山下達郎 サンデー・ソングブック 30th Anniversary PREMIUM LIVE Supported by Rakuten Card

2022年12月29日 | Sunday Song Book
2022年12月29日プレイリスト「山下達郎 サンデー・ソングブック 30th Anniversary PREMIUM LIVE Supported by Rakuten Card」
1. WINDY LADY(LIVE) / 山下達郎 "22/12/16 TOKYO FM ホール"
2. 素敵な午後は(LIVE) / 山下達郎 "22/12/16 TOKYO FM ホール"
3. 人力飛行機(LIVE) / 山下達郎 "22/12/16 TOKYO FM ホール"
4. PAPER DOLL(LIVE) / 山下達郎 "22/12/16 TOKYO FM ホール"
5. 過ぎ去りし日々(LIVE) / 山下達郎 "22/12/16 TOKYO FM ホール"
6. DANCER(LIVE) / 山下達郎 "22/12/16 TOKYO FM ホール"
7. MONDAY BLUE(LIVE) / 山下達郎 "22/12/16 TOKYO FM ホール"
8. SOLID SLIDER(LIVE) / 山下達郎 "22/12/16 TOKYO FM ホール"
9. CIRCUS TOWN(LIVE) / 山下達郎 "22/12/16 TOKYO FM ホール"
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■内容の一部を抜粋
・山下達郎 サンデー・ソングブック 30th Anniversary PREMIUM LIVE Supported by Rakuten Card
12月29日(木)午後2時から「山下達郎の楽天カード サンデー・ソングブック・スペシャル」と題して二時間の特別番組がオンエア。
番組30周年を記念してのスペシャル・プログラム。
サンデー・ソングブックは1992年10月3日に土曜日の午後3時からサタデー・ソングブックとして放送がスタートして、今年10月2日でめでたく30周年を迎えた。それまでもラジオのレギュラー番組を何回かやってきたけれど、「ラジオのレギュラー・プログラムを持ってるときはレコードが出ない」というジンクスがずっとあった。達郎さん自身も、スタッフも「あんまり長くやんない方がいいよ。またレコードが出ないからね。ただでさえ出ないんですから」。そんなことを言ってはじめたプログラムも30年経ち、レコードもそんなに多くはないけれど、6,7年おきに一枚出すことができている。
番組では10周年、20周年、そういうときにスペシャル・ライヴを企画してやってきた。この30周年でやってきたライヴは東京半蔵門のTOKYO FM ホールで開催してきた。予算の関係、いろいろあって三人ライヴ、アコースティック・ライヴでやってきたけれど、今年はなんといっても30周年なので、いつもより大盤振る舞い、「ちゃんとしたリズム・セクションで演奏しよう」、そういうかたちになったそうだ。でもTOKYO FM ホールでは狭いので、普通のホール公演でやっているメンバーが全員ステージに乗らないこともあって、コーラス抜きで、ドラム、ベース、ギター2本、キーボード2台、そしてサックスという6リズム、全部で7人編成で演奏することになった。12月16日(金)に半蔵門のTOKYO FM ホールで収録した「30th Anniversary PREMIUM LIVE」、全国から応募した150人を招待して行われたライヴの模様をオンエア。

