goo blog サービス終了のお知らせ 

しゅぷりったあえこお nano

ブログ版 シュプリッターエコー

あの戦争の前もこうだった…集団的自衛権

2015-06-14 21:41:00 | セイジ
 思い上がりもいいとこですね、高村正彦というお人。
 自民党の副総裁ですってねえ。
 ということは、総裁の安倍さんの次にエラい人?
 おゴリたかぶる親分と、同じようにおゴリたかぶる副親分。

 アメリカ軍の手先になって戦争に行くケンリ(権利)、つまり集団的自衛権は憲法違反だと批判する憲法学者の言うことなんかに、国民は耳を貸すことなどいらぬ、とまあ、こう言うんですからね、
 憲法学者は国を守りなどしない。
 国を守っているのは、われわれ政治家だ。
 国民はわれわれの言うことを黙って聞いていればよい。
 と、なんとも乱暴な言い分で。

 「朕(ちん、われ、私)は国家なり」と公言してはばからなかったのは、フランス最大の権力者ルイ十四世でしたが、まさに「わたしが日本国だ」という態度。

 しかも、そう言ってのけるその根拠が、あわれなくらい貧弱で。
 1957年の最高裁判決(砂川事件)がその論拠だというんですが、この裁判では駐留アメリカ軍の是非が問題になりこそすれ、集団的自衛権などだれも持ち出してはいない。
 論理のスジが通らない。

 そのスジの通らないのをゴリ押ししていくこの茶番。

 自民党というのは伝統的に論理の粗雑な政党ですが、それでもここまで幼稚な言い方はさすがにあまりなかったようで。
 
 それを首相の安倍さんは、高村さんのご高説、ごもっとも、ごもっとも。
 まあ、わが民族を卑(いや)しめてもアメリカ政府にすり寄っていきたい首相のこと、すり寄る理由になるものは、なんでも、ごもっとも、ごもっとも、ということになるんでしょうが。

 それにしても、その茶番が通ってしまうこの国のブキミさ、コワさ。
 民族の悲劇となったあの戦争の前夜もこうだった。

自民大アワテ…味方のハズが大パンチ

2015-06-07 15:26:00 | セイジ
 ブサイクな日本語ですよねえ、集団的自衛権というコトバ。
 自衛隊をアメリカ軍の手先にするというのが中身です。
 それは日本の憲法をねじまげるものだ、と3人の学者がそろって主張しました。
 衆議院の憲法審査会という、ちょっとカタのこりそうな公式の会議でのことです。

 みなが驚いたのは、自民党がたのみとした早稲田大学教授の長谷部恭男さんもきっぱり憲法違反だと言ったことです。
 集団的自衛権は、これまでの政府の見解を逸脱している、外国の武力と一体化する恐れがきわめて濃い、と断言しました。

 おかげで自民党の中は、ハチの巣をつついたような騒ぎになってしまいました。
 なんであんな学者を連れてきたんだ、われわれの考えに沿う先生を選ばんとだめではないか、と頭に血ののぼったひとたちがまくしたてているのです。

 しかし、おゴリもそこまで来たか、という感じです。
 名誉と金が入るなら、ハイハイ、なんでも言いましょう、という売名学者ならいざ知らず、まともな研究者で集団的自衛権を合憲だなどと言えるひとはまずいないでしょう。
 現在の政界がいくら詭弁(きべん、言いくるめ)のるつぼだといっても、学者がつじつまの合わないことを言っては、学問そのものが成り立ちません。
 論理の一貫性をこわしては、これはもう学問の自殺というほかないのです。

 自民党にとって集団的自衛権は最重要の法案ですから、意に沿う研究者を必死になって捜したに違いないんです。
 けれど、ひとまず名の通った大学の先生でそんなことを言ってくれる研究者はいなかった、というのがたぶん実情だったのでは、と推測されます。

 自民党はどうやら次の手として、学者の研究と政治の現実は違うという主張でここを乗り切ろうとしているようですが、そうなると憲法はもう完全に無視ということになるでしょう。
 アメリカの番犬になってアメリカにシッポをふるためには自国の憲法も殺してしまう今の日本のリーダーの卑しい姿がますますくっきりと現われてくることになるでしょう。、

悲しき猿芝居…集団的自衛権

2015-05-16 11:03:00 | セイジ
 集団的自衛権なんて、ずいぶんザラザラした日本語ですよねえ。
 字ヅラを読んだだけでは、どういう意味なのかさっぱりわからない。
 だいたいウシロメタイことは、むりにでもむずかしく言う。
 それが政府の手なんですね。
 民衆にはできるだけ理解しにくいようにする。

