Sunday Songbook Playlist

2008年06月22日 | Sunday Song Book

<06月22日プレイリスト>
[「山下達郎アコースティク・ミニ・ライブ」特集 Part 2]
[07] SMOKE GETS IN YOUR EYES/山下達郎 "SEASON'S GREETINGS" '93
[08] WHAT'S GOIN' ON/山下達郎
[09] 蒼氓/山下達郎 "僕の中の少年" '88
[10] さよなら夏の日/山下達郎 "ARTISAN" '91
[11] RIDE ON TIME/山下達郎 '80
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■内容の一部を抜粋
・近況
先週はまりやさんの次のシングルのカップリングのミックスをしていたそうだ。まりやさんはこの後続々とレコーディングが詰まっている。次のシングル、ミュージカル、コンプリート・ベスト・アルバムの選曲、マスタリングと延々と続いてる。7月になるとまたまりやさんの次のシングルのレコーディングがスタートするので、タツローさんは今そのための準備、コンプリート・ベスト・アルバムのマスタリングのための準備、そうした下ごしらえの段階だという。

・山下達郎アコースティック・ミニ・ライブ特集
3月12日発売のニュー・シングル「ずっと一緒さ」の初回盤CD封入の応募ハガキにて応募したリスナーと、「サンデー・ソングブック」800回記念に応募したリスナーを抽選で招待して、山下達郎(ギター)、難波弘之(ピアノ)、伊藤広規(ベース)の編成で東京と大阪でインストア・イベントの拡大版としてアコースティック・ミニ・ライブを行った。

公演日程
東京は浜離宮の朝日ホールで4回公演。
5月5日(月・祝日) 1回目16時 2回目19時
5月6日(火・祝日) 1回目15時 2回目18時
大阪は厚生年金会館藝術ホールで1日2回公演。
5月10日(土) 1回目16時 2回目19時

計6回行われた「山下達郎アコースティック・ミニ・ライブ」の特集。先週、今週、来週の半分を使って2週間半かけて特集する。先週は前半部分、今週は後半部分。今日はアンコール前まで一気に行って、来週はアンコール後。

・SMOKE GETS IN YOUR EYES
今年2008年は「クリスマス・イブ」が入っているアルバム『MELODIES』をリリースしてから25年になるという。30年目だとアルバム『GO AHEAD!』。タツローさんはあまり25周年とか30周年とか好きじゃないので、さりげなく(笑)。もうひとつオーケストラとアカペラで構成された『SEASON'S GREETINGS』がリリースされて15年になるという。『SEASON'S GREETINGS』は『ON THE STREET CORNER』の延長で、クリスマス・ソングをひとりアカペラで仕立てたものと、服部克久さんにストリングス・アレンジ、オーケストレーションをお願いしてクリスマス・ソングとスタンダード・ナンバーをちりばめて作ったアルバム。この服部克久さんの作ったオーケストラのカラオケが好きで、クリスマス・ソングとスタンダード・ナンバーをステージでずいぶんと歌ってきたが、タツローさんにとってベスト・オブ・ベストが「SMOKE GETS IN YOUR EYES」。服部克久さんの作ったオーケストラのカラオケに包まれて歌うのが気持ちがいいそうだ。「一生大切に歌い続けて行きたいと思います、なんて演歌歌手みたいなことを言ってますが(笑)」とタツローさん。

・歌は世につれ...
最後にライヴをやったのはこのアコースティック・ライヴの形で、5年前のファンクラブ10周年記念のイベントで、北海道から福岡まで全国ツアーをやった。そのツアーがはじまる数週間前にアメリカがイラクに侵攻して、タツローさんはそのプログラムに急遽1曲加えて歌を歌ったんだそうだ。あれから5年経って相変わらず世界中は騒乱、戦争が絶えることなく続いている。タツローさんは1960年代から1970年代にかけての政治の季節に高校生で、いわゆる70年安保の世代になる。その時代の政治的プロパガンダの馬鹿らしさに失望して、以来ミュージシャンをやってずっと長い。努めて政治的な発言とか、そういうような表明はなるべくしないように心がけてきたという。

