GWは福岡市周辺で大人しく過ごした分、翌週はちょっと遠くへ出かけました。諫早でハンググライダー体験をして、小浜温泉で一泊、翌日は雲仙観光というプランニングです。
ハンググライダー体験ができる長崎いこいの村は、長崎本線湯江駅が最寄り。湯江停車の列車は少なく、10時の開始時間に間に合わせるには6時台の「かもめ」乗車が必須です。歓送迎会明けで眠気満開の土曜、5時に早起きして出発しました。
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6時半発の白いかもめは、指定席がほぼ満席でびっくり。長崎で何かイベントでもあるのかと思っていたら、通勤対応で、指定席は1号車の半車両のみというカラクリでした。
自由席はガラガラで、革張りシートにゆったり座って長崎を目指します。885系も登場から15年、かなり痛みが目立ってきている上に、車内販売も春で廃止になってしまいました。都市間輸送はJR九州の「本業」なのに、大丈夫なのかな。
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肥前山口で、数少ない普通電車に乗り換え。土曜日というのに、高校生でいっぱいです。
外は小雨模様。停車中に電話で問い合わせてみると、やはり今日のハンググライダー体験は見送った方がいいとの返事でした。湯江駅では降りず、気を取り直してそのまま諫早へ向いました。
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諫早駅前には西友があり「街らしい」景観だったのですが、この春に撤退してしまったばかり。駅前が一気に「老け込んだ」ように見えてしまいました。
もっとも駅近くには他に地場のスーパーがあり、地魚の寿司がワンパック500円と激安。100均ブランドの傘も売っていて、雨の折助かりました。
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川沿いを歩いて、諫早市街地へ。
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市街地の最寄り駅になる、島原鉄道の本諫早駅から島鉄の旅に出発です。利用したきっぷは、諫早駅のみどりの窓口で買った「島原・雲仙・小浜フリーアクセスきっぷ」。島鉄全線と、諫早~小浜~雲仙~島原の島鉄バスが2日間乗り放題で2千円と、なかなかお得です。ただし購入の際には、諫早までのJR券と同時購入、または提示が必須になります。
急遽ネットで探したきっぷ、なかなかの掘り出し物でした。
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南半分の部分廃止以来、全車が新型車両に置き換わった島鉄。以前に活躍していた旧国鉄型気動車も味わい深いものでしたが、まあ一般には快適な車両が喜ばれるでしょう。
JR九州のキハ125系に似ていますが、クロスシートの数が多く、トイレも当初から設置されています。
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諫早市郊外の無人駅「干拓の里」で下車。同名の公園までは、干拓地を歩いて20分の道のりです。
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周囲の道路には、諫早干拓地の水門開門調査に反対する看板があちこちに。諫早としては、当然の主張だろうな・・・と思っていると、広大な公園入り口に到着しました。入場料は300円です。
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まずは干拓資料館へ。「埋め立て」と違い、海の干満の差を利用して造成する干拓は歴史が長く、時代ごとの工法の差なんかも学ぶことができます。
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展望台から眺めた、干拓地と園内。遊具やら乗馬体験やら、かなり充実した施設にも関わらず、人がほとんど見当たりません。団体の園児がいなければ、さみしくて逃げたしていたかも・・・。
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アヒルのボートも手持ち無沙汰です。食堂に入ってみたら、「今日はもう誰も来ないかと思ってました」と言われる始末。
ただ午前中、それも雨模様だったことも影響していたようで、午後に入るとポツポツとファミリーがやって来ていました。
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再び島鉄に乗り、島原へ。高校の帰宅時間に当たり、車内は賑やかです。用務客の姿も目に付き、頼りにされているローカル線の姿が頼もしく映ります。
いつしか天気も回復。有明海が、青空を映していました。
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南島原駅で下車。車庫があり、島鉄の要衝でもあります。
駅舎もそれにふさわしい立派なものだったのに、取り壊されてしまい残念。その歴史を継承しつつも、こざっぱりしてしまった新駅舎が建設中でした。
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バス(別料金)に乗り継いで、安徳方面へ。普賢岳噴火の際には度重なる土石流に見舞われ、かさ上げされた地域です。
「がまだすロード」と名づけられた高架道路も、土石流の際にも交通が寸断されないように作られた復興道路。規模は違えど、東日本大震災被災地の数年後を見ているような地域でもあります。
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がまだすロードの背後には、穏やかな普賢岳と平成新山の姿が。災害を起こす自然物は、平時はむしろ美しいというのも、世の常です。