 簡単に言おうとすれば言えるんです。
 「アメリカ軍の手先になって戦争に行く法律」
 こう言えばだれにでもはっきりわかる。

 結局アメリカの圧力に負けて、こういう法律を作らないといけなくなった。
 お前んとこは、自分では危険なところへ出向かないで、アメリカの世話になっているだけじゃないか。
 おれと一緒に戦争ができる、そういう国になれよ。

 ほんとうなら、それにはこう反論すべきなんですよ。
 いや、おれたちは平和憲法を貫いて、戦争ではなく平和を世界にもたらすように努力する。
 あんたこそおれたちとこの理想を分かち持って、未来の世界をつくる努力をすべきです。

 しかし、まあ、あれですよ。
 首相がアメリカの議会でアメリカにおべっかをつかうような演説をしてそれで得意になっている、そいいう国ですからねえ。
 
 アメリカの圧力に屈していながら、そこは隠して、自分で自分の道を主体的に選んだように演技する。
 猿芝居ですね。

 といっても決して首相ひとりが浮き上がっているわけではない。
 その猿芝居に、国民もかなりの人びとがそれでいいと思っている。
 共感し、安心している。
 やむをえないとも思っている。

 首相も猿芝居なら、国民も猿芝居。
 そこがこの国の悲しさですね。

 ほんとうにスジガネの入った日本人はどこにいる。

野田さんは詭弁ドジョウ?

2011-11-12 22:52:00 | セイジ
 首相の野田さんは自分のイメージを、宮沢賢治の作品に出てくる素朴な農民のような、朴訥(ぼくとつ)な人間につくろうとしていますがね。
 わたしはドジョウだ、なんて言ってね。
 でも、あやしいですよ、あれ、どうも。
 ほんとうは、なんでもヌルヌルと言いぬける詭弁家(きべんか)じゃないですか。

 TPP(環太平洋連携協定)の問題もね、結局ワケのわからないことをヌルヌル言って、切り抜けてしまいましたでしょ。
 産業の発展には、TPPに加わって完全な自由貿易へ進むことが必要だ。
 けれど、私(首相)は農業も守り通す。
 今の医療制度も守り通す。

 そりゃあ、言葉ではなんとでも言えますよ。
 文法にさえそっていれば。
 この花は白くて黒い。
 そう言っても、これは文法的には主語と述語が正しい場所にありますからね、言葉としては成立する。

 工業と農業は完全自由化の中でも両立する。
 そう言っても、文法上は正しいわけで。
 言葉として成り立つわけで。
 野田さんは、文法的な正しさを意味の正しさにまで広げておいて、つまり文法を意味にすりかえて、それでしてやったり、と思ってるわけですね

 自由貿易にまつわる工業と農業の対立というのは、言葉の表現のしかただけで解けるような、そんな生半可(なまはんか)なもんじゃないですよ。
 これは、国家の対立の中でも最も深刻な対立の一つでしてね。
 とにかく、アメリカの歴史を揺るがした最大の内戦、あの南北戦争の原因がこの対立なんですから。

 アメリカの最大の狙いの一つが、アメリカの農産品を日本へ大々的に売り込もうということでしょう。
 日本の関税を取っ払って、どんどん売り込む。
 日本の稲作を壊して、カリフォルニア米の市場にする。

 詭弁ドジョウは、どうみても、オバマ大統領のチンになって、日本国民を言いくるめようとしてますね。
 やばいですよ、あのひと。
 思い過ぎ?
 でも、ぼくにはそうとしか見えませんが。  

年金のハギ取りたくらむ野田首相―死神の法律

2011-10-02 17:40:00 | セイジ
 野田首相の新しい政府が厚生年金の制度を変えようとたくらんでいます。
 これからは夫と妻の立場を平等に扱います、と表向きはなにかいいことのように見せていますが、裏があります。
 夫と妻のどちらかが死んだら、死んだのをいいことに,、年金の半分をハギ取ってしまおうというのが裏に隠されているコンタンです。
 こんな法案を出そうともくろんでいる民主党の新政府には、もうがっかりです。

 ここ十年くらい、ぼくはずっと民主党を応援して、衆参両院の選挙でも地方議会(兵庫県議会、神戸市議会)の選挙でも民主党の候補に投票してきましたが、次の選挙からはもう止めです。
 自民党がこの法案をつぶしてくれる方向に動くなら、これからは国政でも地方議会の選挙でも自民党に投票します。