タツローさんは音楽で世の中が変えられると思ったことは今まで一度もない。「歌は世につれ、世は歌につれる」というが、歌は世につれても世は絶対に歌につれないというのがタツローさんの考え方。ただ文化に関わってる端くれの人間なので、こうした文化メディアというのはそうした世の中の流れに否応無しに左右されるメディアなので、然らば音楽にとって何ができるのかとふと考えると、そうした騒乱とか争いとかから、心の痛み、哀しみ、そういうふうなものを慰めたり、癒したり、励ましたり、そういうふうなことだったら音楽にもできるのだとずっと考えて生きてきた。

そうしたことの大本にある音楽の経験はアメリカやイギリスのロックンロールとかR&Bだった。19歳の頃に出会ったある1曲はそうしたものの中でもワン・オブ・ベストで、タツローさんの魂に強烈なメッセージを投げかけくれる曲。1番はいわゆる反戦歌で、"泣いてる母親はこんなに多くて、死んでゆく息子たちはもっと多い。お父さん、僕たちそうしたエスカレートを望んでいないのだ。愛だけが憎しみを和らげてくれる"、これが1番。それ以上にタツローさんが感動したのは2番の歌詞で"みんな僕らが悪いって言ってる。でも僕らの髪が長いって、ただそれだけでどうして僕らを裁くことができるんだ"。タツローさんは高校時代からロン毛(長髪)だったので、教師にロン毛を引っ張られて早く切れって脅かされたんだという。そんな時代だったのでタツローさん19歳の魂にすごく響いたそうだ。30数年経っても自分にとっては大事な曲で、5年前にその曲を急遽加えたのだが、そういうふうな曲を自分でも作れないかとずっ~と思っていて、30代の半ばに、内容的には違うけれど、思想と言ったら口幅ったいけれど、タツローさん自身のものの考え方といったものを込めて作った1曲があるという。

「5年前にその外国の曲と僕自身の曲を2曲メドレーで続けてやったんですけれど、今日もそれと同じセットで是非ともみなさんにお聴きいただければなと思って持って参りました。よろしくお願いします」とタツローさん。

・音楽を作る環境
ここ10年くらい、思うように行かない時代が長く続いて、長くやってると音楽を作る環境が変わる。特に21世紀に入ってそういうふうなものが激変して、最初はじめた頃はアナログのテープ・レコーダーで、それがデジタルのテープ・レコーダーになって、そのときも結構苦労したけれど、最近はハードディスクで音楽を録音する時代になった。一見やり方は同じなんだけれど、やはり機械が変われば音楽の響き方が変わる。2000年のあたまくらいからハードディスク・レコーディングがはじまったんだけれど、それまで長いことをやってると自分の経験則で、こういう楽器とこういう楽器を合わせて、こういう録音の仕方をすればこういう音になるというのが、ある日突然全然通用しない世界になった。自分では15年前や20年前と同じように作ってるのに上がったものが全然似て非なるものになってしまって七転八倒した時代が21世紀に入って3、4年続いた。ようやく最近調子を取り戻してきたので、そのおかげでヒットも出るようになった。

・人生とは不思議なもの
レコード会社の人の問題もいろいろあって、レコード会社ともこの10年紆余曲折がありまして、一時は移籍しようかなとも思ったんだが、ここ数年、上の役員の人たちから現場までがガラッと陣容が変わって、今度は逆にすごく大切にしてくれるようになった。そのおかげでまりやさんもタツローさんもヒットが出たり、新作が出せるようになった。人間の運命なんて本当にどこでどう変わるかわからない。今は悪くてもまた先は良くなるかもしれない。その先にまた何か待ち構えてるかもしれない。とりあえず先に進んで行くしかない。勝ち組とか負け組とか下らない言葉があるが、そういうふうなものと全然違って人生とは不思議なものだなと思っている。

