登米市東和町、沢に並行する林道をゆるやかに下って行くと、山側から水が浸み出してい
て路面もぬかるんでいます。そんなぬかるみに何かの小さな根生葉が散生、或いは群生し
ているのを見つけました。しゃがみ込んで観察すると、植物図鑑に載っていたヨゴレネコ
ノメに似ているような ? 初めて見る植物なので、自信はありませんが・・
林道は杉林内を下っていて、すぐ脇を沢が流れているので、かなり湿度の高い場所ですね。
杉はけっこうな大木なので林内は薄暗いのですが、木漏れ日で明るい場所もあります。
二枚とも2022.3.10撮影
植物図鑑でヨゴレネコノメを検索すると、次のページによく似たイワボタンという植物も
載っています。葉の形や斑の入り方が似ているので、この二種の何れかでしょう。
ただ自生環境が違っていて、ヨゴレネコノメは沢辺に生え、イワボタンは薄暗い杉林など
に生えるとあります。写真の植物は杉林内の林道に生えていますから、イワボタンの可能
性が高いですね。花を観察すれば容易に判別できるとあるので、花の時季を待ちましょう。
念のためイワボタンの分布域を確認すると、関東以西の本州~九州となっています。
それが宮城県北に自生しているとしても、特定の狭い範囲だけなのか、かなり広い範囲な
のか、今後も注目して踏査したいと思います。
二枚とも2022.3.10撮影
ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草で、本州の関東地方以西の太平洋側~九州に分布。
低山の沢沿いの杉林内や、薄暗い窪地などに自生する。草丈は5~15cm。
根出葉は広卵形~狭卵形で花期にも残存、長さ0.5~5cm、柄があって縁には鋸歯がある。
葉表には汚白色の斑紋がある。
花期は3~5月、花茎は暗紅色を帯び、直立して高さ5~20cmになる。茎葉は1~2対
付き、卵円形~楕円形で長さ1~5cm。
茎頂に淡黄緑色の小さな花を付ける。花弁は無く萼片が4枚、雄しべは8本で花の外に長
く突き出す。花後走出枝を出して増え、しばしば群生する。
果実は蒴果で嘴状に斜開し、2個の心皮は左右不同。
種子は茶褐色で多数でき、長さ0.8-1mmの楕円形~卵形で多数の隆条がある。
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