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雲仙岳災害記念館へ。記憶も生々しい、普賢岳災害の記録を伝える資料館です。
火砕流後の大野木場地区を再現した区画には、実際に火砕流で被災した看板やバイクが展示され、その熱の恐ろしさを伝えてくれます。
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展示室の足元には、火砕流の「速度」を感じられる展示が。時間毎に、火砕流と同じ速度で光の帯が流れます。
その速度は100kmを超え、人の足はもちろん、車を使ってもとても逃げ切れるものではありません。
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屋上デッキに上れば、おだやかな有明海。女川町の津波遡上高さが示されており、遠き地での災害の大きさも実感できました。
見るだけでなく、体で感じられる「アトラクション」的な要素を含んでいるのが特徴的な記念館。大勢の方が亡くなった災害ではあるけれども、多少「アトラクション」になってしまっても記憶に留めてもらい、風化を防ぎたいという思いが感じられました。
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一旦島原港に戻り、雲仙行きのバスに乗り込みました。この区間のバスに乗るのは、6歳以来、28年ぶり。
当時は背丈(というか座高?)も低かったはずで、海が見えた記憶はありません。普賢岳災害以前の集落の姿も、想像の中の世界です。しかし峠道にかかった山の中のカーブは、どこか頭の片隅に残っている風景でした。
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今日の目的地は小浜温泉ですが、直通バスがない時間帯なので雲仙で1度乗り換え。地獄のど真ん中を、バスが走り去っていきました。
雲仙には明日改めて来る予定なので、今日のところは乗り換えるだけです。
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ノンステップバスで峠道を下り、小浜温泉に着いたのは7時前。小浜の象徴的な風景ともいえる夕景の時間でした。ガイドブックそのままの風景です。
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そんな夕景を望む場所にあるのが、日本一長い足湯。夕焼け見物に集まった人たちと共に、歩き疲れた足を休めました。
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今夜の宿は、春陽館。唐破風の入り口も立派な、木造建物の宿です。ただし「お任せ」プランだったので、僕らの部屋はRC造の新館。歩きつかれた身には、EV付なのでありがたかったかも。
新館の屋上露天風呂は、温泉ではなく「沸かし湯」を強調されていましたが、井戸水の沸かし湯が掛け流されていて、これはこれで気持ちのいいものでした。
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小浜といえば、ちゃんぽん!贅沢な海鮮ちゃんぽんを、ずるずるっとすすりました。あっさり味で、なかなかいけます。
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腹ごなしに歩くと、公園には派手にライトアップされた湯畑が! 湯煙もライトが当てられていて、温泉地らしい景観を夜まで楽しむことができました。
ハンググライダー体験ができる長崎いこいの村は、長崎本線湯江駅が最寄り。湯江停車の列車は少なく、10時の開始時間に間に合わせるには6時台の「かもめ」乗車が必須です。歓送迎会明けで眠気満開の土曜、5時に早起きして出発しました。
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6時半発の白いかもめは、指定席がほぼ満席でびっくり。長崎で何かイベントでもあるのかと思っていたら、通勤対応で、指定席は1号車の半車両のみというカラクリでした。
自由席はガラガラで、革張りシートにゆったり座って長崎を目指します。885系も登場から15年、かなり痛みが目立ってきている上に、車内販売も春で廃止になってしまいました。都市間輸送はJR九州の「本業」なのに、大丈夫なのかな。
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肥前山口で、数少ない普通電車に乗り換え。土曜日というのに、高校生でいっぱいです。
外は小雨模様。停車中に電話で問い合わせてみると、やはり今日のハンググライダー体験は見送った方がいいとの返事でした。湯江駅では降りず、気を取り直してそのまま諫早へ向いました。
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諫早駅前には西友があり「街らしい」景観だったのですが、この春に撤退してしまったばかり。駅前が一気に「老け込んだ」ように見えてしまいました。
もっとも駅近くには他に地場のスーパーがあり、地魚の寿司がワンパック500円と激安。100均ブランドの傘も売っていて、雨の折助かりました。
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川沿いを歩いて、諫早市街地へ。
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市街地の最寄り駅になる、島原鉄道の本諫早駅から島鉄の旅に出発です。利用したきっぷは、諫早駅のみどりの窓口で買った「島原・雲仙・小浜フリーアクセスきっぷ」。島鉄全線と、諫早~小浜~雲仙~島原の島鉄バスが2日間乗り放題で2千円と、なかなかお得です。ただし購入の際には、諫早までのJR券と同時購入、または提示が必須になります。