 神戸新聞の報道(9月30日)によりますと、厚生労働省(小宮山大臣)がねらっている改革というのは次のようなものです。
 まず各家庭に支払われる金額ですが、それは今の額のまま変わりません。
 ただその内わけが変わります。
 今はたいがいが夫に全額が支払われ、妻(専業主婦)はそれに乗っかる形になっています。
 それを、夫と妻に平等な権利を認めて、半額を夫に、半額を妻に支払う形にするというのです。
 家庭は夫と妻がいっしょに支えるものだという今日の考えからは、進歩のように見えるでしょう。
 しかしその進歩をよそおって、じつは裏に実生活の退歩を隠しているのです。

 夫婦がともに生きている間は、受け取る金額が今と同じなわけで、何も変化はありません。
 ですが、一方が死んでしまうと、その死んだ夫あるいは妻の年金がそこで消えてしまいます。
 今の金額の半分をハギ取ろうという仕掛けです。

 夫が残った場合は、きっちり半分がハギ取られてしまいます。
 妻が残った場合でも、今なら遺族年金として全額の四分の三が支払われますが、それが四分の二(二分の一)に減らされてしまうのです。
 夫か妻が死ぬのを待って、それをいいチャンスに、半額を召し上げようというわけです。
 死神が考え出したような法律です。

 ぼくの場合にあてはめますと、年金が一カ月で20万円そこそこですから、それが10万円ちょっとに減額されてしまいます。
 借家住まいをしてますから、家賃を払うと、月々2万円ほどで生活しなければなりません。
 電気代、ガス代、水道代、保険料、医療費(ぼくは持病で週3回の通院です)と月々の必要経費を数えていくと、もう食うや食わずという状態になるのです。
 連れを失った悲しみもそこそこに、安いアパートを探すために奔走し、転居に忙殺され、あすからどう食べ、どう着ていくか、もうとほうに暮れるほかありません。

 どうせ、高給取りの厚労省の官僚が考え出したことでしょう。
 庶民の生活の実感など、考えてくれといっても、どだい無理なことでしょう。
 しかしそんなものをそのまま出させる野田首相の感覚っていうのも、庶民からずいぶんかけはなれたものに思います。

 まあ、野田さんていうお人、自分は十分に裕福なお育ち(父は高給取りの自衛官)なのに、まるで貧乏な家の出であるかのような、お涙ちょうだいの演説をして、それで首相になった人ですから。
 ドロの中をはうドジョウのように刻苦勉励(こっくべんれい)、一歩一歩ここまで来たというようにしゃべったら、日本の庶民にはウケるだろう…。
 きたない、というよりむしろ、いやしい下心。
 それにしても、まあ、日本の国民のほとんどが(もちろんぼくも含めてです)その三文芝居にあっさりだまされたんですから、おひとのいいこと…。

 こんな悪法、ぶっつぶさなければならんでしょう。
 もし自民党がぶっつぶすほうに回るなら、ぼくは民主党から自民党へクラ替えです。
 仲間からヒヨリミって言われたって、かまいません。
 背に腹が代えられるものですか。 

カッコよく脱原発いったけど―なんで菅さん腰砕け

2011-07-17 18:52:00 | セイジ
 菅首相がはっきりと「脱原発をめざす」と記者会見で言って。オッ、と思わせたんですけどね。
 民主党議員もやっぱりヘナチョコが多いんですね。
 脱原発へ続こう、という人がもういない。
 民主党内部の権力抗争にみんな浮足立ってしまっている。
 定見のない烏合(うごう)の衆なんですね、民主党も結局は。
 菅さんも舌の根が乾かないうちに「あれは私の個人見解でした」とたちまち戦線縮小。

 政界もそれを取り巻くマスコミも、もう小ネズミの集団みたいなものですね。
 ワイワイやかましく言うけれど、みんな核心からは逃げている。
 ズルいのは共通していて、カッコをつけることだけは忘れない。

 7月16日付けの読売新聞社説。
 「首相は脱原発への、夢のような構想を語っている場合ではない」

 7月14日付けの朝日新聞の論評。
 「首相はそれ(脱原発への具体的な方法とそれを支える根拠)をまったく示さなかった。これでは国民はついてこない」(東京・科学医療エディター)

 危機を乗り越えるのは、過去のワク組を超えた「夢のような構想」でしょうに。
 首相はまず「鈴をつけろ」と命令するのが仕事でしょう。
 肉付けはブレーンやスタッフがやればいい。

 「国民はついてこない」というその「国民」とは、だれのことをいってるんでしょう。
 菅さんがハラをすえたら、国民のひとりであるこのぼくはとことんついていきますよ。
 「国民」のなかにそういう人はけっこう多いんじゃないですか。
 朝日新聞の社員のなかの「国民」にだってそういう人はいるでしょう。
 それとも「国民」って、この記者さんが属している部の部員のこと?

