#亀の湯
・横須賀で一位、二位を争う古い銭湯
・性善説で成り立ってる
・意外とそんなに熱くない
京急本線
#汐入駅
▲京急の汐入駅。横須賀中央(文字通り、横須賀の中央にある駅)の隣にある
▲路線図をみるとこんな感じ
▲ここはトンネルとトンネルの間にある駅。横須賀はとにかく地形が険しい
▲トンネルを抜けるとそこは汐入だった
▲下に降りると
▲右に曲がって
▲さらに下る
▲改札口
▲改札口を抜けると左にセブンイレブンがみえるが
▲そこを抜けると大通りに突き当たる。とりあえず目の前の横断歩道を渡る
▲渡ったところ
▲そのまま進んで
▲トクダ眼科医の案内板でストップ
▲右に進む
▲すると奥に白い建物がみえるが、それがトクダ眼科だ
▲そこを左折
▲突き当たりにきたら右折する
▲ちょっと歩けば
▲亀の湯がみえてくる
▲入り口は狭い路地のところ。これだけでもかなりの年季を感じさせる
▲建物はものすごく古い
▲裏側奥には薪がみえる
▲到着
神奈川県の組合ホームページでは16時開店と書いてあったが、実際に足を運ぶと張り紙には17時からと書いてあった。かなり遅い開店だ。
ちょっと時間を潰して(といっても10分程度だったが)、再び亀の湯の前に行くと、若い女性が一人立っていた。この手の古い銭湯で若い女性が一番最初に並んでるのはかなりレアである。
17時ちょうどになると、17時を知らせるメロディーが街中に響いていた。それが合図かのように女湯の方から60代ぐらいの女性がのれんを手にして現れた。
この時点で、自分を含め5人ぐらいが並んでおり、最初に入っていったのは腰が直角に曲がったおばあちゃん。最初に並んでいた若い女性はなぜか入っていかない。次に自分。男湯は右側だった。
入り口は手前が広く奥行きが狭くなるハの字の玄関口で、この形状は横須賀でしか見たことがない。
おなじく横須賀にある古い銭湯の「当り湯」とも同じ構造だった。当時は流行っていたのか。それとも昔の住宅事情にマッチしていたのか。たしかに、狭い敷地を活用するのに合理的に思える。
扉をあけて中に入ると、やはり下足箱も狭く、かつ数もそんなに多くない。
脱衣場に入るとだいぶスッキリしたところで、古い銭湯にありがちな隙間を埋めるほどの飾り立てはなく、必要最低限にとどめた様子だ。
脱衣場の真ん中には長いすがあり、右側には常連客用の私物が並ぶ。奥にはロッカーがあるが、鍵がついていない。
アレ?と思いながら張り紙をみると、ロッカーを使われる方は番台へ声を掛けてくださいと書かれてあった。ここは原則的にみんなカゴを使うらしい。
ということで貴重品といえば中身のスカスカな財布と古いスマホぐらいだったので、みんなを信じてカゴを使うことにした。番台の目があるから大丈夫だとは思うが…。
ただ、そのカゴをどこに置いたらいいのか迷った。こういう場所は一見さんには分からないローカルルールがあったりするので、それも心配だった。
とりあえず適当に置いてる様子だったので、椅子から少し離れた場所に置いた。
出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用
▲番台の奥に見える扉が玄関
出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用
もうひとつ驚いたのが、番台を通して女湯側がかなり見えそうだったことだ。一応カーテンはあるが、そのカーテンの隙間から覗こうと思えば覗けてしまう。
古い銭湯だからこうしたプライバシーに関しては寛容というか雑というか…。最初に若い女性がすぐに入らなかったのはこれが理由だったのかもしれない。
さらに浴室内に入ると分かるのだが、間仕切り壁もかなり低く、170センチあるかないかぐらいである。
従業員用の扉は手前が階段なので、そこにのぼったら小学生でも覗けてしまう。
ここはすべてが性善説で成り立っているようなところだ。
昔の人は平均身長が低かったのでそれで足りたのだろうが、現代はその身長を越えた人が圧倒的に多いので、このような間仕切り壁からも日本人の変化を感じることができる。
トイレは縁側にでたところで、床のきしむ音を鳴らしながら扉を開けようとすると立て付けが悪いためになかなか開かない。もちろん和式トイレで、清掃はきちんとされていた。
浴室の扉を開けると、浴室内も古典的というべきか、シンプルな作りである。
真ん中に島カランがあり、このカランはシャワーがなく、左右の壁にのみシャワーがある。こちらは、おそらく後付けされたものだろう。
右側のカランが4つほどで、左もそれぐらい。はじめから地元客のみを想定して作られた銭湯だと分かる。
