
■Yukihiro Takahashi Presents 4 MOONS' LIVE “Something Blue”
2006年9月27日(水) なんばHatch
miyauchi yuri
HER SPACE HOLIDAY
Steve Jansen
高橋幸宏
なんばHatchでは整理番号順に入場していたが、開場から30分後に受付して会場に入ってみれば、スタンディングではなくシーティングだった。まだ空席があったのでPA卓の前に座った。会場内の灯りは薄暗くアンビエントな音楽がながれていた。演出上ではもうライヴがはじまっていたのかもしれなかった。スクリーンに注意事項が出たと思ったら、オープニング・アクトのmiyauchi yuriが登場し、ラップトップを見ながらギターを爪弾き始めた。開演時間の5分前だった。
miyauchi yuriが15分演奏した後、スクリーンに高橋幸宏が登場して「ナマステ」と挨拶(笑)。その後、HER SPACE HOLIDAY、Steve Jansenが30分ずつのパフォーマンスを繰り広げた。10分の休憩の後、スクリーンに青い月の絵が浮かび上がった。ようやくステージに高橋幸宏が現れた。時刻は8時35分だった。
SKETCH SHOWの活動があったため、ニュー・アルバムの『Blue Moon Blue』は高橋幸宏のソロ作品としては7年振りとなるそうだ。ステージ向かって左から、高田漣、シバオカチホ、高橋幸宏、権藤知彦、高野寛。シバオカチホと権藤知彦はSKETCH SHOWのサポートもしている。高野寛とはT・E・N・Tレーベルのオーディション以来だからもう20年近い付き合いだ。高田漣は「細野さんところから引っこ抜いた(笑)。弦モノならなんでもできて、しかも音楽の種類を問わない」と紹介していた。そうそう、最初のスクリーン上での挨拶で言った「ナマステ」がスベったことに触れ(楽屋のテレビで見ていたそうだ)、「大阪の人は笑いにうるさい」とコメントしていた(笑)。
このバンドでしばらく活動していて夏のフェスティバルにも出演したそうだ。音が固まってきたところだが、あまりまとまり過ぎないようにと注文を出しているという。しかし、バンドといっても実際に楽器を演奏しているのは3人に過ぎない。高野寛がギター(セミアコ?)、高田漣がペダル・スチール・ギター、マンドリン、アコースティック・ギター、権藤知彦はユーフォニアム。権藤知彦はラップトップも操作していたように見えた。そして高橋幸宏もよく見えなかったがラップトップだったと思う。シバオカチホはスウェーデン語のヴォイス。 ラップトップ・ミュージックって馴染みがないので、よくわからないのだが、ディスプレイに現れる波形を見ながらマウスをクリックしているとか。ラップトップ機材も何が何やらよくわからない。そのバンドが繰り出す音は音響派というのかエレクトロニカなのか、まぁテクノ・ポップだと僕は思ったわけで、なんかグルッとひと回りしてテクノをやってるといった印象だった。
スクリーンには音とシンクロしていろいろな映像が現れた。YMO時代の「Cue」を演奏した時には歌詞(英語)が様々な方向から出た。『Blue Moon Blue』はインストを除いて英語やスウェーデン語の歌詞が全体を占めている。日本語詞は1曲だけ。開演前に手に入れた公演パンフレットはアート・ブックで3000円だったが、『Blue Moon Blue』の和訳が掲載されていた。
「Cue」は25年の時を経て穏やかな表情を持つ曲に生まれ変わった。のんびりとした牧歌的な雰囲気になっていた。東京公演でこの曲を聴いた坂本美雨はブログに「...心臓が暴れた」と書いた。
続いて演奏された曲はたぶん新曲。更にユルく音がほどけてゆく。新しい高橋幸宏が解き放たれた瞬間だった。そのまま心の草原を揺らすような曲が切れ目無く続いた。僕は覚醒したまま別の場所に導かれ、完全に打ちのめされた。
後半のセットではアルバムに参加したMarc BianchiやSteve Jansenとのセッション、今回は家族が病気のため来日できなかったMARZのカヴァーもあった。アンコールは25年以上も前のソロ作品から。スクリーンには当時の姿が映し出されていた。
高橋幸宏
高野寛
高田漣
シバオカチホ
権藤知彦
Guest
Marc Bianchi
Steve Jansen
Set List
01 I Like The Wright Brothers, But No Airplanes
02 Cue
03 Museum#3(new song)
04 Blue Moon Blue
05 Exit To Reality
06 Still Walking To The Beat
07 Where Are You Heading To?
08 A Star Is Born(with Marc Bianchi)
09 In This Life(with Steve Jansen)
10 Everything Had A Hard Year(MARZのカヴァー)
11 Something New
12 Eternally
Encore
13 Drip Dry Eyes(with Marc and Steve)
14 Murderd By The Music(with Marc and Steve)

iTunes Storeでアップル・ストア銀座でのインストア・ライヴの音源「BMBATASG/EP」がネットワーク配信されています。