 みんなでワイワイいってるうちに、危機だけは着々と広がり、深まり続けている。
 放射能の汚染から逃れられる人なんて、日本の四島にはだれもいません。
 なにも驚くことはありません、それが原発災害のごく当然のなりゆきです。
 こういうことになる、このこれが、原発事故というものです。
 
 しかし、菅さんという人、ここぞというときに腰が引けてしまうんですね。
 いずれにしても首相としてはもう風前の灯なんですから、自分の信じる方向へスパッと進めばいいですのに。

菅さん、事実上の白旗

2011-07-10 19:00:00 | セイジ
 菅さんが原発を争点に国会解散はしない、と言い切ってしまいましたねえ。
 最後の切り札を自分から捨ててしまった。
 もう終わりですね。

 結局、松本復興相の任命が命取りになりました。
 あれで党内がバラバラになってしまって、もう解散・総選挙のエネルギーもなくなった。
 事実上の白旗ですね。

 しかし、電力会社の腐り方はもう救いようがないですね。
 今度は九州電力でしょう。
 原発の再開を九州の人々が望んでいるようにみせかけるため、下請けの会社の社員たちに大量の賛成メールを出させていた。
 九州電力はこういう手をこれまでも使ってきていたようですね。
 オクの手が今度ばかりはバレちゃった。

 社長や会長は、自分たちトップは知らなかったとシラをきっていますけど、代々使われてきたオクの手をいまさら知らなかったって言ったって、そりゃあ、信じるほうがバカでしょう。

 原発の建設・運営には自民党政権いらいの政府が巨額の補助金(結局は国民の税金)を出し続けてきてますねえ。
 原発が造られた地域の住民にも多額の金がばらまかれてきています。
 金まみれの原発事業ですからねえ。
 腐らないわけがない。
 気高い起業家精神とか、高い企業倫理とかからは一番遠いところにいる。

 そんな腐敗企業が世界で最も危険な核産業をやっているというこの皮肉。
 いったん事故が起こったらどうなるか、それはもう東京電力にいやというほど見せられている。

 しかし菅さんのあとの首相がだれがなっても、原発には今より甘くなるでしょう。
 原発災害のこの悲劇的な現状を見て、なおかつ原発を維持するなんて、ふつうの心で考えれば、これはもう狂気の沙汰(さた)ですけどねえ。
 狂気の沙汰へ復帰していくことになるでしょう。
 
 一千年後にはまた今回と同じような大津波が襲ってくるという計算ですが、そのころ日本という国はもう無いんと違います。

無礼傲慢な松本大臣―菅首相の命取りに

2011-07-04 21:59:00 | セイジ
 ひどいですねえ、あれはひどい。
 復興担当大臣の松本さんのことですよ。
 被災二県の知事さんたちへの、あの無礼な態度。

 「知恵を出すやつは助けるが、知恵を出さないやつは助けない」
 まるで小さな町工場のオヤジさんが、酒を飲みながら新人に説教するような。
 それも、知事さんを見くだすような傲慢(ごうまん)な口調で。

 被災地の知事さんたちがどれほど必死に復興に当たっているか、ふつうの心をもつ人なら自然に想像できることでしょう。
 これは政治家以前の問題。
 人間性の問題。

 こんな思いやりのない大臣に被災地の復興ができるものか。
 復興とは、人間の復興ですからね。
 究極的には心の復興。

 なんで菅さんはこんな人を大臣に選んだんでしょう。
 やっぱりワキが甘いんですね。

 これは菅さんの命取りになりますよ。
 がっかりですね。

菅さん、解散・総選挙へ決断を―原発国民投票へ

2011-07-03 17:53:00 | セイジ
 脱原発のことはマスコミも正面から書くのを避けていて、ぼやけたものになっています。
 最初は威勢(いせい)よく脱原発を説いていた新聞も、どんどん言い方が弱められて、今はもうヨレヨレです。
 カッコばかりの日本のマスコミのいいかげんさが、またしても表にはっきり出てきました。
 こんな記者たちがかつて日本を戦争へ巻き込んでいったのです。

