早朝5時の岡山に降り立ち、接続する特急「スーパーいなば91号」に乗り継ぎ。サンライズ瀬戸・出雲に接続して東京~鳥取の夜間移動を確保するために設定された列車ですが、実は「あかつき・なは」にも接続して、九州~鳥取間の移動にも使えるのです。もっとも帰省ラッシュのピークにも関わらずがら空きで、「あかつき・なは」も廃止とあっては、この先どうなることやら。
「いなば」は2両と短いながら、白熱色の照明が落ち着いた雰囲気のいい車両。ゆっくり眠ることができて、初めて通る智頭急行線も夢の中でした。
鳥取は、ちょうど雪が降り始めた所。早朝営業の日の丸温泉に浸かって体を暖め、バスで鳥取砂丘へ向いました。このバスも「周遊きっぷ」の効力内。まずは展望台から全容を眺めた後、「砂丘センター」裏手の山道を下り砂丘に降りてみました。この間リフトが通っていますが、歩いても大した距離じゃありません。
がっかり観光地なんて言う人もいる砂丘ですが、なんのなんの。広がる砂の丘は、日本とは思えない景色。少し晴れ間が見えていたこともあって砂丘散策に出ている人も多かったのですが、突然吹雪に変わり、大変な思いをした人も多かったみたいです。
市内を歩いた後は、特急「スーパーはくと」で倉吉へ。山陰本線は普通列車でしか乗ったことがなかったので、ジョイント音を鳴らしながら130km/hで飛ばしまくる「はくと」の走りにはびっくり。よく言えばスピード感満点、悪く言えば落ち着けませんでした。
倉吉駅からはバスで市内へ移動し、市内散策。伝統的建造物保存地区は活用されている建物が多く、観光客で溢れるいい感じの観光地になっていました。最近の建物でも名建築に数えられる市役所や、その隣の成徳小学校もユニークで、こういう街にいると自然に美意識が芽生えてくるのかなと思いました。
そして、観光案内の地図に従うまま歩いて行った先にあった鉢屋川周辺は、整備の手が入っていないけれど風情抜群。保存地区よりも、僕の心を打つ街並みでした。ただ空き家が多くて、荒れるに任せた家々が多いのは残念です。スポットの当たらぬまま、荒れ果てて行くのでしょうか…?
今度は、やはり飛ばし屋の特急だった「スーパーまつかぜ」に乗り松江へ。バス(これも周遊きっぷの効力内)に乗って、今夜の宿泊地・皆生温泉に向いました。海岸にあって、歓楽街のイメージが強い温泉地で、別府に似ているとも言えるかも。
泊まった旅館のお風呂は、しょっぱい濃い感じの温泉がざあざあ注がれていて、よく温まりました。有名ホテルの温泉にも、日帰り入浴。雪が降りしきる中、荒れる海を見ながらの露天風呂もまた格別でした。宿に泊まっている人は温かい部屋に帰ればいいけど、僕はこの天気の中、宿に戻らなきゃ…と思えば、憂鬱でしたが。
近くの店で一杯やって、ホカホカと2日目の夜は過ぎて行きました。