白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

甲州から相模へ     第10回甲州街道の旅

2020年01月08日 09時02分22秒 | 日記
男性七十二歳、女性七十五歳。
この年齢は何だろう?わかる人いますか。
そんな風に質問して答えられる人がどれくらいいるだろうか。
平均寿命は男性八十一歳、女性八十七歳だ。
その差は男性九年、女性十二年。これは長いのだろうか、短いのだろうか。
この差は「不健康期間」と呼ばれ、高齢になり、健康上の問題で日常生活に制限のある状態で暮らす期間を指す。
だから答えは健康寿命だ。
俺はあと四年しかない。人生を逆算するなんてしたくないが、考えないわけにはいかない。

健康寿命 都道府県ランキング
厚生労働省が2018年3月に発表した最新の都道府県別の健康寿命ランキングは次の通り。
男女別の都道府県別 健康寿命ランキング(2016)
男性女性
順位都道府県健康寿命順位都道府県健康寿命
1山梨73.211愛知76.32
2埼玉73.102三重76.30
3愛知73.063山梨76.22
4岐阜72.894富山75.77
5石川72.675島根75.74
6静岡72.636栃木75.73
7山形72.617岐阜75.65
8富山72.588茨城75.52
9茨城72.509鹿児島75.51
10福井72.4510沖縄75.46
新潟72.4511新潟75.44
12宮城72.3912大分75.38
13千葉72.3713静岡75.37
香川72.3714福井75.26
15鹿児島72.3115群馬75.20
16神奈川72.3016山口75.18
滋賀72.30石川75.18
18山口72.1818千葉75.17
19栃木72.12高知75.17
20長野72.1120青森75.14
21兵庫72.0821岡山75.09
22群馬72.0722佐賀75.07
23宮崎72.0523山形75.06
24東京72.0024福島75.05
25沖縄71.9825宮崎74.93
北海道71.9826香川74.83
27広島71.9727長野74.72
28岩手71.8528長崎74.71
京都71.8529埼玉74.67
30長崎71.8330福岡74.66
31三重71.7931神奈川74.63
32島根71.7132愛媛74.59
33鳥取71.6933秋田74.53
34青森71.6434岩手74.46
35佐賀71.60大阪74.46
36大分71.5436宮城74.43
岡山71.5437和歌山74.42
福島71.5438東京74.24
39大阪71.5039兵庫74.23
40福岡71.4940鳥取74.14
41奈良71.3941奈良74.10
42高知71.3742滋賀74.07
43和歌山71.3643徳島74.04
44徳島71.3444京都73.97
45愛媛71.3345北海道73.77
46秋田71.2146広島73.62
厚生労働省 第11回健康日本21(第2次)推進専門委員会  資料1-2「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」よりウーマンズラボ作成(熊本地震により熊本県のデータはなし)・・・女性ヘルスケアニュースより引用

不健康寿命、嫌な言葉だ。我が県は長寿県とは言われているが、健康寿命のランキングは下位だ。

朝、五時、信州は一面の雪景色。第十回目の甲州街道の旅が始まる。
青春十八切符を使うのはルールブックに書いてある。だって、新幹線や特急を使うのって、旧街道歩きにふさわしくないじゃないか。各駅停車の鈍行こそふさわしい。
それに決して裕福ではない年金生活者だからね。
飯山線、篠ノ井線、中央線を乗り継いでいく。およそ六時間半もかかってスタート地点の上野原駅に着いたんだ。とてもお天気が良くてね、途中富士山が青い空にように突き出ていた。すそ野まではっきりしていて、少しも神秘的じゃなかった。
上野原はもう甲州のはずれ、隣は相模の相模原市だ。もうすぐ越境だ。
それにしても信州とはまるで気候が違う。まるで春じゃないか。
水の色だって全然冷たそうじゃない。

この辺りはみんなどうやって生活の糧を得ているんだろう。農地もなさそうだし、東京にも近いから、はたらきにでているのだろうか。どこの土地を歩く時も人々はどんな暮らしをしているんだろうと気にかかる。空家も目立ったり、はこりっぽくて活気がなかったり。そんな中でも子供が遊んでいる姿を見つけるとほっとするんだ。




