2019年02月17日プレイリスト
「ロイ・オービソン特集 Part 1」
1. ミラクル・ラブ / 竹内まりや '92
2. OOBY DOOBY / ROY ORBISON '56
3. CLAUDETTE / THE EVERLY BROTHERS '60
4. UPTOWN / ROY ORBISON '60
5. ONLY THE LONELY / ROY ORBISON '60
6. BLUE ANGEL / ROY ORBISON '60
7. I'M HURTIN' / ROY ORBISON '60
8. RUNNING SCARED / ROY ORBISON '61
9. CRYING / ROY ORBISON '61
10. DREAM BABY / ROY ORBISON '62
11. IN DREAMS / ROY ORBISON '63
12. COME BACK TO ME / ROY ORBISON '60
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■内容の一部を抜粋
・近況
そろそろレコーディングがはじまるそうだ。今週20日(水)、21日(木)は梅田クラブクアトロでアコースティック・ライヴ。「3月ももう一回やります。北海道の小樽にてやります」と達郎さん。
・ミラクル・ラブ
2月18日から6週間に渡りAbemaTVで配信される橋本環奈さんの主演ドラマ『1ページの恋』の主題歌に竹内まりやさんの「ミラクル・ラブ」が起用される。もともとは1991年に牧瀬里穂さんに提供した曲のセルフカバー。シングルのカップリングで発売されたが、アルバムにはまだ正式に入っておらず、ボーナス・ディスクなどにしか入ってない。
『1ページの恋』
https://abema.tv/video/title/90-1222
・ロイ・オービソン特集 Part 1
今週来週の二週間に渡って「ロイ・オービソン特集」。ロイ・オービソンは1988年の12月に亡くなったので没後30年が過ぎた。ロイ・オービソンは大変にドラマチックな人生を送った人で他の誰とも違うシンガー。今でも人気がありONE AND THE ONLYの人。'60年代が全盛期なのでその時代と今とでは音楽が違っているし、死後30年経って再評価もたくさんなされているし、資料もたくさん出ているので、それらをなぞっても時間がかかる。代表曲が多いのでそれだけかけても二週間終わる。特集を組んで後悔していると達郎さん。力不足が否めず荷が重いので、今の一般的な評価やプレイリストとはちょっと違う選曲、特に後期のものは達郎さんの私的な経験の中から選んだ、達郎さんの好きな、言わば「ロイ・オービソンで棚からひとつかみ」のような特集になったという。
ロイ・オービソンは1936年、昭和で言うと11年生まれ。服部克久さんと同じ年。1988年没なので52歳。52歳は早逝の人が多くて美空ひばりさんや石原裕次郎さんも52歳で亡くなっている。いわゆるロカビリー・シーンから出てきたが、声はあまり野蛮なものではなく優しいきれいな声をしている。最初はロカビリーのバンドを組んでロカビリーやカントリーをやっていたが、あまりヒットが出なくて、自分の本来の声のトーンである高音がきれいな曲をバラードに乗せることによってヒットが出て全盛期を迎える。
・OOBY DOOBY
十代の頃にバンドを組んで、その時代のロックンロール洗礼を浴びて、アマチュア・バンドに毛が生えたようなものを作って、メンフィスのサン・レーベル、エルヴィス・プレスリーやジョニー・キャッシュなど錚々たる人たちが出た登竜門から1956年に出した「OOBY DOOBY」が20万枚くらいのヒットになって、ロイ・オービソンの歌手としてのスタートが切られた。全米54位の出世作。のちにC.C.R.がカヴァーする。
・CLAUDETTE
その後はサン・レーベルでヒットが続かずRCAに移籍するも鳴かず飛ばず。そんな頃にツアーでエヴァリー・ブラザーズと遭って、結婚したばかりの愛妻クローデットさんのことを歌った「CLAUDETTE」という曲を、エヴァリー・ブラザーズが気に入りレコーディングしてくれた。それがエヴァリー・ブラザーズの1958年のウルトラ大ヒット・シングル「ALL I HAVE TO DO IS DREAM」のカップリングで発売されて、B面だけど全米30位のヒットになった。これが運命の別れ道になり、ここから運が開けてくる。その後3,4年下積みが続くけれど南部のフレッド・フォスターがオーナーのモニュメント・レーベルに移籍して、だんだんロイ・オービソンは運が開けてくる。
