Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

博多⇒京都・よりみち旅

2015年07月24日 | ■旅と鉄道
 7月下旬、京都方面に所用ができた私。せっかくなので、未乗線区の「のりつぶし」を兼ねて、あちこち寄り道しながら行ってみることにしました。


 まずは新幹線に乗り込んで、岡山へ。時間の都合でN700系の「のぞみ」にしました。
 足元こそ広いものの、4列シートの「さくら」に比べると、どうしても窮屈に感じてしまう5列シート。ゆったりサルーンシートの旅は、帰路に楽しみました。


 岡山駅で荷物を預け、普通電車で倉敷へ。新型電車227系はまだ岡山まで入っておらず、国鉄形の「黄色い電車」の牙城です。
 ただ車内は関西の新快速電車並みにグレードアップされており、なかなか快適でした。


 倉敷からは、まだ乗ったことがなかった私鉄・水島臨海鉄道を乗り潰します。
 駅名はJR倉敷駅とは別の「倉敷市」になっていて、駅舎も立体駐車場の1階に自前で構えています。


 駐車場の下に入ってきた列車は、全国のローカル私鉄で見られるタイプのワンマン気動車・1両編成。到着した列車はほぼ満員で、下りも下校の高校生でいっぱいになりました。


 単行ワンマンの列車が行き交う路線となると、純朴なローカル線を想像しますが、そうでないのがこの路線の面白さ。
 単線ながらも立派な高架橋が続き、駅もほとんどが高架駅です。


 ホームも長く、駅の有効長はそれ以上に長くとられています。
 臨海鉄道の名が示す通り、主たる役割は貨物輸送。立派な施設は、重量級の貨物列車を支えるためのものなのです。


 旧水島市の中心、水島までは昼でも1時間に2本程度の列車がありますが、最後の一駅・三菱自工前までの本数はガクンと減ります。
 満員近かった車内も、最終コースではわずか3人に。片面ホームだけの地上駅は、どの駅よりも質素なものでした。


 駅前にはその名が示す通り、三菱自動車の工場が。工員の通勤輸送も一定量はあるのでしょうが、工場地帯とあって周辺の人口は少ないようです。昼間の本数が減ってしまうのも、その表れでしょう。


 折り返しの列車は2時間後ですが、本数の増える水島駅まで歩いて15分もかからないので、とぼとぼ戻りました。
 旧市の玄関口の水島駅前には、だだっぴろい空き地が広がっていました。再開発用地かと思えば、なんと芝生広場(!)とのこと。芝生はいずこへ…


 駅前バス乗り場も、かなりのバスをさばけるスペックがあるのですが、使われている乗り場は2つだけでした。
 高架から見る街も元気はないように見えたけど、夜は賑わうのかな。


 シンプルな車内の列車で、倉敷市へと戻りました。


 せっかく倉敷に来たので、市駅のレンタルサイクルを借りて、1時間の駆け足サイクリングへ。
 観光川舟が行き交い、歴史ある建物が並ぶ美観地区は、外国人観光客にも人気のスポット。日本語よりも、中国語の方が耳に入ってきます。


 裏通りに入ると、思わず引き込まれそうになる路地や階段が。歩いて楽しい街であることには、間違いありません。
 7月下旬とあってうだるような暑さだったけど、今度はいい季節にヨメさんと来たいものです。


 美観地区に隣接する倉敷アイビースクエアは、倉敷紡績旧本社工場を再生した複合施設。レンガ造の建物には、びっしりとツタが絡みます。
 NHK朝の連ドラ「マッサン」の、スコットランドでのワンシーンも、実はここで撮られたものだとか。


 夏の時期は、中庭はビアガーデンになっています。歴史ある工場建築で飲むビール、たまらないだろうな。


 自転車を返し、駅裏に回ると、ショッピングセンターとアウトレットが並ぶ一大ショッピングゾーンになっていました。
 駅前がヨーロッパテイストで整備されているのは、かつてこの場所がテーマパーク・倉敷チボリ公園だった名残り。わずか11年の短命で終わったテーマパークでした。


 変わって登場したショッピングゾーンは、駅前なので学生にも便利。平日なのでガランとしていましたが、週末には賑わうのでしょう…たぶん。


 電車で岡山に戻り、昨年末にできたばかりの駅前ショッピングセンター「イオンモール岡山」へ。
 よくわからずに、汗をかきかき地上を歩いて行きましたが、地下街と直結し、駅から雨に濡れず陽にも当たらずに行ける立地です。


 西日本地区における、イオンのフラッグシップ店を標榜する岡山店。平日昼間にも関わらず、多くの人でごった返していました。
 大駐車場もあるので、車持ちでもそうでなくても便利なモール。同じような立地の倉敷駅前のSCからも、それなりにお客さんは奪っているのかもしれません。


 JRに限らず、路面電車やバスを使って来ると商品券が当たるキャンペーンも実施中。
 岡山市は市民病院も駅前立地で、公共交通をまちづくりの軸に通しています。


 単なるSCに留まらず、ホールやテレビスタジオを備えているのも特徴。
 デパートの「デパ地下」のみがテナントに入っているのも話題ですが、大きすぎて全貌を掴むには半日はかかりそう。細かい観察は、次回に回します!