達郎さんが小学生の頃はまだテレビがなくて、ラジオがメディアの中心だった。中学生になると学生や受験生をターゲットにした深夜放送というムーブメントが生まれて、達郎さんは中学、高校の頃だったのでラジオべったりの時代だった。ラジオからいろいろなヒット曲を吸収して、その影響でミュージシャンの道を選んだという。ラジオというのは重要なメディアで、当時の音楽を紹介してくださるDJ、福田一郎さん、中村とうようさん、八木誠さん、高崎一郎さん、糸居五郎さん、そういうような方々のおかげで、いろいろな音楽を知ることができた。
達郎さん自身がミュージシャンになってからラジオのレギュラーを持たせてもらうようになり、選曲がオタクで、一般的なプログラムからするとマニアックなので、なかなか受け入れ難いという、70年代あたまはどんなに長くても3年、早いときは10ヶ月で番組が終了になったとか。90年ぐらいまではそんな感じたった。
1992年にサタデー・ソングブックをはじめたときは39歳。それまではアメリカン・トップ40や、R&Bが好きだったのでR&Bチャート、そういうようなものの新譜もかけてたけれど、歳を取ってきて新譜を追うのがだんだん辛くなっていた。だからサタデー・ソングブックのオファーが来たときに「じゃあ、これからはオールディーズ専門の番組で行こう」、1950年代、60年代、70年代、80年代の音楽だったら、それまでの自分の既成の知識だけでなんとかなると考え、オールディーズ中心の番組としてサタデー・ソングブックをスタートさせた。
ちょうど土曜日の午後3時からの番組だったので、前番組の邦楽ベストテン、洋楽ベストテンというタイムテーブルを継ぐかたちになりバランスがよかった。二年ほど経ち日曜日の午後2時に移ってくれと言われた。日曜の午後2時は大変難しいゾーンで、深夜だったら学生とか、ある程度特化したリスナーだけれど、日曜の午後は行楽帰りのファミリーだとか、クルマの中で聴いてる人たち、お店をやってる方々、幅広いリスナー層があるので、マニアックなオールディーズ番組で果たして大丈夫なのかと思ってはじめたとか。
リスナーからのハガキを読むと「かけてる音楽はわからないけれど、言ってることがおもしろいから聴くようになった」という妙なリスナーも取り込み、だんだん口コミで広がっていって聴取率も上がって、3年で終わるかと思っていたら、5年になり6年になり、どんどん続いて今や30周年を迎えることができた。
「ラジオのレギュラー・プログラムを持ってるときはレコードが出ない」というジンクスも、番組に入り込みすぎるとそういうこともあるけれど、この30年間でオリジナル・スタジオ録音盤が4枚、そういうアルバムを出すこともできた。
オールディーズの番組で、超マニアックではなく、そこそこマニアック、中級クラスの、そこそこマニアックな音源なので、TOKYO FMのレコード室にほぼないものばっかり。自分の家から持ってきてレコードをかけている。はじまった頃はまだアナログからCDに移る時代だったのでCDもあるけれど、ほとんどレコード、60年代、特に50年代の音楽はまだCD化されてないのがほとんどだった。なんといっても古い音源なので、サンデー・ソングブックになった頃、木村拓哉さんが前で、後ろがDREAMS COME TRUE(ドリカム)の時代があって、この前後のふたつの番組はバリバリの新譜をかけているので、この番組で50年代とか60年代の、たとえばチャック・ベリーとか、エディ・コクランとか、バディ・ホリーをかけたって、迫力の点で折り合わない。自宅にリミッターとかコンプレッサー、イコライザーといった機材を持ち込んで、アナログ・リマスタリングして、それをDATに録音してスタジオに持ってくるという気が遠くなるような作業をしていたという。そういうことを繰り返してるうちに「最高の選曲と最高の音質」というキャッチフレーズ生まれてきた。そういう中からデジタル・リマスタリングのノウハウが知らないうちに培われて、それが本業に反映するという、ひじょうにいいサイクル、パターンだった。サンデー・ソングブックとともに三十代、四十代、五十代、そして六十代を生きてくることができた。
「話が長くなってしまいましたけれども(笑)、でもサンデー・ソングブック30周年記念プログラムなので、はいライヴをお聴きください、そういうふうには行きませんので、こういうことを予め挟みつつ、ライヴの方もお聴きいただきたいと思います」と達郎さん。

・WINDY LADY
1976年のアルバム『CIRCUS TOWN』に収録。もともとはシュガーベイブのレパートリー。最近のライヴではシュガーベイブの1975年の演奏、シュガーベイブのアレンジでやっている。22歳のときのアレンジ。

・素敵な午後は
1977年のアルバム『SPACY』に収録している。コーラスなしの曲は1970年代の作品に圧倒的に多く、あの当時は村上"ポンタ"秀一さんのドラムで、岡沢章さんのベース、松木恒秀さんのギター、そして坂本龍一さんのキーボードに土岐英史さんのサックスという編成で、コーラスなしでこういうような曲を学園祭やライヴハウスでずっとやっていた。その時代のアレンジメントとその時代の感じで演奏したとのこと。

曲冒頭に。
「こんばんは。ようこそいらっしゃいました。サンデー・ソングブック30周年記念のイベントでございます。しかし(笑)、よく当選しましたね。30周年なんですけれど、このTOKYO FM ホール、ステージが狭くてですね、人が乗らないんです。で今日はコーラスが乗りません。のでリズムセクションだけの演奏になります。そうしますとですね、私がソロに、デビューした頃の70年代の記憶が蘇ってきまして、当時はコーラスなんて予算がございません。使えませんでした。村上ポンタ、岡沢章、坂本龍一、松木恒秀、土岐英史、それに僕という6リズムでやっていた時代があります。で結局、今日はそういう曲が中心で、ほとんど70年代で統一されます。喜んでいる方もいらっしゃいますが、初めてご覧になる人いらっしゃいます? 初めての方だとちょっと難易度が高いかもしれませんが、ひとつ(笑)、でもたったそれくらいなので安心しました。てなわけで今日は本当に自分の二十代のことを思い出して、すごく演奏するとフラッシュバックします。ので短い時間でありますけれども、お楽しみいただければと思います。でも全部70年代だと癪に障るので新曲もやります。放送をお聴きの皆さんにこれはクリスマス前に録ったものなので、お客さんに気を遣って、えぇ、お客さんに気を遣って。サァイレンナイ〜...」と達郎さん

