Sunday Song Book #1331

2018年04月15日 | Sunday Song Book

2018年04月15日プレイリスト
「ノーキー・エドワーズ追悼特集」
1. 夕陽は赤く / THE VENTURES '68
2. NIGHT RUN / THE MARKSMEN '61
3. STEEL GUITAR RAG / NOKIE EDWARDS "THE GREATEST HIT OF THE VENTURES" '90
4. SUGARFOOT RAG / THE VENTURES "PLAY THE COUNTRY CLASSICS" '63
5. CARAVAN / THE VENTURES "BOBBY VEE MEETS THE VENTURES" '63
6. FUGITIVE / THE VENTUREES "THE FABULOUS VENTURES" '64
7. LONELY GIRL / THE VENTURES "KNOCK ME OUT" '65
8. GONE, GONE, GONE / THE VENTURES "KNOCK ME OUT" '65
9. FUZZY AND WILD / THE VENTURES "WILD THINGS!" '66
10. BUMBLE BEE TWIST (LIVE) / THE VENTURES "IN JAPAN" '65
11. WIPE OUT (LIVE) / THE VENTURES "IN JAPAN" '65
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■内容の一部を抜粋
・近況
「自分のレコーディングが一段落しましたら今度はまりやのレコーディングがはじまろうとしています。アレンジでございますね。今月はもうけっこうパッツンパッツンでございまして。がんばって仕事をしております」と達郎さん。番組は前倒しで収録とのこと。

・ノーキー・エドワーズ追悼特集
3月12日にヴェンチャーズのリード・ギタリストだったノーキー・エドワーズが亡くなった。享年82歳。日本にエレキギターが普及したのはヴェンチャーズ、とりわけノーキー・エドワーズの圧倒的なテクニックが若者の心を捉えたから。「私もヴェンチャーズがルーツ。ヴェンチャーズがいなかったらロックンロールに目覚めていませんので」と達郎さん。達郎さんはドラムだったのでメル・テイラーに没頭して育ったので、ヴェンチャーズの曲のコードをほとんど知らないという。ドラムはそらで言えるけれど、曲のキーになるとほとんど知らないのだそうだ。今日は「ノーキー・エドワーズ追悼特集」。達郎さんのルーツなので、追悼のリクエストがたくさん届いてるけれど、達郎さんの好きな曲でノーキー・エドワーズを偲ぶ。

・夕陽は赤く
加山雄三さんの光進丸が火災で沈没した。達郎さんは光進丸に二回乗せてもらったとか。加山さんにお見舞いを言ったら「まだ夢を捨ててない」という答えをもらったという。加山さんの1965年のヒットソング「夕陽は赤く」をヴェンチャーズが取り上げていて、ちょうどリクエストも来ているそうだ。もともとシングル・オンリーで発表されたが今は『POPS IN JAPAN』のCDに収録されている。洋題は「BLUE SUNSET」。

・NIGHT RUN
ノーキー・エドワーズ、本名はノエル・フロイド・エドワーズ。オクラホマ生まれのノエルなのでノーキーという芸名になったという説があるそうだ。1935年だから昭和10年生まれ。加山雄三さんが2つ下、服部克久さんがひとつ下ということになる。チェロキー・インディアンの血を引く大家族の一員で、家族のほとんどが楽器を嗜んでいて、小さな頃から楽器に馴染むという生活の中からギタリストの道を選んだ。「NIGHT RUN」は一時期ヴェンチャーズを離れて、マークスメンというユニットを作って、1961年に発表したシングル。

・STEEL GUITAR RAG
年代的にロックンロールの初期の人なので、カントリーの影響が強く、基本的にはカントリー・ギタリストとして認知していい。レス・ポールやチェット・アトキンス、マール・トラヴィスが彼のアイドルなのでヴェンチャーズのときに超絶的なテクニックを見せなかった。でもカントリー・フレーバーは随所に出てくる。1990年に出したソロ・アルバム『THE GREATEST HIT OF THE VENTURES』の「STEEL GUITAR RAG」はカントリーの名曲。バック・メンバの演奏はチープだがノーキー・エドワーズのギターだけはすば抜けていい。日本で制作されたのでそういう感じ。ウェスタン・スウィングのバンド、ボブ・ウィリス&ザ・テキサス・プレイボーイズのヒット曲で今やスタンダード曲。

・SUGARFOOT RAG
ヴェンチャーズではなかなかカントリー・テイストを出さなかったが、ヴェンチャーズの1963年のアルバム『PLAY THE COUNTRY CLASSICS』では珍しくカントリー・フレーバーたっぷりの曲を聴かせてくれる。『PLAY THE COUNTRY CLASSICS』から「SUGARFOOT RAG」。

・CARAVAN
時代がロックンロールに向かってひた走ってた時代なので、ノーキー・エドワーズはロックンロールにあこがれて、ロックンロールなギターにだんだん食指を動かしていく。ローカルなところで演奏していたときにカントリー・シンガーのバック・オーエンスに見出されて、バック・オーエンスのバック・バンドを経てウエスト・コーストにやってきた。ドン・ウィルソンとボブ・ボーグルに会って、最初はヴェンチャーズのベーシストとして加入するが、腕がいいのでリード・ギターに昇格。そこからドン・ウィルソン、ボブ・ボーグル、ノーキー・エドワーズ、メル・テイラーの黄金の4人が出来上がる。日本にやってきてライヴをやってから日本で爆発的に人気がでて、達郎さんの世代はみんなヴェンチャーズでエレキを覚えた。とりわけノーキー・エドワーズのテクニックは凄いものがあったけれどなかなか弾かない。正確なフィンガリングを心がけていた。その代表的なプレイが「CARAVAN」。1963年の『BOBBY VEE MEETS THE VENTURES』に収録されているデューク・エリントン作品。「CARAVAN」をライヴで聴くとレコード通りには弾かない。加山さんがノーキー・エドワーズにインタビューすると、レス・ポールみたいに多重録音なので、ひとりで全部できないから変形してやっているんだと言ったそうだ。LPではあまり目立たないがCDになるとイントロのドラムから歪んでるのがわかる。サーフィン・ホットロッドでは欠くことのできない超有名なエディ・ブラケットというエンジニアが歪ませたままにしている。