・UPTOWN
・ONLY THE LONELY
同時期に出会ったジョー・メルソンと共作し曲を作りはじめてからいい作品が生まれて、フレッド・フォスターの寛容なレコード・システムの中で、時間をかけて作るシステムが確立した。1960年、全米72位の「UPTOWN」、そして1960年全米2位の「ONLY THE LONELY」。
・BLUE ANGEL
1960年、ロイ・オービソンの快進撃がはじまる。ジョー・メルソンとロイ・オービソンのソングライター・チームにナシュビルのスタジオ・ミュージシャン、プロデューサー、フレッド・フォスターの採算度外視のレコーディング・スケジュール、後から後からヒット曲が出てくることになる。代表曲1960年、全米9位の「BLUE ANGEL」。当時のロカビリー・シーンではひじょうに特異な存在だったロイ・オービソン。「ONLY THE LONELY」がヒットしたのでイントロでスキャットする路線をしばらく続けることになる。
・I'M HURTIN'
1961年、全米27位の「I'M HURTIN'」もイントロがスキャット。バックは南部の代表的なコーラス・ユニット、アニタ・カー・シンガーズ。
・SPECIAL ACOUSTIC LIVE 2019
3月16日(土)、17日(日)に北海道小樽GOLDSTONEにて、達郎さん、難波弘之さん、伊藤広規さんのトリオによるアコースティック・ライヴを行う。それぞれ19時開演。チケット申込方法等詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp
・竹内まりやRCA時代のリマスター盤
まりやさんのRCAのカタログが昨年から毎月一枚というスケジュールでデジタル・リマスター盤が発売されている。11月21日にデビュー・アルバム『BEGINNING』、12月26日にセカンド・アルバム『UNIVERSITY STREET』、1月23日はサード・アルバム『LOVE SONGS』が発売。来週2月27日はフォース・アルバム『MISS M』、L.A.にてエアプレイのメンバーとレコーディングした作品。3月27日はフィフス・アルバムの『PORTRAIT』と5ヶ月連続のリリース。ボーナス・トラック付き。詳しくは竹内まりや40周年特設サイトにて。詳しくは竹内まりや40周年特設サイトにて。
https://www.mariya40th.com
・RUNNING SCARED
1961年、ロイ・オービソン初の全米NO.1の「RUNNING SCARED」。ヒット曲の形式が似てきたのでマンネリ化を防ぐため、ジョー・メルソンとロイ・オービソンのコンビが新しい曲調を考えた。代表作中の代表作。
・CRYING
「RUNNING SCARED」に続いて究極のロイ・オービソンの歌「CRYING」。1961年、全米2位。究極のトーチ・ソング。1981年にドン・マクリーンがリバイバルさせてベスト10に入った。
・DREAM BABY
1962年のベスト10ヒット「DREAM BABY」。
・IN DREAMS
1963年のベスト10ヒット「IN DREAMS」。デビット・リンチが1986年の映画『ブルー・ベルベット』で使って話題になった。
・COME BACK TO ME
今でこそロイ・オービソンは日本で知られているが、'60年代の全盛期、ロイ・オービソンは日本で人気がなかった。アメリカほど日本で知られてないことを危惧したニッポン放送の亀渕昭信さんが1960年のアルバム『LONELY AND BLUE』に入ってる「COME BACK TO ME」を1963年に、レコード会社を説得して発売したところ、これが日本で大ヒットして(日本でしかヒットしてない)、ここからロイ・オービソンの知名度がアップした。「COME BACK TO ME」は「ONLY THE LONELY」よりも前にレコーディングされて、イントロのスキャットのパターンはこの曲からはじまった。この曲のイントロを発展させて「ONLY THE LONELY」のイントロにしたことが今では知られている。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2019年02月24日は、引き続き「ロイ・オービソン特集 Part 2」
http://www.tatsuro.co.jp