路上のブルースと言えば、カンちゃん。「キング」と
言っていい。でも、「渋い」「かっこいい」と簡単に片
付けないで、微妙なハープのトーン、リゾネータの音、
演奏のテクニックをそこらのベンチに腰掛けて、じっくり
聴いて欲しい。
オレ達若造が、直感ですべてを理解できる程、彼の芸
は、浅いものではない。彼に遭遇できる事ができたら、
「濃密」な彼の音楽をじっくり感じていただきたい。
路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信
追記・取材を終えたら、松島英生くんから、ライブのお誘
いのメールが届いていた。本日、家の近所の朝霞・デスぺ
ラード・ステージで歌ったという。行きたかった。
追記2・最近の東京の夜は、寒い。バイクに乗っていて、あ
まり冷えるので、頭がとれちゃうかと思った。そんなこった
ないか(笑)。
追記3・昨日、池袋・ウイロードで、13号倉庫さんとアリア
ズ・スレイブについて話した。私は、彼女については、多い
に不満なのだ。出会った頃の彼女は、「この人、狂人」とい
う位の奔放な演奏をしていた。最近は、確かに、演奏も上手
になったし、ブルースとか、色々な音楽にも興味を持ってき
ている。それは、よい事だけれど、別に、そんな事はどうで
もよいのだ。動員を考えて、お客さんを意識し過ぎた演奏
をしたり、他のミュージシャンの演奏を気にしたり、そんな
事をする度に、彼女のよさは、どんどん消えて行く。
誰も、あの人に、そこいら辺にいる「お嬢さん」のような
演奏を求めていない。別に、上手くなる必要もないし、聴き
やすくなる必要もないのだ。「唯一無似」の存在である事で
最終的に「見たい」という人が出てくる。そういう存在の歌
い手なのだ。
ただ、ただ、13号倉庫さんと最後に一致したのは、今でも、
もし、演奏中に、マイクスタンドのネジが弛んで、マイクが
下の方にまで落ちてきてしまった時、普通の歌い手なら、何
とか、タイミングをみるなり、助けを求めて、マイクを歌い
やすい位置に戻す所を彼女なら、床下数センチの所にあるマ
イクめがけて歌うのではないかと想像できる事だ(「。」の
少ない文章で恐縮。笑)。
そういう一致点で話せる事に、わずかながらの光明を見い
出した。さて、彼女は、どう音楽を発展させるのやら。どう
か、レベルの低いおやじ達の声に巻き込まれないで進んで欲
しい。