・ツアー再開
ずいぶん曲を作ってきたので次のツアーをやるにも選曲が大変。自分でやりたい曲、まずはベスト・ヒット曲集でツアーを再開してみようかなと思っているそうだ。

・さよなら夏の日
限りなく真実に近いフィクション。最近はこの曲みたいな曲を書いてくれというオファーが多いそうだ。
「でもこういう曲は人生でそんなに何曲もかける曲じゃないんです。実はこの曲はステージでかけたのは1回しかない。アルチザンのアルバムが出たときにやったきりなんですけれども。そのときは10人編成のバンドの編成でやったんですけれど、実はこの曲はこうした小ちゃな編成で、難波くんと伊藤広規と僕と3人で、この編成でやったほうがこの曲の本来の持ち味がよく出ているような気がします」とタツローさん。

・復帰
今年の末からいよいよコンサート・ツアーをはじめる運びとなったそうだ。あと5年で還暦なので、最低でも還暦までできるだけどんな少ない本数でも毎年ツアーをやれればなと思っているとか。ここ数年間その計画をずっとやっていたそうで、中長期的計画で今後数年間ずっとツアーをやるためには、いろいろなことをやらなければならないので、25年同じメンバーでやってきたけれど、何人か若いメンバーに代えて、メンバー・チェンジをして、そういう意味でコンスタントにライヴをできるシフトで今計画をやっているそうだ。夏ぐらいからそのメンバーで練習をはじめて、年末にツアーをはじめられればと思っているという。
「もうそろそろコテコテのお客様が毎年毎年見に来られて、また同じ曲だとそういうことは言わないで、これから先は老後の楽しみだと思ってですね、あたたかくやっていただければと思います。毎年少しでもツアーができれば一人でも多くの方に見ていただけると思うし、まだまだ見てない方がたくさんいらっしゃいます。ヤフオフのお世話になんなくてもご覧になれる機会をなるべくたくさん作れればなぁと思ってます」とタツローさん。

・まだ尖ってる
「昔のヒット曲を聴きたいお客さんもたくさんいるし、だがらと言って昔の曲ばかりだと、それは懐メロ歌手になりますし、昔は良かったなっていうには、そういうふうになるにはまだちょっと尖ってるんですよね。だからもうちょっと前に進みたいなという感じがいたしますので、また新曲を書いてシングルを出したときにはよろしくお願いしたいと思っています(笑)」とタツローさん。

・RIDE ON TIME
5年前にもやった曲だが、そのときはこの曲をこの3人でたぶん演奏するのは、これが最初で最後だと言っていたが、なぜかこういうことがまた起こった。

・ノーギャラ
タツローさんひとりがノーギャラ。拍手するなら金をくれと言うと100円投げたヤツがいるとか。
「俺は動物園の猿か。猿は100円玉食えねぇだろうって。そうするとバナナ投げられそうですが。嫌ですね、まじめにやるヤツがいますからね(笑)」とタツローさん。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
06月15日・22日・29日は、「『山下達郎アコースティク・ミニ・ライブ』特集!」

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落語ネタ (ひらやま)
2008-06-23 00:55:03
東京の落語界の名物で川柳川柳という爺さんがいて、自らの体験を重ねて軍歌を歌いまくる「ガーコン」という噺ひとつしかやらない。
早くに亡くなった古今亭右朝という若手がこの噺をカバーして録音が残っているのだけど、「世は歌にはつれない」を枕で使っていたので印象に残っている。
これ有名な話なのか、達郎さんが寄席ででも聞いたのか、それとも関係ないのか。
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Re: 落語ネタ (どい)
2008-06-23 23:17:43
☆ひらやまさん
川柳に関連した話をしていたような記憶があります。
よく思い出せませんが。。
「世は歌にはつれない」というのは大滝さんも以前言ってましたね。
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