急遽ネットで探したきっぷ、なかなかの掘り出し物でした。
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南半分の部分廃止以来、全車が新型車両に置き換わった島鉄。以前に活躍していた旧国鉄型気動車も味わい深いものでしたが、まあ一般には快適な車両が喜ばれるでしょう。
JR九州のキハ125系に似ていますが、クロスシートの数が多く、トイレも当初から設置されています。
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諫早市郊外の無人駅「干拓の里」で下車。同名の公園までは、干拓地を歩いて20分の道のりです。
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周囲の道路には、諫早干拓地の水門開門調査に反対する看板があちこちに。諫早としては、当然の主張だろうな・・・と思っていると、広大な公園入り口に到着しました。入場料は300円です。
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まずは干拓資料館へ。「埋め立て」と違い、海の干満の差を利用して造成する干拓は歴史が長く、時代ごとの工法の差なんかも学ぶことができます。
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展望台から眺めた、干拓地と園内。遊具やら乗馬体験やら、かなり充実した施設にも関わらず、人がほとんど見当たりません。団体の園児がいなければ、さみしくて逃げたしていたかも・・・。
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アヒルのボートも手持ち無沙汰です。食堂に入ってみたら、「今日はもう誰も来ないかと思ってました」と言われる始末。
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再び島鉄に乗り、島原へ。高校の帰宅時間に当たり、車内は賑やかです。用務客の姿も目に付き、頼りにされているローカル線の姿が頼もしく映ります。
いつしか天気も回復。有明海が、青空を映していました。
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南島原駅で下車。車庫があり、島鉄の要衝でもあります。
駅舎もそれにふさわしい立派なものだったのに、取り壊されてしまい残念。その歴史を継承しつつも、こざっぱりしてしまった新駅舎が建設中でした。
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バス(別料金)に乗り継いで、安徳方面へ。普賢岳噴火の際には度重なる土石流に見舞われ、かさ上げされた地域です。
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がまだすロードの背後には、穏やかな普賢岳と平成新山の姿が。災害を起こす自然物は、平時はむしろ美しいというのも、世の常です。
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雲仙岳災害記念館へ。記憶も生々しい、普賢岳災害の記録を伝える資料館です。
火砕流後の大野木場地区を再現した区画には、実際に火砕流で被災した看板やバイクが展示され、その熱の恐ろしさを伝えてくれます。
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見るだけでなく、体で感じられる「アトラクション」的な要素を含んでいるのが特徴的な記念館。大勢の方が亡くなった災害ではあるけれども、多少「アトラクション」になってしまっても記憶に留めてもらい、風化を防ぎたいという思いが感じられました。
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当時は背丈(というか座高?)も低かったはずで、海が見えた記憶はありません。普賢岳災害以前の集落の姿も、想像の中の世界です。しかし峠道にかかった山の中のカーブは、どこか頭の片隅に残っている風景でした。
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雲仙には明日改めて来る予定なので、今日のところは乗り換えるだけです。
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そんな夕景を望む場所にあるのが、日本一長い足湯。夕焼け見物に集まった人たちと共に、歩き疲れた足を休めました。
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今夜の宿は、春陽館。唐破風の入り口も立派な、木造建物の宿です。ただし「お任せ」プランだったので、僕らの部屋はRC造の新館。歩きつかれた身には、EV付なのでありがたかったかも。
新館の屋上露天風呂は、温泉ではなく「沸かし湯」を強調されていましたが、井戸水の沸かし湯が掛け流されていて、これはこれで気持ちのいいものでした。
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小浜といえば、ちゃんぽん!贅沢な海鮮ちゃんぽんを、ずるずるっとすすりました。あっさり味で、なかなかいけます。
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腹ごなしに歩くと、公園には派手にライトアップされた湯畑が! 湯煙もライトが当てられていて、温泉地らしい景観を夜まで楽しむことができました。