・人力飛行機
全部そういうのだと癪に障るのでニューアルバム『SOFTLY』から一曲。

曲の冒頭のMC。
TOKYO FM ホールではアコースティック・ライヴや何かのイベントのゲスト出演など、これまで座って演奏しかやってなかったという。立って演奏するのは今回が初めて。ホールの小ささを改めて実感したとのこと。二十代半ばに学園祭、宮城女子大とか金沢女子大とか東大の駒場の中庭で、ちょうど今頃の季節にやっていたことを思い出したそうだ。「WINDY LADY」とか特に「素敵な午後は」は何十年ぶりなのに、デジャヴして、お客さんが学生に見えて、お互いに若くなってゆく感じがしてるとか。昔やっていたライヴの再現、アーカイヴみたいな感じ。昔の曲はどちらかというと暗い内容で、あんまり人生に希望がないとか、男女関係が絶対に成り立たないとか、そんなのばかり。それが好きだという昔からのお客さんがたくさんいて、「最近の山下達郎はちょっと明るすぎるんじゃないか」とか言われる。歳取ってからそんなブツブツ言ってられないので、だんだん平常心、落ち着き、丸み、それでアルバム・タイトルがソフトリーになった。「そんな1970年代当時、私の最もペシミスティックな歌で、そんな中でも一際人気があった曲で、今年のツアーでもやってるこの曲をどうぞ」と達郎さん。

・PAPER DOLL
また70年代に戻って1978年のアルバム『GO AHEAD!』に入ってる、昔からのお客さんには人気曲の「PAPER DOLL」。こうした70年代の作品は楽器のソロが多い、どちらかというとジャズとか16ビートのジャズ・ファンクとか、そういうようなものに近いアプローチ。「PAPER DOLL」はリズム・セクションの4人がソロを掛け合うかたちで展開されている。

曲の冒頭のMC。
お客さんには関係ないけれどめちゃくちゃフラッシュバックする。44,5年前のライヴハウス、六本木のピットインの空気がして、お客さんの空気がまたそんなに変わってないのがストレンジな感じで、年齢層が高いのか低いのかよくわからない。新宿ロフトや荻窪ロフトや下北のロフト、高円寺のJIROKICHIとか、シュガーベイブというバンドはライヴハウスが主な活動拠点だった。月の半分くらいは演奏していて、それで『SONGS』というアルバムが生まれて、1975年だからもう47年になる。21,2の頃に作った曲は今でもまだやれてるのは幸福なので、今日は普段あまりやらない曲ばかり。やれる機会があればやりたいけれど、キャリア47年で作った曲が300曲以上なので、ずらっと並べてるだけでできない曲が5年、10年経ってしまう。「この曲も2015年以来だから7年ぶりにやる曲。昔から好きな曲なんですけれどなかなかやる機会がございませんで、こんな機会に150人のみなさまに聴いていただければと思います」と達郎さん。

・過ぎ去りし日々
もっと遡って久しぶりにシュガーベイブのアルバム『SONGS』からのナンバー「過ぎ去りし日々」。しかもリズム・セクションを入れてやっている珍しいパターン。

