季節歩みにも速い遅いがあるようだ。
このところ、急激に歩みを早め、三日ほど前に梅が咲いたと思ったら今日は桜が五分先咲き。
北アルプスに残雪が光り、前景に桜、その前にはレンギョウ。
鹿島槍の雪形、鶴が表れている。
この鹿島槍のバリエーションルート、東尾根を登ったのはもう四十年近く前のことだ。
天気が良ければ、残雪の山はこの上なく楽しい。
よい季節になった。
そんな中、保育園から頼まれた仕事に没頭していた。
まずは鳥小屋。
一応は完成したが、昨夜の強風で後ろに倒れていた。
仮屋根が凧のように風を受けて、ブロックに置いただけの小屋を倒したのだろう。
鳥が少なくなれば、一つずつ撤去したいという要望に応えて、本格的に固定してしまうわけにはいかない。
急きょ両側に杭を打って固定した。後ろには土手から支え棒。
とりあえずはこれで大丈夫だろう。
今使っている小屋を壊して、その材料で小屋掛けをするのだが、その時何か固定方法を考えよう。
箒掛けの追加依頼も受けたので追加。
L字の金物をねじ込めば終わりなのだが、それではあまりにも味気ない。
本当は壁も焼きを入れて木目を生かしたいのだが、園児たちの趣味ではないだろう。
好きなペンキを塗るがいい。この箒掛けはささやかな抵抗というか、ここだけはわがままを通した。
他に、鶉(うずら)用の鳥かご。
小さい子が、勝手に開けてしまわないようにロックを作った。
これも、ささやかなこだわり。
組木のおもちゃのようで、なかなか楽しい。
さらに、みんなのお家の屋根の葺き替え。
これはもう、新しい園舎の庭の、一番目立つ場所に置いてある。
二十二日に開園なので、ボロボロの屋根のままというわけにはいかない。
屋根は新しくなったが、こうなると、入り口の踏み板のボロさが気になる。
まあいいか。頼まれていないし。
これで、材料も結構な値段になる。
手間代はほとんどボランティアだ。
このひと月、構想から設計、材料の購入、加工とほとんどそれに掛かり切りになっていた。
一応一区切りだが、これから古い鳥小屋の解体もある。
これが結構大きな小屋で、解体も一筋縄ではいかない。
材料の仕分け、再生、そして、使える材料によって新しい小屋をどうするかの設計。
前途は多難。
あとひと月後、ハーフマラソンにエントリーしているが、果たして走れるのだろうか。
腰痛から来る脚の痺れがある。
練習もほとんどできていない。
桜も咲いたし、気持ちを入れ替えて、明日から走り出そう。
少しずつ、少しずつ、アイドリング。
わが村は枝垂桜の郷。
これから本番を迎える。
五大桜を巡るマラニックでもしょうか。
まずは解放感に思い切り浸ろう。