 岡山からは、未乗だった赤穂線に乗りました。持っている切符は山陽本線経由の往復乗車券ですが、赤穂線を経由してもOK。途中下車もできます。
 快速マリンライナーで活躍した213系が来るのを期待しましたが、例の「黄色い電車」の4両編成でした。


 路線図を見ると海沿いにあるように見える赤穂線も、実際に海岸を走るのはごくわずか。
 日生駅では小豆島行フェリーが連絡し、ふらふらと降りたくなってしまいます。


 播州赤穂駅で下車。同じホームで大阪方面の新快速が接続していましたが、せっかくなので途中下車しました。
 人通りの少ない駅前通りですが、電線は地中化され、街路樹に植えられているのは松。城下町の雰囲気づくりに勤めていました。


 赤穂では、45歳までが若者に定義されるそうです。34歳の僕なんか、まだまだ青春真っただ中ですね(笑)。
 これ、定住促進のPRの一つ。新快速で京阪神に直結する利便性の高い街でも、定住促進には政策を打たねばならないようです。


 赤穂大石神社は、17時をまわり門が閉じられており残念。参道にずらり並ぶ、四十七士の像を拝みました。


 赤穂城址にも立ち入ることができませんでした。
 しかたなく引き返し、駅前通りの寿司屋であなご重を頂いて、この地を訪ねた証としました。


 新快速に乗り、時速130kmの走りを楽しみつつ神戸市内へ。普通に乗り換えて、さくら夙川駅で下車しました。自動改札がピンク色になっており、近所の名物であるさくらのイメージを表現していました。
 並行私鉄の牙城だったエリアに切り込み、2007年に開業した新駅。乗客も年数百人のペースで伸び続けています。ただ街の中心は、まだまだ私鉄の方です。


 阪神西宮からは、阪神電車で尼崎へ。データイムはわりとシンプルになった阪神のダイヤですが、ラッシュ時はさまざまな列車種別が入り乱れ、一見の地方人にはおよそ理解不能です。
 甲子園からは、野球観戦帰りの「寅党」でぎっしり満員になりました。


 本日の泊りは、尼崎駅前。2万歩以上歩いた疲れもあって、立ち飲み屋でかるく飲んで終わりました。
 いろんな飲み屋が並んで楽しそうな界隈。また泊まってみたいな。


 翌朝も、阪神電車で東へ移動。尼崎駅では、優等列車の退避でホーム中線に止まる普通電車が、両側の扉を開ける珍しい光景が見られます。
 各方面へホームタッチで乗り換えられるだけでなく、普通電車の車内を「通り抜けて」2つ向こうのホームまで乗り継げるように配慮された、ユニークな試みです。


 阪神野田で下車して、隣接するJR東西線の海老江駅まで歩いて乗り換え。放出(はなてん)駅で下車し、おおさか東線の電車に乗り込みました。2008年に、城東貨物線を旅客線化して開業した路線です。
 この路線も未乗だったので、あえて遠回りして乗りに来ました。


 放出からしばらくは、従来の単線高架に線増した様子が見て取れますが、高架ごと作り変えた区間も多いようです。
 ラッシュ時だから当たり前とはいえ、電車はぎっしり満員。旅客線化は、地元が待ち望んだものだったことでしょう。


 大和路線で王寺まで乗り、和歌山線・桜井線を迂回する奈良行きに乗り換えました。和歌山線も全線未乗ですが、ひとまず桜井線を乗りつぶしておこうという狙いです。
 2両の105系電車も単色カラーに変わりましたが、落ち着いていて好感の持てる色合いです。


 運転席後ろに備えられたハシゴは、津波に備えた避難用の非常ハシゴ。和歌山線、桜井線ともに内陸を走りますが、紀勢本線の運用に入ることもあるのでしょう。


 2両編成の電車が田園地帯を走る光景は、ローカル線そのもの。ただ沿線人口は少なくなく、主たる輸送は近鉄が担っているようです。


 JR奈良駅着。高架になってからは、初めてて来ました。前の駅舎は威厳のあるものでしたが、高架の駅は木質系の内装で無機質さを和らげています。


 京都までは、221系の「みやこ路快速」に乗車。京奈間といえば近鉄のイメージですが、6両の快速が30分間隔で行き交うJRにも一定の分があります。
 特にジャパンレールパスだとJRが乗り放題なので、外国人観光客の姿を多く見かけました。


 221系電車は、リニューアル車両でした。新型車両並みの内装になり、座席も減らしてデッキが広くなりました。
 ただ「バブル世代特急」に似た香りのする、以前の内装が好みではあります。


 ゆったりクロスシートで45分、京都着。壮大なスケールの京都駅は、18年の歳月を経てなお新鮮でした。

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