけにはいかなくて、特にB面は通しで聴いてしまうくらい引き込まれる作品だそうだ。今回は全曲紹介するわけにもいかず、その中から1962年のヒット・ソング「NOTHING CAN CHANGE THIS LOVE」。サックスはキング・カーティス。マスタリングは2005年のボブ・ラドウィッグのものを採用している。日本盤の解説は鈴木啓志さん。
・PHILADELPHIA DREAMING
達郎さんが最近出たオールディーズもののリイシューでいちばん聴いてるのは日本のインディ・レーベル「マグナム・キャット」から出たマット・コヴィントンの1976年のアルバム『MATT COVINGTON』。マット・コヴィントンはフィラデルフィアのヴォーカル・グループ、フィリー・リボーションズのリード・ヴォーカルでファルセットのシンガー。このマット・コヴィントンのソロ・アルバムの中から「PHILADELPHIA DREAMING」。日本盤の解説はフィリーのオーソリティ、林剛さん。
・BABY PLEASE PRETTY PLEASE
マット・コヴィントンよりもっとマイナーなもの。1971年のジェームス・ナイト&ザ・バトラーズのシングル「BABY PLEASE PRETTY PLEASE」。いわゆるファンクもの。数年前に一度出たが今回は紙ジャケでボーナス・トラック付き。板起こしだそうだ。日本盤の解説は鈴木啓志さん。
「ジョス・ストーンが歌ったら合うような、そういう曲調でありますが」と達郎さん。
・バラシ
3月の大阪公演を聴きに行ったリスナーから「公演のトークの中で、今夜はバラシがないので、と仰ってましたが、この"バラシ"は何を指しているのでしょうか?」という質問。
舞台が終わったら、P.A.やセットや楽器を片付けるが、そのことを業界用語で"バラシ"というそうだ。大阪公演は2日公演だったため1日目と2日目のあいだは舞台の片付けがない。なので1日目は「今夜はバラシがないので」と申し上げたと達郎さん。
・PARTY TIME MAN
ザ・フィーチャーズの1978年の通算2枚目のアルバム『PAST, PRESENT & THE FUTURES』から「PARTY TIME MAN」。フィリー・ダンサーで長いけれど構成がしっかりしてて、最期まで楽しめる、冗長な感じがないと達郎さん。フィーチャーズは'60年代末期にフィラデルフィアで結成された黒人6人組のヴォーカル・グループ。
リクエストしたリスナーのスマホの話題に触れて。
「私もまだスマホじゃないですね(笑)。あの手で液晶を押すのがなんとなく抵抗があります。iPhone、スマホ、まだ踏み出せずにおりますが、結局そのうち全部アレになってしまうんですがね、嫌(ヤ)ですね、電気屋の陰謀」と達郎さん。
・今後の特集
4月にオリジナル・ヴァージョン特集の番外編でドゥーワップ編。ドゥーワップはスタンダードを元ネタにしているものが多く、そのスタンダードの源流を探ってゆく。1930年代まで遡るものもあるそうだ。そしてそろそろ珍盤奇盤もやりたいそうだ。ネタも揃ってきたという。
・はじめて聴いたCD
リスナーからの質問で「達郎さんのはじめて聴いたCDは何ですか?」
はじめて聴いたのはまだアナログ・ディスクの時代。シングル・レコードでCDではないそうだ。中学生のときで78回転の「スケーターズ・ワルツ」。はじめて買ったのはヴェンチャーズ。'80年代にはじめて聴いたCDはクラシック。ロリン・マゼールのチャイコフスキーの「悲愴」か、アシュケナージのラヴェルの「夜のガスパール」なんかだったそうだ。
「ロリン・マゼールのやつは、ほとんどはじめて聴いたCDの1枚なんですが、なんでこんないい演奏がこんなひどい音なんだろうというのが(笑)、それが偽らざる本音でした。最近ようやく、そのロリン・マゼールのですね、当時のチャイコフスキーのその演奏がリマスタリングされてリイシューされました。それを私はiPodに入れて旅に持って聴いておりますが、こんなに違うのかというほど音が違います。まぁ、30年ほど前の話ですから」と達郎さん。
・I LAUGHED
ドゥーワップのリクエスト。ただリクエストしたリスナーがラジオ・ネームだった。ほとんどラジオ・ネームだったらリクエストに応えないそうだが、今回はリクエスト曲に惹かれて名前も何も見ずに持ってきてしまったとか。できれば名前を書いてほしいとのこと。
ジェスターズはニューヨークの4人組のヴォーカル・グループ。1958年の作品から「I LAUGHED」。
・T & T
達郎さんのバンドの小笠原拓海くん(ドラムス)がトランペットの市原ひかりさんと結成している5人組のインストゥルメンタル・バンド、hip chick。'70年代、'80年代のフュージョンをやってる。彼らのセカンド・アルバム『HIP CHICK 2』から「T & T」。
友人から僕宛の誕生日祝いのメッセージを達郎さんに読んでいただきました。
出先からiPhoneで聴きました。ありがとうございました。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
■今後の予定
04月01日は、レギュラー・プログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp