南三陸町東部、車道から分かれて沢沿いの砂利道を上がって行くと、採石場がありますが、
砕石設備や各種建設機械にはブルーシートが掛けられていますから、既に稼働を終えたの
かも知れませんね。そんな採石場を横切って、上手の平坦地まで入って行くと、山腹を開
削した坂道が尾根筋まで上がっています。それを少し上がると、緑の針葉を付けた低木(幼
木)があちこちに生えています。これはアカマツの幼木ですね。
アカマツは日差しを好む「陽樹」で、乾燥気味のやせ地などに最初に生えてきます。
この場所のような土や岩礫が露出した裸地に、逸早く生えてくる木を先駆樹種(パイオニア
ツリー)と呼び、他にはタラノキ、ヤシャブシ、ネムノキなどがあります。
アカマツの果実はマツボックリで、熟後の乾燥した日に鱗片状の種鱗が開いて、その間か
ら薄い翼状の種子がこぼれ、強い風にのると遠くまで散布されます。
強風が吹くと種子はおよそ1kmほども飛ばされるようですから、周辺の山地の母樹から種
子が供給されたものと推測されます。
三枚とも2023.1.30撮影
マツ科マツ属の常緑針葉樹で、樹高30mほどの高木。雌雄同株、雌雄異花。
本州~九州に分布し、丘陵~山地の乾燥気味の尾根筋などに自生する。
幹はやや曲がるか直立する。樹皮はやや明るい赤褐色で、縦長の亀甲状に剥がれる。
葉は針葉で細長く2本ずつ束生、長さは7~12cm、断面は半円形で先端は尖る。
基部には赤褐色の鱗片がある。
花期は4~5月、新枝の先端に紫紅色の雌球花を2~3個つけ、新枝の基部に淡黄
色で楕円体の雄球花を多数つける。
果実は卵状円錐体の球果で、翌年の10月に成熟する。球果の直径は3cmほど。
種子は長さ5mmほどの倒卵形。翼は披針形で、種子の長さの3倍ほど。
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