出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用
浴槽は奥にあって、2つに分かれている。潔いほどシンプルで、左に深浴槽。右が浅浴槽。
ともに一つだけジェットバスがついていた。ただ、それだけだ。
温度は恐る恐る足を入れてみると、熱すぎるという前評判の割には、それほどでもなかった。もちろん熱かったけれども、せいぜい46℃ぐらいか。
狂ったような熱さの銭湯と比べたら、まだ人間が入れる温度である。
興味深かったのは、サッと入ってサッと出て行く人が多かったことだ。
入って10分ぐらいでもうあがってる人がいた。このへんはスガっ子気質というのだろうか。東京下町でもここまで早くあがる人は滅多に見掛けない。
天井は、さすが昔の銭湯で、湯気抜きがしっかりしており、天井は高い。
全体的な老朽化は当然ながら全体に見られ、ペンキやタイルがはがれていたが、そのへんはご愛嬌だろう。
客層は高齢者がほとんどで、コンスタントに人が出入りしている。意外と人気のところと感じた。
若い人も来ており、トイレの場所を訊ねていたので、初めての人だろう。自分とおなじ銭湯巡りをしている人間なのかもしれない。
壁絵は、田舎ののどかな風景を描いたペンキ絵で、銭湯の雰囲気とよく似合っている。
とても静かで、銭湯にありがちなテレビの雑音なども一切なく、薄暗く静寂に包まれた不思議と心地よい空間だった。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 汐入
経路 西へ
周辺の環境 住宅
●空間演出
建物外観 古い建物
壁画・眺望 田舎の風景
統一感 あり
置物 カゴ
照明 薄暗い
★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 シンプル
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 ジェットバス
サウナ なし
温度 46℃
棚 なし
男女入れ替え なし
■サービス
接客 丁寧
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし
◆人
受付 60代の女性
客層 高齢者や一部で若い人
【案内】
住所
〒238-0042
横須賀市汐入町5-2
電話
046-822-4425
営業時間
16:00〜22:00
定休日
毎週金曜日
※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載
おはようございます。
そうだったんですね。
駅前の商店街は良くも悪くもレトロな雰囲気で、懐かしい感じの印象を受けました。
おそらく米軍関係者だと思われるのですが外国人がとにかく多く、異国情緒あるところだなと思いました。
横須賀は地形も含めて、人も街も面白い場所です
和歌山の銭湯もこんな感じの所が多いですね。私にとってやっぱり銭湯って感じです。そういえば、新幹線、新神戸の駅もトンネルに挟まれていた様な。
こんにちは
亀の湯は、まさに昭和にあった庶民の銭湯という感じです。
和歌山の銭湯も機会があったら是非行ってみたいです。
新神戸駅もトンネルに挟まれた場所とは知りませんでした。
たしかに六甲山があったり港町だし、横須賀と共通点がある場所なんですね。
私もいろいろな銭湯に行きましたが、この入口の形状は始めて見ました!味わい深いです。
男女の境目がカーテン、ありました。どこか忘れたけど。空調でカーテンがフワ~っとするんですよねー。笑
文京区にあった月の湯という銭湯が、ロッカーに鍵がないらしくて、行くのを躊躇していたら廃業してしまいました…。
最低限の持ち物で行っておけばよかったなと後悔しています。
おはようございます。
ここの玄関がsun-sunさんでもはじめてみる形状ということは、やはり横須賀しかない間口なのかもしれません。
想像するに間口のスペースが確保できないから苦肉の策で作ったのかもしれませんが、それが今の時代だとすごく新鮮でおもしろいなと思いました。
男女の仕切りが適当なのはほんと困ります!
今の時代だと、これでうっかり見てしまったら笑い話にならないですから。
やっぱりそのへんは古くてもしっかりしてほしいと思いました。
文京区でもロッカーのない銭湯があったんですね。行ってみたかったです。
先延ばししてたら、閉店してしまってたというのは銭湯あるあるです。
自分も何度か経験してるので、ちょっと気が進まない時でも古い銭湯は積極的にチョイスしてる感じです。