・FUGITIVE
ヴェンチャーズは1950年代の終わりに結成されたインストゥルメンタル・グループ。それまでの一般的なインストゥルメンタル・グループはキーボードとサックスが入っていたが、ヴェンチャーズはギターだけのコンボで作られて、ドラムにベースにギター二本が当時ひじょうに目新しかった。1960年代のブリティッシュのビート・グループの魁となった。当時のヒット・ソングをインストに仕立てて年に4枚くらいアルバムを作った。シングル・ヒットのアーティストではなくてアルバム・アーティテスト。いわゆる歌のない歌謡曲というキャラクターのバンドだった。でも日本ではあまりに人気が出たためにちょっと評価が変わってしまった。インストもののプロデューサーとしてヴェンチャーズはボブ・リゾーフとかジョー・サラシーノと仕事をしたが、最も優れた仕事をしたのはディック・グラッサー。ディック・グラッサーがプロデュースをしていた1964年から1966年までがヴェンチャーズのピークだと考えられる。1964年の名盤『THE FABULOUS VENTURES』に入ってる「FUGITIVE」は邦題「逃亡者」。もともとはルー・ドーシーというギタリストが作ってメル・テイラーがドラムを叩いてシングルで発表したが、ヴェンチャーズが取り上げ、ノーキー・エドワーズの圧倒的なテクニックで、ヴェンチャーズのほうが優れた仕上がりになっている。珍しくモズライトではなくフェンダー系のギターで弾いている。

・LONELY GIRL
ディック・グラッサーのプロデュース作、1965年のアルバム『KNOCK ME OUT』に入ってるオリジナル曲の「LONELY GIRL」。この曲を聴くと中学二年の練馬の実家を思い出すと達郎さん。

・細田守監督最新作『未来のミライ』
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、そして『バケモノの子』に続く細田守監督最新作『未来のミライ』が7月20日に公開される。この度、このアニメ『未来のミライ』のオープニング・テーマとラストのエンディング・テーマ(主題歌)を達郎さんが書下ろすことに決まった。2009年の『サマーウォーズ』以来、2度目のタッグとなり、タッグは実に9年ぶり。「同じ監督と二回するの生まれて初めてでございます。2曲書くというのも生まれて初めてでございます」と達郎さん。オープニング・テーマは「ミライのテーマ」という曲。エンディング・テーマは現在締め切りに追われて製作中でタイトルは最終決定してないとか。この2曲はシングルとして7月11日に発売予定。詳しくはワーナーミュージック・ジャパンの山下達郎スペシャル・サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/

・PERFORMANCE 2018
今年のツアーのスケジュールが決定した。6月から11月まで全国24都市49公演。チケットの一般発売などの詳細は山下達郎のオフィシャル・サイトにて。
http://www.tatsuro.co.jp/live/

・「日本のポップス、ロックの生い立ちと音楽産業の変貌」
達郎さんのワーナーでのビジネス・パートナーの宮治淳一さんが5月26日から毎週土曜日、全3回、母校の早稲田大学のエクステンションセンターで社会人向けの公開講座、講演をすることになった。定員50名でタイトルは「日本のポップス、ロックの生い立ちと音楽産業の変貌」。詳しくは早稲田大学のエクステンションセンターのホームページにて。
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/42361/

・GONE, GONE, GONE
ディック・グラッサーのプロデュース作、1965年のアルバム『KNOCK ME OUT』に入ってるエヴァリー・ブラザーズのヒット曲のカヴァー「GONE, GONE, GONE」。いかにもノーキー・エドワーズらしいモズライトの音がしていると達郎さん。

・FUZZY AND WILD
モズライトはピックアップの出力が大きいので音が歪む。その歪み感がヴェンチャーズの持ち味として活かされた。当時はギター・エフェクターが発達してきた頃で、ディストーションという音を割るエフェクターもヴェンチャーズが草分けだった。そのディストーションを使用した代表曲が1966年のアルバム『WILD THINGS!』に入ってる「FUZZY AND WILD」。メンバーのオリジナル作品で日本ではシングル・カットされ、邦題は「ワイルドで行こう」。

・BUMBLE BEE TWIST (LIVE)〜WIPE OUT (LIVE)
最後はライヴ・アルバム『IN JAPAN』から。観客の熱狂が演奏者を煽るので本人たちの実力以上の何かが取り付いて物凄い演奏になっている。モズライトのピックアップが強すぎてアンプが割れてしまうからパンキッシュな音になり、それがパワーになって伝わっていく「BUMBLE BEE TWIST」と「WIPE OUT」のメドレー。

・今後の予定
来週は二月に一度の聴取率週間。今回は1990年代によくやっていたラヴ・ソングを選曲して「ラヴ・ソングで棚からひとつかみ」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2018年04月22日は、「棚からひとつかみ(予定)」
http://www.tatsuro.co.jp

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