スイス鉄道周遊編の2日目は、ツェルマットからスイス東部の山岳リゾート地・サンモリッツまで、氷河急行に乗って駆け抜けます。
窓を開ければ、昨夜からさらに雪が降り積もっていました。日の出前だけど、天候は回復に向かっているみたい。よし、マッターホルンを見に行くぞと、身支度を整えてホテルを出てみれば…
ホテルの敷地内から望めました!人を寄せ付けないながらも親しまれてきた、荒々しい雄姿です。イモトすごいな…という、別次元の感想もじんわり湧き上がりました。
もっとよく見える場所に行ってみようとウロウロしていたら、いつしかその姿は雲の中へ。山の雲は、気まぐれです。
ホテルに戻れば、朝ご飯の時間。昨日は入れなかったレストラン、こちらもいい雰囲気です。
ビュッフェ形式のモーニングもどれもおいしく、ついつい食べ過ぎてしまいます。コーヒーもたっぷりポットで持ってきてくれて、朝から贅沢な気分です。
駅や目抜き通りからは少し遠いホテルではあったけど、大変というほどではありません。2人合わせて1泊2食4万円未満で、とても満足な時間を過ごすことができました。
駅まで向かう道すがら、ゴルナーグラート鉄道の鉄橋の下へ。朝一番で見たほどくっきりではないけど、霧の中にうっすらとマッターホルンが姿を現しました。また今度は夏にでも、雄姿を拝みに来たいものです。
今日は朝9時前に出発する氷河急行に乗って、東部の山岳リゾート、サンモリッツ駅へと抜けていきます。平均時速は40km/h以下、世界一遅い急行との異名を持つ列車は、アルプスの絶景を思う存分楽しみながら移動できる観光列車です。
幼い頃は海外の鉄道にあまり関心がありませんでしたが、「世界の車窓から」で見た氷河急行は別格。憧れだった列車でもあります。
アルプスの山々を眺められるよう、全車両が天井まで窓になったパノラマ車両です。あまり指定席を取る習慣のないスイスでも、氷河急行は例外。今日もほとんどの席が予約済みです。氷河急行は日本からでもネットで予約ができるので、慣れぬ英語と格闘しながら抑えておきました。座席指定料金だけで13フラン(1,550円)かかります。
とはいえ全区間を乗る人ばかりではなく、僕らの車両は日本人の一人旅の青年が乗ってきただけ。ガラガラのまま、ツェルマットを出発しました。
さっそく乗務員が「コーヒーorティー?」と聞きに回ってきたので、コーヒーをオーダー。ウェルカムドリンクと思っていましたが、下車する前にきちんと5.8フラン(692円)請求されますのでそのつもりで(笑)。
続いて車内改札があり、ヨメさんのパスを見た車掌さん、「オー、ハッピーバースデー!」と祝ってくれました。こういうの嬉しいねと話していたら、戻ってきた車掌さんの手には氷河急行名物の傾いたワイングラスが。なんとも嬉しい、バースデープレゼントなのでした。
2等車もパノラマ車両で、4人用のボックス席。景色を眺める分には1等車と変わりません。今回は新婚旅行なので、ゆったりした1等の2人席で過ごしましたが、気ままな一人旅なら、ふれあいのある2等車も楽しそうです。
先頭車の窓ガラスの向こう側では、いかつい電気機関車が、下りの急勾配で つっかえ棒役になっていました。
昨日来た道をフィスプ駅まで戻ると、すっかり雪は消えて平地の風情。続くフィーシュ駅で本線からの乗り継ぎ客を受け、車内は満員近くになりました。
平地では、さきほどまでの山岳鉄道の顔はどこへやら。軽いリズムを奏でながら、急行列車らしいスピードで走っていきます。
油断?していたのもつかの間、いつしか線路は再び隘路の様相を呈してきます。
氷河急行には食堂車はありませんが、座席には立派なテーブルが備わり、厨房で調理した食事を席まで運んでくれるサービスがあります。雰囲気だけ見れば、全席が食堂車と言ってもいいかもしれません。
比較的お手ごろなワンプレートランチもありますが、今回は張り込んで、3コースランチ(43フラン=5,130円)にしました。これもネットで予約できます。
さっそく11時頃にはテーブルクロスが敷かれ、頼んだワインも早々に運ばれてきました。山々に乾杯して、ランチコースの登場を待ちます。
上げ膳据え膳でくつろいでいる間にも、列車は山越えに挑み始めています。ラックレールが表れ、車体もぐっと傾いてきました。さきほどもらった傾いたグラスも、この勾配に対応したもの…というのはちょっと誇張したもので、今は写真の通り、普通のワイングラスです。
どちらかというと、揺れや振動でナイフやフォークが滑っていくことにハラハラします。肥薩おれんじ鉄道・おれんじ食堂の「滑り止め機能つきランチョンマット」を輸出してあげたいところです。
目もくらむような高さの、つり橋の人道橋。九重の観光用とは違って日常の通行路のようで、歩く人の姿が見られました。こわい…