ここで14時台が終わって後半。

曲の冒頭のMC。
70年代に「PAPER DOLL」をやっていた時代はフュージョン全盛で楽器演奏がすごく重要視されていた。今はヴォーカル・オリエンテッド、ヴォーカルがメインだけれど、70年代のサブカルチャーの日本のロックのシーンは演奏力が第一だった。その原因はヴェンチャーズのムーブメント。歌の音楽がひじょうに軽んじられていく傾向で、シュガーベイブを作った頃はまさにそういう時代だった。それに伴って8ビートよりも16ビート、ロックよりもジャズの方が優秀だという風潮があった。それに抗ってシュガーベイブを作ったが、ウケない、踊れない、「もっと踊れるのやれ」と言われて、すごく傷ついて、ソロになってからインストゥルメンタルに重点を置いた16ビート傾向の曲をずっと作ってきた。もともと嫌いではなかったので、リズム&ブルース、16ビートのミュージックは好きだったんで、必然的に楽器のソロのパートが多くなって、当時は土岐英史さんとか向井滋春さんとか現役のジャズ・プレーヤーに仲良くしてもらったので、そういう人たちをレコーディングに呼んだり、ライヴを手伝ってもらったり、長いソロの曲を好んで書いていた時代があった。最近はセットリストの関係で長くできないが、こういうときに何曲か聴いていただきたいと思うとのこと。「2011年から僕のこのグループで、サックス・プレーヤーやってもらってます、宮里陽太くんはひじょうに優れた、日本でも有数の優れたサックス・プレーヤーであります。普段は彼のコンボで聴く機会があるんですけれど、私のライヴでも長いソロで素晴らしい演奏をやってもらってます。そんな中でも出色のやつで次に出るライヴ・アルバムにも必ず入ります。今日のやつもうまくいけば入るかもしれませんが、それはわかりませんけれど、これから、そんな感じで聴いていただければと思います」と達郎さん。

・DANCER
1977年のアルバム『SPACY』に収録している「DANCER」。これも割に人気曲で久しぶりに演奏した。サックスの宮里陽太さんの素晴らしいプレイが聴ける。

・MONDAY BLUE
その次は1978年のアルバム『GO AHEAD!』に入ってる「MONDAY BLUE」。こういう曲をなかなかやる機会がないので久しぶり。

・SOLID SLIDER
1977年のアルバム『SPACY』に収録している「SOLID SLIDER」。この曲もお馴染みだけれど久しぶりに演奏した。『SPACY』と『GO AHEAD!』のもうオンパレード。

曲の冒頭のMCからの抜粋。
「お終いにやる曲というのがですね、実はないんです。コーラスなしの曲で。そういう賑やかな曲がないんです。で、どうしょうかなと思ったんですけれど、だから涙を飲んでというかですね。コーラスなしでやっちゃおうという感じで... 」
(拍手)
「へへっ(笑)、なんでも拍手すればいいってもんじゃねぇんだ」
(爆笑)
「だんだん柄が悪くなる、昔、嫌だなぁ、昔のピットインみたいになってきたなぁ、ホントに。みなさん元気ですねぇ! 」
(拍手)
「なんかやらせたおす、というかなんかこう、昔の空気ですね、学園祭の。こんなもんで終わると思うなよみたいな、でもこっちは上田正樹じゃないんですからね。ちょっと古いな、ネタが。なので(笑)、コーラス必要な曲なんですけれど、最後に景気付けるにはこれくらいじゃなきゃダメだろうという曲なので。みなさん今日は本当に30周年記念でお集まりいただきましてありがとうございます。また来年もツアーやりますし、来年はライヴ・アルバムが出ることになります。それからRCA時代のLPが高値を呼んでおりまして、この間イギリスのディーラーから来ましたら、『SPACY』が250ポンドで送られておりましてですね、冗談じゃない。それなので来年はRCAのカタログを順次、LPとして発売して参りますので、もしアナログお求めの方はそれまで転売ヤーの餌食にかかんないように、しばらくお待ちいただければと思います。すいません、お寒い中をお運びいただきまして誠にありがとうございます。それでは(笑)、ひどいな(笑)、やりゃいい、最後にこの曲を」と達郎さん。

・CIRCUS TOWN
最後にファースト・アルバム『CIRCUS TOWN』から「CIRCUS TOWN」。本来はコーラスが入っているけれど、コーラスなしでアプローチしている。でも昔はこういうかたちで演奏していた。

演奏メンバーは
ドラム : 小笠原拓海
ベース : 伊藤広規
ギター : 佐橋佳幸、そして山下達郎
キーボード : 難波弘之、
同じくキーボード : 柴田俊文
サックス : 宮里陽太
7人編成でのライヴ。

・プレゼント
番組30周年なので12月5日に発売された「BRUTUS特別編集 増補改訂版 山下達郎のBrutus Songbook」。もともと番組25周年のときに発売された「特集 山下達郎のBrutus Songbook 最高の音楽との出会い方」が、今回ムック本として「BRUTUS特別編集 増補改訂版 山下達郎のBrutus Songbook」として発売されている。これにサインを入れて抽選で30名にプレゼント。宛先欄に必ず「BRUTUSの本希望」と書いてくださいとのこと。ハガキの方は1月15日の消印有効。ホームページから応募する場合はプレゼントのバナーをクリック。締め切りは1月15日23時59分まで。
https://www.tfm.co.jp/ssb/

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年01月01日・08日は「新春放談(ゲスト:宮治淳一)」
http://www.tatsuro.co.jp
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