ユーミンの実家は、八王子の呉服店。
インタビューにこたえた雑誌のタイトルには、
創作活動への八王子暮らしが与えた影響が
ダイレクトに書かれているのではないかと
想像させる文章が選ばれていた。
「もしかしたら、新しい発想が手に入る」と
読んでみたが、インタビューをした
林真理子さんの力不足か、
文章をまとめたライターの問題か、
一定の深さを持った内容を得る
ことはできなかった。
青柳さんは、20代の頃から
「都心からあえて距離を置く」という
発想に意味を感じてきた。
かつては、若気の至りで中心地で
暮らす人達に嫉妬をしたこともある。
しかし、中心地やメッカにいれば
沢山の情報を得ることはできるが、
流れに巻き込まれる可能性は高い。
逆に、田舎を拠点にすれば中心地の
感覚からは明らかにズレてしまう。
都心から少しなはれた所で暮せば、
煽られることなく、適度に中心地からの
刺激を受けつつ、自分の歌や
文筆の世界を作ることができる
のではないかと考えた。
ユーミンが、その辺りを歌い手、
あるいは、音楽の作り手としてどう発想し、
実際にどうしてきたのかを聞きたかった。
残念。今更、林真理子がユーミンの
ファンであったとか、よく聴いた
といった話題なんて、
どうでもいいことではないか。
とほほ(笑)。
路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信