標高が上がるにつれ、また雪深くなってきました。空は快晴、直射日光と雪に反射した太陽光がまぶしくて、目がクラクラします。澄んだ空気の日光は思いのほか強烈で、下手すると目を傷めてしまいそう。サングラスは必携でした。
車内でロゴ入りサングラスを、比較的お手ごろな10フラン(1,190円)で売っているのを知ったのは、もっと後の話です。
窓に日よけはありません。パノラマを楽しむ列車ですから、陽を避けたければ各自で準備を、といったところでしょう。
標高1,435mのアンデルマットでは、5分の小休止。昼も12時前、始発から乗っていれば3時間を越えていて、外の空気を吸いたくなるタイミングです。
乗客が三々五々降りてきて、爽やかな空気や、雪の感触を確かめていました。
1時間近くの「おあずけ」の末、ようやく3ランチコースの1皿目が運ばれてきました。スープは、冷えた体に嬉しい暖かさです。
ぬくぬくと食事を楽しんでいる間にも、列車はサミットのオーバーアルプ峠に向けて、より厳しい勾配へと踏み出していきます。
ついさっきまで降り立っていたアンデルマットの街と駅が、あっという間にはるか眼下へと遠ざかって行きました。
同じ路線には全席指定の氷河急行だけではなく、普通列車も走っています。リフト代わりに電車が使われているのは、この路線も同じ。スキーだけではなく、クロスカントリーのコースも整備されていて、雪道を競歩する人の姿も少なくありません。
スイスのウインタースポーツの世界、奥が深そうです。
景色を楽しんでいる間に、ランチの2皿目が登場。今日のメインディッシュは、ポークのソテーです。とびきりのご馳走ではないけど、大パノラマを見ながらの暖かい食事は、どんなレストランにも負けない味でした。
のちほど、付け合せのお代わりがやってきたので喜んでお願いしたら、2分後にはなんとお肉のお代わりが回ってきました。平らげたはずの2皿目、完全復活(笑)。
乗客がメインディッシュを楽しんでいる間に、列車は最高地点となる標高2,033mのオーバーアルプ峠を制覇。氷河急行の名の由来ともなった氷河は、長大トンネルの完成で見られなくなりましたが、それでも充分ドラマチックな山越えです。
高度が下がれば、再び雪は少なくなってきました。カーブを繰り返し、時にはアーチ橋そのものもカーブを描いて、苦労して登った峠道を下ります。
コースは3皿目のデザートへ。チーズの盛り合わせかケーキを選べて、手持ちのチーズがあった僕らは二人ともケーキをリクエスト。コーヒーも頼んで、満ち足りたひとときが過ぎていきました。
窓を開ければ、昨夜からさらに雪が降り積もっていました。日の出前だけど、天候は回復に向かっているみたい。よし、マッターホルンを見に行くぞと、身支度を整えてホテルを出てみれば…
ホテルの敷地内から望めました!人を寄せ付けないながらも親しまれてきた、荒々しい雄姿です。イモトすごいな…という、別次元の感想もじんわり湧き上がりました。
もっとよく見える場所に行ってみようとウロウロしていたら、いつしかその姿は雲の中へ。山の雲は、気まぐれです。
ホテルに戻れば、朝ご飯の時間。昨日は入れなかったレストラン、こちらもいい雰囲気です。
ビュッフェ形式のモーニングもどれもおいしく、ついつい食べ過ぎてしまいます。コーヒーもたっぷりポットで持ってきてくれて、朝から贅沢な気分です。
駅や目抜き通りからは少し遠いホテルではあったけど、大変というほどではありません。2人合わせて1泊2食4万円未満で、とても満足な時間を過ごすことができました。
駅まで向かう道すがら、ゴルナーグラート鉄道の鉄橋の下へ。朝一番で見たほどくっきりではないけど、霧の中にうっすらとマッターホルンが姿を現しました。また今度は夏にでも、雄姿を拝みに来たいものです。
今日は朝9時前に出発する氷河急行に乗って、東部の山岳リゾート、サンモリッツ駅へと抜けていきます。平均時速は40km/h以下、世界一遅い急行との異名を持つ列車は、アルプスの絶景を思う存分楽しみながら移動できる観光列車です。
幼い頃は海外の鉄道にあまり関心がありませんでしたが、「世界の車窓から」で見た氷河急行は別格。憧れだった列車でもあります。
アルプスの山々を眺められるよう、全車両が天井まで窓になったパノラマ車両です。あまり指定席を取る習慣のないスイスでも、氷河急行は例外。今日もほとんどの席が予約済みです。氷河急行は日本からでもネットで予約ができるので、慣れぬ英語と格闘しながら抑えておきました。座席指定料金だけで13フラン(1,550円)かかります。
とはいえ全区間を乗る人ばかりではなく、僕らの車両は日本人の一人旅の青年が乗ってきただけ。ガラガラのまま、ツェルマットを出発しました。
さっそく乗務員が「コーヒーorティー?」と聞きに回ってきたので、コーヒーをオーダー。ウェルカムドリンクと思っていましたが、下車する前にきちんと5.8フラン(692円)請求されますのでそのつもりで(笑)。
