
内子町立旧長田小学校「お山の学校ながた」で目覚めた朝は、雨。桜が散らないか心配です。
瓦ぶき、下見板張りの校舎は、山間の風景に溶け込んでいました。

これまたボリュームたっぷりの朝食の後、厚かましくコーヒーをお願いしたら、こんな素敵な木のカップで出てきました。これも、地元の工房で作られているものだとか。見た目の優しさだけでなく、取っ手が熱くならないという実用性も持っています。
お山の学校ながたは、1泊2食で6,500円。バーベキューや五右衛門風呂の体験もできるとかで、また訪ねてみたい宿でした。

地区の皆さんに手を振られ、長田を後に。狭い山道は、やはり昼に見ても狭いものでした。
現在は狭隘部の拡幅工事が行われており、しばらくすれば行きやすくなることでしょう。

せっかくなので、内子の街にもちょっとお邪魔。内子座は大正5年(1916年)に建てられた演劇場です。

升席の並ぶ館内には、随所にモダンな洋風の意匠も見られ、四国の山中が最先端を走っていた時代を伝えていました。

伝統的な街並みの保存地区も、ゆるやかな坂道に軒が並び、いい雰囲気。

今に活かされている建築物も、多く見られました。
1時間弱で立ち去るにはあまりに惜しい街で、また別の旅で訪ねてみたいものです。駅からも近いので、列車旅で来ても楽しめそう。

車で1時間ほど走り、八幡浜市日土小学校に到着。2012年には重要文化財に指定された校舎で、今日は年に3回の一般開放日です。今回のドライブ旅行も、この日程に合わせて日程を決めました。
日土小には大学生の頃、2001年に訪れたことがあり、今回は実に13年振りの訪問。その間に大規模改修と増築が行われ、外観は建設当時の色彩を取り戻していました。

日土小学校は、採光に気を配られた明るい室内が特徴。大きな窓や天窓を設けるだけでなく、光庭をつくることでより多くの明かりが入ってきます。
昇降口も、明るい空間。下駄箱は、足で浮かせたり奥の仕切りをなくしたりしていて、解放感も感じられます。

廊下と教室の間には、光庭。飾り棚もデザインされており、とても昭和30年代の校舎には見えません。

ゆるやかな階段は、2段抜かしで駆けたくなります。
学校では廊下は走るな!が鉄則だけど、これだけ見通しがよければ、ぶつかることもないかも。

大規模改修がなされた校舎ですが、木製建具そのものはそのまま。ガラスは強化ガラスに代わり、クレセントも付いていたけど、古い時代の意匠も残されていました。

河川に張り出したテラスと階段。大学生の頃には、先生から給食の余りのパンを貰って、川の魚に餌付けしたことを思い出します。
コンクリートのテラスには、あの時にはなかった背の高い柵が取り付けられていましたが、時代の流れなのでしょうね…。

13年前との大きな変化は、新校舎が増築されたこと。
今風の校舎ですが、窓が大きく取られ、旧校舎に負けず明るい空間です。

階段もゆるやか。新しい校舎ながらに、旧校舎の哲学の多くが受け継がれていました。

お昼ごはんは、名物B級グルメという八幡浜ちゃんぽんを食べに、アーケード街の「ロンドン」へ。

こってりちゃんぽんに慣れた口には新鮮な、あっさりちゃんぽんでした。

再び佐多岬半島を走り、国道フェリーに乗って九州へ。

霧の大分道をひた走り、土日のロングドライブは無事にフィナーレとなりました。