野崎島の2日目は、夜も開けやらぬ朝6時に寝床を抜け出しました。
頬杖が昔なつかし雰囲気の、木造校舎の夜明け前です。
野首教会から、学塾村と大海原に登る朝陽を俯瞰します。
新しい、朝が来た。
朝ごはんを食べ、朝イチ8:05の船に乗るべく出発です。夕方15:10の船では福岡にたどり着けないため、名残惜しくも朝に出なくてはならないのです。鹿たちの見送りを受け、峠を越えます。
学塾村から港までは歩いて20分ほどかかりますが、大きな荷物は管理人さんが軽トラで運んでくれるので楽ちんです。
朝の野崎集落。
帰路の船はデッキで。島と教会が、遠く離れて行きます。
小値賀に舞い戻ってきました。小値賀島は人口2,500人ほどですが、島内には路線バスが走っているのは立派です。
午後の船までは時間もあるので、電動自転車を借りて小値賀島めぐりに出発!
路地にまで迷い込める自転車は、機動力抜群です。
町屋が並び、いい雰囲気。
松林の中を駆け抜け…
急坂を登り愛宕山へ。電動自転車の威力が、存分に発揮されました。非電動だったら、立ちこぎでもクリアできなかったかも…。
周囲の島々と、行き交う船を眺めしばし休息。
小値賀の「古民家ステイ」は高級路線なのが特徴の一つで、宿泊費は島としてはなかなかなお値段ですが、落ち着いた雰囲気を提供しています。
古民家レストランもあり、「藤松」は いい雰囲気なだけではなく…
庭の裏手にはプライベート波止場まで!
かつての豊かな暮らしが垣間見える古民家でした。
2006年に定期便が廃止された小値賀空港にペダルを進めます。
現在は週2便の定期チャーター機が、福岡から1万円の運賃で飛んでいるそうです。
チャーター機は土日の運航なので、月曜の今日は飛行機が来ません。
空港施設だけでも見れればいいなと思って来たのですが、空港に着いたまさにその瞬間、一機のセスナ機が降り立ってきました。
飛行機から降り立ったパイロットさんが機体を見せてくれるというので、ご好意に甘えることに。
日頃なかなか見ることのできない小型機の仕組みに、一同、興味津々です。
思いのほか狭いコクピット。軽自動車よりも狭いとかで、3人乗ればギュウギュウ詰めでしょう。でもあの海を眺めながらのフライトは、気持ちいいだろうな~
チャーター機の運賃1万円も、遊覧飛行と思えば高くはないかも。片道だけでも、セスナで来てみるのも悪くはなさそうです。
ターミナルビルには、定期便があったころの名残りも。
その名の通り赤い「赤浜」の景観も楽しみ…
味処「ふるさと」でランチ。スペシャル定食は千円で海の幸がズラリの、お値打ちメニューでした。
隣の席で盛り上がっていたのは、さきほどのセスナおじさん三人組。この先操縦のないお一人だけが、ビールを飲んでいました。当たり前だけど、飛行機も飲酒操縦厳禁なのね。
なお長崎の離島へ行くなら、5千円で6千円分使えるという破格値の商品券「ながさきしまとく通貨」を使うとお得!
食事だけでなく、お土産の購入やレンタカーでも使えます。
集落は、祭り準備の真っ最中でした。
13時30分、まだ島にいたい気持ちとは裏腹に、無情にも迎えの船がやって来ました。
ムーンライトフォトグラファーさんに見送られ、博多港へ向け出発です。
野崎島も、遠くに離れて行きます。
博多港までは5時間以上。旅疲れもあるし、寝て過ごすかなと思っていましたが、あちこちの島が断続的に現れ、島旅好きにはたまらない風景が続きます。
今は佐世保市の一部となった、宇久島。坂の上まで家々が続き、賑やかな島のようです。
出航すると、一艘の漁船が追いかけてきました。船長はデッキに向けて手を振っていて、ちょっと派手な見送りだったのでしょう。
生月大橋をくぐり、平戸の島々の間を縫うように進みます。
「お休み中」の玄海原発も。
唐津の7離島も、次々に現れます。
中学生時代、転任になった先生を訪ねて行った思い出の小川島の姿もよぎりました。
5時間の間、デッキにほとんど立ちっぱなし。オープンエアのバルな気分です。
フィナーレは、玄界灘に沈む夕陽。朝と夕方の太陽に挨拶する日なんて、1年の間にそう何度もありません。
停泊中の豪華客船に迎えられ、博多港着。
5日間の長い旅?は、心地よい疲労感とともに無事終演と相成りました。