続いて車内改札があり、ヨメさんのパスを見た車掌さん、「オー、ハッピーバースデー!」と祝ってくれました。こういうの嬉しいねと話していたら、戻ってきた車掌さんの手には氷河急行名物の傾いたワイングラスが。なんとも嬉しい、バースデープレゼントなのでした。
2等車もパノラマ車両で、4人用のボックス席。景色を眺める分には1等車と変わりません。今回は新婚旅行なので、ゆったりした1等の2人席で過ごしましたが、気ままな一人旅なら、ふれあいのある2等車も楽しそうです。
先頭車の窓ガラスの向こう側では、いかつい電気機関車が、下りの急勾配で つっかえ棒役になっていました。
昨日来た道をフィスプ駅まで戻ると、すっかり雪は消えて平地の風情。続くフィーシュ駅で本線からの乗り継ぎ客を受け、車内は満員近くになりました。
平地では、さきほどまでの山岳鉄道の顔はどこへやら。軽いリズムを奏でながら、急行列車らしいスピードで走っていきます。
油断?していたのもつかの間、いつしか線路は再び隘路の様相を呈してきます。
氷河急行には食堂車はありませんが、座席には立派なテーブルが備わり、厨房で調理した食事を席まで運んでくれるサービスがあります。雰囲気だけ見れば、全席が食堂車と言ってもいいかもしれません。
比較的お手ごろなワンプレートランチもありますが、今回は張り込んで、3コースランチ(43フラン=5,130円)にしました。これもネットで予約できます。
さっそく11時頃にはテーブルクロスが敷かれ、頼んだワインも早々に運ばれてきました。山々に乾杯して、ランチコースの登場を待ちます。
上げ膳据え膳でくつろいでいる間にも、列車は山越えに挑み始めています。ラックレールが表れ、車体もぐっと傾いてきました。さきほどもらった傾いたグラスも、この勾配に対応したもの…というのはちょっと誇張したもので、今は写真の通り、普通のワイングラスです。
どちらかというと、揺れや振動でナイフやフォークが滑っていくことにハラハラします。肥薩おれんじ鉄道・おれんじ食堂の「滑り止め機能つきランチョンマット」を輸出してあげたいところです。
目もくらむような高さの、つり橋の人道橋。九重の観光用とは違って日常の通行路のようで、歩く人の姿が見られました。こわい…
標高が上がるにつれ、また雪深くなってきました。空は快晴、直射日光と雪に反射した太陽光がまぶしくて、目がクラクラします。澄んだ空気の日光は思いのほか強烈で、下手すると目を傷めてしまいそう。サングラスは必携でした。
車内でロゴ入りサングラスを、比較的お手ごろな10フラン(1,190円)で売っているのを知ったのは、もっと後の話です。
窓に日よけはありません。パノラマを楽しむ列車ですから、陽を避けたければ各自で準備を、といったところでしょう。
標高1,435mのアンデルマットでは、5分の小休止。昼も12時前、始発から乗っていれば3時間を越えていて、外の空気を吸いたくなるタイミングです。
乗客が三々五々降りてきて、爽やかな空気や、雪の感触を確かめていました。
1時間近くの「おあずけ」の末、ようやく3ランチコースの1皿目が運ばれてきました。スープは、冷えた体に嬉しい暖かさです。
ぬくぬくと食事を楽しんでいる間にも、列車はサミットのオーバーアルプ峠に向けて、より厳しい勾配へと踏み出していきます。
ついさっきまで降り立っていたアンデルマットの街と駅が、あっという間にはるか眼下へと遠ざかって行きました。
同じ路線には全席指定の氷河急行だけではなく、普通列車も走っています。リフト代わりに電車が使われているのは、この路線も同じ。スキーだけではなく、クロスカントリーのコースも整備されていて、雪道を競歩する人の姿も少なくありません。
スイスのウインタースポーツの世界、奥が深そうです。
景色を楽しんでいる間に、ランチの2皿目が登場。今日のメインディッシュは、ポークのソテーです。とびきりのご馳走ではないけど、大パノラマを見ながらの暖かい食事は、どんなレストランにも負けない味でした。
のちほど、付け合せのお代わりがやってきたので喜んでお願いしたら、2分後にはなんとお肉のお代わりが回ってきました。平らげたはずの2皿目、完全復活(笑)。
乗客がメインディッシュを楽しんでいる間に、列車は最高地点となる標高2,033mのオーバーアルプ峠を制覇。氷河急行の名の由来ともなった氷河は、長大トンネルの完成で見られなくなりましたが、それでも充分ドラマチックな山越えです。
高度が下がれば、再び雪は少なくなってきました。カーブを繰り返し、時にはアーチ橋そのものもカーブを描いて、苦労して登った峠道を下ります。
コースは3皿目のデザートへ。チーズの盛り合わせかケーキを選べて、手持ちのチーズがあった僕らは二人ともケーキをリクエスト。コーヒーも頼んで、満ち足りたひとときが過ぎていきました。