このように例えば森林を耕地に転換しながら食糧増産をやってきて、それがほぼ限度にあるという状況の中で、「地球にやさしい」とか「地球の緑を守る」といった言葉が、とても希望があるかのように語られていますが、毎年地球の森林がどれくらいなくなっているか、データをご存じでしょうか。
国連食糧農業機関やアメリカ政府の推定によると、1100万から2000万平方ヘクタールの森林が毎年なくなっています。日本の国土総面積が約3670万ヘクタールですから、つまり日本国土の3分の1ないし多めに見積もると2分の1以上の緑が、毎年、なくなっています。
毎年ということはつまり森林の減少は止まっていない、ということです。
2005年の国連食糧農業機関の資料によると
「全体としての森林領域は減少し続けている――しかし減少率は減速しつつある」とのことです。
「主に森林の農耕地への転換による非森林化は、一年当たり1300万ヘクタールという驚くべき割合で続いている。同時に、植林、景観修復、森林の自然的な拡大によって、森林領域の純量の減少は顕著に低減されている。森林領域の変化の純量は、1990-2000年の間の毎年マイナス890万ヘクタールから下がって、2000-2005年の間は毎年マイナス730万ヘクタール(ほぼシエラ・レオネやパナマほどの広さの面積)と推定されている。」(Global Forest Resources Assessment 20005, Executive Summary)
様々な努力によって、幸いにして減少率は減速しつつあるのですが、しかしそれにしても依然として減少し続けている、止まっていないという事実が問題です。
人口増加に関しても止まっていないし、森林の喪失についても止まっていないのです。
こういう問題が世界的レベルでのデータに基づいて警告されはじめたのが、早めに見るとスウェーデン政府によるもので1960年代半ばです。ローマクラブレポート『成長の限界』と見ても、72年です。すでに40年近く経っているのです。
非常に残念なことに、この40年近くの間、事態は何もよくなっていません。
全体としての地球環境は、悪化し続けている、のです(これは、シンポジウムの呼びかけ人3人の共通認識です)。
こういう言い方をすると、環境関係の運動を一生懸命やっている方にすごくいやがられてきました。「私たちが、こんなに一生懸命やっているのに、何もよくなっていないなんて」と。
何だか、ネガティヴで理屈っぽくて意地悪で人の善意を理解できない人のように思われて、かなり損をしてきたような気もしないではありません。
そこで最近は言い方を換えて、「いろいろ努力はなされていて、環境破壊のスピードを遅くする効果はあったとは思いますが、しかし基本的には止まっていない、と言い換えましょう。データ的・数字的にはそう認識せざるを得ませんよね」と言うと、いやいやながらわかってくださる方が多くなってきました。
(しかし、今でも「そういう話は聞きたくない、認めたくない」と心情的に反応して否認される方も少なくないようです。私だって、できれば認めたくありませんけどね。)
あと、より詳しいのデータは、例えばワールドウォッチ研究所『地球データブック』をしっかりと見ていただくと、私たちがどういう状況におかれているのかはっきりわかっていただけると思います。
私たちが、気持ちの問題として「地球にやさしい」生き方をしたいと思うのは、出発点としてとても大切です。
しかし、それにとどまらず、実際に地球環境の悪化をまず止め、それから改善していくには、まず、どういう状況になっているのか、どうしてそういう状況になったのかしっかりと知る・認識しておくことが必要ではないかと思うのです。
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国連食糧農業機関やアメリカ政府の推定によると、1100万から2000万平方ヘクタールの森林が毎年なくなっています。日本の国土総面積が約3670万ヘクタールですから、つまり日本国土の3分の1ないし多めに見積もると2分の1以上の緑が、毎年、なくなっています。
毎年ということはつまり森林の減少は止まっていない、ということです。
2005年の国連食糧農業機関の資料によると
「全体としての森林領域は減少し続けている――しかし減少率は減速しつつある」とのことです。
「主に森林の農耕地への転換による非森林化は、一年当たり1300万ヘクタールという驚くべき割合で続いている。同時に、植林、景観修復、森林の自然的な拡大によって、森林領域の純量の減少は顕著に低減されている。森林領域の変化の純量は、1990-2000年の間の毎年マイナス890万ヘクタールから下がって、2000-2005年の間は毎年マイナス730万ヘクタール(ほぼシエラ・レオネやパナマほどの広さの面積)と推定されている。」(Global Forest Resources Assessment 20005, Executive Summary)
様々な努力によって、幸いにして減少率は減速しつつあるのですが、しかしそれにしても依然として減少し続けている、止まっていないという事実が問題です。
人口増加に関しても止まっていないし、森林の喪失についても止まっていないのです。
こういう問題が世界的レベルでのデータに基づいて警告されはじめたのが、早めに見るとスウェーデン政府によるもので1960年代半ばです。ローマクラブレポート『成長の限界』と見ても、72年です。すでに40年近く経っているのです。
非常に残念なことに、この40年近くの間、事態は何もよくなっていません。
全体としての地球環境は、悪化し続けている、のです(これは、シンポジウムの呼びかけ人3人の共通認識です)。
こういう言い方をすると、環境関係の運動を一生懸命やっている方にすごくいやがられてきました。「私たちが、こんなに一生懸命やっているのに、何もよくなっていないなんて」と。
何だか、ネガティヴで理屈っぽくて意地悪で人の善意を理解できない人のように思われて、かなり損をしてきたような気もしないではありません。
そこで最近は言い方を換えて、「いろいろ努力はなされていて、環境破壊のスピードを遅くする効果はあったとは思いますが、しかし基本的には止まっていない、と言い換えましょう。データ的・数字的にはそう認識せざるを得ませんよね」と言うと、いやいやながらわかってくださる方が多くなってきました。
(しかし、今でも「そういう話は聞きたくない、認めたくない」と心情的に反応して否認される方も少なくないようです。私だって、できれば認めたくありませんけどね。)
あと、より詳しいのデータは、例えばワールドウォッチ研究所『地球データブック』をしっかりと見ていただくと、私たちがどういう状況におかれているのかはっきりわかっていただけると思います。
私たちが、気持ちの問題として「地球にやさしい」生き方をしたいと思うのは、出発点としてとても大切です。
しかし、それにとどまらず、実際に地球環境の悪化をまず止め、それから改善していくには、まず、どういう状況になっているのか、どうしてそういう状況になったのかしっかりと知る・認識しておくことが必要ではないかと思うのです。
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