藤野町はいろんな史跡、神社仏閣があるけど、旅行案内を書くんじゃないから書かない。自分が感じたことや関心のある事だけ書く。
マンホールは各地に違うものがあって、見るのが楽しい。直接会ったことないけど、先輩街道ウォーカーは写真にしてくレクションしている。
吉野宿のふじやは郷土資料館になっていて、のぞいてみると人のよさそうなおじさんが招き入れてくれて、見学していかないかという。この地が日本橋と甲府の中間に位置することや、展示品、地域の産物などについて説明してくれる。以前は教員をしていたという。経験を生かして第二の人生というのも、なかなかいいじゃないか。
さっきの暮らしについて聞いてみた。かつては養蚕なんかも盛んだったという。今では都心まで行っている人がほとんどだという。江戸がホントに近いんだ。
上野原、関野、吉野、与瀬。これが今回あるいた宿場だ。駅で言えば、上野原、藤野、相模湖。駅と駅の距離は大体四キロから五キロというのが、この間の経験則。実際の歩行距離は十三キロくらい。うん、丁度いい、かみさんにとっては。


相模原。そう、あの相模原だ。五十数年前、東京オリンピックのボート競技の会場になった街だ。今ではほとんどの人が自然湖だと思っているが、昭和二十二年に完成したダムなのだと、駅前のカフェのおじさんが言っていた。このカフェの創業が昭和三十九年だから、オリンピックとともにできたことになる。オリンピックの終わった後、砂漠のように寂れるとこもあるのに、良く持ちこたえてきたなあ。きっと、すごい努力を重ねてきたに違いない。
長野オリンピックで里谷多英さんが、金メダルを取った。その会場の飯綱スキー場が、いよいよ、と言うか、ついに、というか今シーズンを限りに閉鎖することが発表された。そり(何というか忘れた)のコースも維持できず、だんだんオリンピックが希薄になっていく。仕事だってそうだったんだ。オリンピック不況がやってきた。多分、東京だってそうなる。オリンピアンの活躍を見るのはたのしみだけど、あんな灼熱の真夏にやるのっておかしいじゃないか。政治的な、経済的な思惑にばかり囚われているなんて尋常じゃない。温暖化問題だってそうじゃないか。原発問題だって同じだ。
相模原。もう一つある。
相模原障害者施設殺傷事件(さがみはら しょうがいしゃしせつ さっしょうじけん)とは、2016年(平成28年)7月26日未明、神奈川県相模原市緑区千木良476番地にある、神奈川県立の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」に 、元施設職員の男A(犯行当時26歳)が侵入し   、所持していた刃物で入所者19人を刺殺し、入所者・職員計26人に重軽傷を負わせた大量殺人事件    である。・・・Wikipediaより抜粋
こういうことが現実に起こる社会、時代なんだ。この裁判がもうすぐのはずだ。社会の一部にある選民思想の誤りをあぶり出し、正す裁判にしてほしいものだ。
ついでに、アメリカのトランプ大統領が、勝手に他国の司令官を殺害する命令を出し、実行された。イランが報復のミサイル攻撃をした。先に手を出したのはトランプだ。非はそちらにある。当り前じゃないか。安倍首相は忠実な犬みたいに、中東に自衛隊を出すと言ってのける。アホだ。そもそも閣議決定というのが曲者だ。権力さえ握れば何をしてもいいのかよ。憲法を無視して。
船が火事になっている。それでも殴り合いの喧嘩が収まらない。そんなことしている場合じゃないのに。地球が終わっちゃうよ、僕らの星が。

言いたいことが山ほどあって、健康寿命のことなんか考えている暇もない。どうやったら、この星を美しいまま未来に引き渡せるんだろう。七月にはもう一人の孫が生まれるんだ。

甲州街道に話を戻すけど、この相模湖駅は実はここから一番遠い場所なんだ。甲府回りで行っても、東京回りで行ってもほとんど変わらない。ただ、東京回りは新幹線を使わないと行かれない。日本橋まで六十三キロ。もう、青春十八切符にこだわっている場合ではないのかも知れない。
次は小仏峠越えだが、昨年の台風十九号の影響で、峠から高尾駅に向かう道が通行止めだという。その区間は後回しにして先に進もうか。せっかく遠くまで行くんだから一泊か二泊はしてこなくちゃ。いろいろ思いいろいろ悩む。だけどそれは楽しい、間違いなくワクワクする。前に進もう。