Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

愛媛ドライブ【2】今を生きる重文校舎・日土小学校へ

2014年04月01日 | ■旅と鉄道

 内子町立旧長田小学校「お山の学校ながた」で目覚めた朝は、雨。桜が散らないか心配です。
 瓦ぶき、下見板張りの校舎は、山間の風景に溶け込んでいました。


 これまたボリュームたっぷりの朝食の後、厚かましくコーヒーをお願いしたら、こんな素敵な木のカップで出てきました。これも、地元の工房で作られているものだとか。見た目の優しさだけでなく、取っ手が熱くならないという実用性も持っています。
 お山の学校ながたは、1泊2食で6,500円。バーベキューや五右衛門風呂の体験もできるとかで、また訪ねてみたい宿でした。


 地区の皆さんに手を振られ、長田を後に。狭い山道は、やはり昼に見ても狭いものでした。
 現在は狭隘部の拡幅工事が行われており、しばらくすれば行きやすくなることでしょう。


 せっかくなので、内子の街にもちょっとお邪魔。内子座は大正5年(1916年)に建てられた演劇場です。


 升席の並ぶ館内には、随所にモダンな洋風の意匠も見られ、四国の山中が最先端を走っていた時代を伝えていました。


 伝統的な街並みの保存地区も、ゆるやかな坂道に軒が並び、いい雰囲気。


 今に活かされている建築物も、多く見られました。
 1時間弱で立ち去るにはあまりに惜しい街で、また別の旅で訪ねてみたいものです。駅からも近いので、列車旅で来ても楽しめそう。


 車で1時間ほど走り、八幡浜市日土小学校に到着。2012年には重要文化財に指定された校舎で、今日は年に3回の一般開放日です。今回のドライブ旅行も、この日程に合わせて日程を決めました。
 日土小には大学生の頃、2001年に訪れたことがあり、今回は実に13年振りの訪問。その間に大規模改修と増築が行われ、外観は建設当時の色彩を取り戻していました。


 日土小学校は、採光に気を配られた明るい室内が特徴。大きな窓や天窓を設けるだけでなく、光庭をつくることでより多くの明かりが入ってきます。
 昇降口も、明るい空間。下駄箱は、足で浮かせたり奥の仕切りをなくしたりしていて、解放感も感じられます。


 廊下と教室の間には、光庭。飾り棚もデザインされており、とても昭和30年代の校舎には見えません。


 ゆるやかな階段は、2段抜かしで駆けたくなります。
 学校では廊下は走るな!が鉄則だけど、これだけ見通しがよければ、ぶつかることもないかも。


 大規模改修がなされた校舎ですが、木製建具そのものはそのまま。ガラスは強化ガラスに代わり、クレセントも付いていたけど、古い時代の意匠も残されていました。


 河川に張り出したテラスと階段。大学生の頃には、先生から給食の余りのパンを貰って、川の魚に餌付けしたことを思い出します。
 コンクリートのテラスには、あの時にはなかった背の高い柵が取り付けられていましたが、時代の流れなのでしょうね…。


 13年前との大きな変化は、新校舎が増築されたこと。
 今風の校舎ですが、窓が大きく取られ、旧校舎に負けず明るい空間です。


 階段もゆるやか。新しい校舎ながらに、旧校舎の哲学の多くが受け継がれていました。


 お昼ごはんは、名物B級グルメという八幡浜ちゃんぽんを食べに、アーケード街の「ロンドン」へ。


 こってりちゃんぽんに慣れた口には新鮮な、あっさりちゃんぽんでした。


 再び佐多岬半島を走り、国道フェリーに乗って九州へ。


 霧の大分道をひた走り、土日のロングドライブは無事にフィナーレとなりました。

愛媛ドライブ【1】桜舞う松山城と内子「お山の学校」へ

2014年04月01日 | ■建築&街づくり
 年度末の週末、職場の建築屋5人とともに四国・愛媛へ1泊2日のドライブ旅行へ出かけました。


 久留米から高速道路を2時間半、大分市佐賀関の港に到着。11時の船で、三崎へと渡ります。佐賀関~三崎間はわずか70分、まさに「目と鼻の距離」です。
 元大分県人の僕にとって「船で四国」はごく当たり前のルートなのですが、メンバーにとっては新鮮だった様子。


 四国に上陸、まずは細長い佐多岬半島をひた走ります。
 ちょうど桜が見ごろになった週末、山も点々とピンク色に染まっていました。。


 昼ごはんは三崎の「まりーな亭」にて。刺身丼は、卵を溶いたダシをぶっかけて食べるスタイルでした。
 するりと入り、はじめて食べる食感でした。


 三崎から松山へは、高速道路でも海岸沿いの国道を経由しても時間は大差がないようで、海岸道路を選択。
 晴れていれば、さぞ爽快なドライブコースだろうと思えるほど、澄んだ海がきれいでした。


 久留米を出て7時間、午後3時にようやく松山着。なかなかの距離に疲れを感じましたが、短い松山観光がスタートです。
 まずはロープウェイに乗って、高校生以来の松山城へ。今風の、ガラス張りゴンドラに生まれ変わっていました。リフトが並行しているのが特徴の松山城ですが、リフトは雨天運休で残念。


 午前中から続く風雨に負けず、桜は満開。天守閣と桜、絵にかいたような日本らしい風景です。


 城下の県立美術館も見学。重厚感と軽快感が同居した、年代不明の不思議な雰囲気の建築物でした。


 お土産は、ロープ―ウェイ乗り場の今治タオル専門店へ。手触りはもちろん、デザインも様々。贈り物にも喜ばれそうですが、自分用のタオルも欲しくなってきます。
 僕は「バリィさんタオル」を1枚、買い求めました。


 今日の泊りは内子。高速道路を降り山道に入ったのですが、ナビを信用して走っていたら、とんでもない細い山道に迷い込みました。ワンボックスを傷つけないかヒヤホヤしながら山道を30分、やっと「お山の学校ながた」に到着しました。
 遅れたことを詫びつつ、さっそく晩ご飯。地域の方々に作って頂いた手作りのご飯は、アユや椎茸も地のものなのだそうです。食べきれないほどの量に、満足満足。


 この「お山の学校」は、人口減少で廃校になった内子町立長田小学校を改修した施設です。
 畳敷きの客室は、教室だったもの。もともと人数が少ない学校だったらしく、教室としてはやや小ぶりです。その分、宿になってもあまり違和感はありませんでした。


 2階の5・6年生の教室は、そのままの形で残されています。大きな黒板の両側に、折り畳み式の小黒板と時間割板があるのが珍しいです。
 

 多目的ホールは立派なもの。わずか3クラスの学校には過分な施設…と早合点することなかれ。この学校にはもともと体育館や講堂がなく、それらの代わりと考えればささやかな規模だったとも言えます。


 さらに、奥行きのあるステージには音符のかかれた黒板が。多目的ホールは、音楽室をも兼ねていたわけです。
 平成5年築の校舎は、小規模校ながらに様々な工夫が施されていました。