韓国からの帰路は、釜山から博多を結ぶ夜行航路の「カメリア」を利用しました。
ビートルがお手頃になってからはすっかり縁遠くなり、LCCの登場でさらに乗る機会が減ったフェリーですが、旅らしい「ゆとり」を味わうには一番のチョイスだと思います。
のびやかな吹き抜けは、船内にいることを忘れます。
今回利用したのは、特等室ツイン。特等とはいっても、2等桟敷席との差額は通常価格で5,000円です。今回は格安ツアーだったので追加料金は6,500円かかりましたが、それでも許容範囲のお値段でした。
その室内はご覧の通り。シティホテル並みと言っても、差支えないレベルだと思います。
韓国のホテルでは、環境保護の観点から有料提供になることが多いアメニティですが、フェリーでは充実。
専用のシャワーが付いているのも、嬉しいところです。ただ僕は広い湯船でゆったりしたかったので、大浴場を利用しました。韓国の人は朝風呂派が多いので、夜のうちの入浴がおすすめです。
ちなみにフェリーの乗客は、9割5分で韓国人優勢。もともとフェリーは韓国人の割合が高いのですが、円安と相まってさらに比率は高まっている印象です。
旅の楽しみは食事から。夕食は、食券による定食スタイルです。
弁当を持ち込む人が多いようで、ほぼ満席の乗り具合ながら、レストランは余裕がありました。
焼肉定食(1,000円)に、生ビール(400円)をチョイス。生ビールは「グラス」と書かれていますが、ジョッキで出てくるのでご安心を。免税の割には、あまり安くありません。
ただ釜山港の夜景を眺めながらの夕ご飯は、なかなかな贅沢感があります。
船内にはカラオケボックスがあり、韓国では一般的な室料制。小ルームなら1,000円/1時間なので、人数が増えるほど割安です。
小は埋まっていたので、1,500円の中ルームへ。テーブルの上には、日本のDAMと、韓国のKMのリモコンが仲良く並んでいました。
テレビの後ろにあるスイッチで、日韓のカラオケを使い分けることができるのが嬉しいところ。相方はDAM、僕は滅多に歌えないKMを中心に、切り替えながら歌いました。
こんなカラオケボックスが、日本にもあったらと思います。
ただ僕の好きなペッパートーンズは、韓国のKMですら収録曲はこの6曲だけなんだよな~!
最新曲はもう一つの大手、TJメディアの方に多く収録されていて、いろいろ歌いたければ韓国本土のカラオケに乗り込む他ないようです。
乗船締め切り時刻は20時ですが、出航は22時。カラオケを歌い終わっても、まだ停泊中です。釜山港大橋のライトアップは、雲にまで反射していました。
出航後、釜山港大橋をくぐるところを見たくてデッキに出ようとしたら、デッキが施錠されていて出られず残念!
心配していた揺れはさほどではなく、ぐっすり眠って目覚めれば博多港。実際の所用時間は6時間程度ですが、税関の「営業時間」の関係で、港の停泊時間が長くなっています。
朝食はバイキング式。昼便になる博多→釜山間の昼食も同じ方式です。
港を見ながら、いただきまーす!旅も終わりですが、1日の英気を養うべくしっかりと食べました。
施錠されていたデッキも、再び解放されていました。デッキの手すりには「恋人の聖地」よろしく、願いの錠をぶらさげるコーナーが。
潮風を受けて錠はすっかり錆びついていましたが、これくらい錆びれば簡単に外れることはない…かも。
バスに乗り博多駅に戻れば、工事中の博多マルイのカーテンウォールが姿を現していました。
旅は終わりですが、朝日を浴びた真新しいビルの輝きは、同時に祝日の1日の始まりも告げていたのでした。