 けれど、原発災害の発生からそこそこの時間がたって、おのずと全体の見取り図が見えてきました。

 電力会社は原発擁護(ようご)を貫こうとますます態勢を固めています。
 強硬な発言を繰り返す関西電力の八木社長を旗頭に、「国民が苦しむのは原発が動かせないからだ」という論法を全面に押し出して、反原発の流れを封じ込める構えです。

 原発を地元にもっている町村のほとんども、今ははっきり原発擁護を出しています。
 地域振興には原発から得る金が欠かせないというのです。
 人の命より経済のほうが大切だという論理です。
 大阪府の橋下知事が「それは本末転倒だ」と批判した論法です。

 さて肝心の政界はというと、ここもおおむね輪郭が描けるようになりました。
 自民党は原発を推進してきた張本人ですから、これが原発擁護なのはむしろ当然のことでしょう。
 問題は民主党ですが、大半の議員はどうやらはっきりと立場を表明したくない雰囲気です。
 ぼかしておくほうが保身のために安全だと、そういう本能が働いているのでしょう。
 マスコミのずるさと似ています。

 そんななかで比較的明快に見える唯一の政治家が首相です。
 脱原発への道しるべになるエネルギー法案にかける姿勢は、ほんものと考えていいでしょう。
 周りがみんなへっぴり腰でいるときに、首相ひとりが突出しているというのは少々異常な光景ではあるのですが、それがつまりは菅流なのかもしれません。
 しかし、脱原発に未来への夢をたくす国民にとっては、菅さんひとりが頼りです、という構図にますますなってきています。

 自民党と民主党のどちらに政権担当能力があるか、というようなぼんやりした争点で国会解散がやられるのなら、そんな解散はまっぴらです。
 どっちがやっても復興政策に大きな差が出るわけではありません。
 しかし、脱原発が争点なら、むしろ解散・総選挙に踏み出すべきだと思います。
 これはこれからの国づくりの根幹をどうするかという、今最大の緊急の課題です。
 国民すべてがかかわって早急に決定すべき問題です。
 原発解散と総選挙は国民投票としても最重要な意味を発揮することになるでしょう。

 かつて小泉さんは郵政民営化に絞って国会解散と総選挙をやりました。
 郵政という個別の問題で解散までするというのは、常識はずれの強引なやりかたでした。
 しかし今度の原発解散は、もし実行されるならまさしく国家的問題をめぐって行われるわけですから、大義もじゅうぶんあるわけです。

 あとは菅さんの決断です。 

解散・総選挙なら、脱原発を争点に

2011-06-26 19:31:00 | セイジ
 首相の菅さんは一日に何度となく解散・総選挙のことに思いをめぐらせているでしょうね。
 むろん、そんなことはオクビにも出しませんが。

 マスコミの中にも、解散・総選挙で国民の信を問え、という意見が出始めました。
 いまのところ、おもに自民党寄りのところから出ていますが。

 東日本大震災や原発災害のこの緊急時です。
 政治屋たちの権力闘争のお先棒をかつぐような、そんな総選挙に巻き込まれては、国民はたまったものじゃありません。

 ただ、これを争点に解散・総選挙が行われるのなら、それは国民も納得できるというテーマが一つだけあります。
 これが争点の中心に据えられるのなら、そういう解散・総選挙はむしろ望みたいという、そういう争点です。

 ほかでもありません。
 「脱原発」です。
 巨大な災害が今まさに進行中の、火急のテーマですからね。

 今の政争の根源に原発問題があることは日に日に明確になってきています。
 原発推進を守ろうとする議員たちと、原発批判を進めようとする議員たちの対立です。
 
 菅さんが原発批判の側に傾いていることは、これはたぶんもう見た目の通りでしょう。
 東京電力がなんとか隠そうとしている災害の現実を、枝野さんとのコンビで曲がりなりにもコジあけてきた、その努力は国民のなかにもジワジワ浸透してきています。
 ウチのカミさんなんか、はじめはまったく菅不信派だったのですが、最近になって大いに意見を変えました。
 「最初から今くらいはっきりモノを言ってたら、わたしも応援してたのに」
 原発への菅さんの対応が彼女の評価を変えたのです。
 
 自民党総裁の谷垣さんが脱原発を唱えたら、これはまったくのお笑いです。
 しかし菅さんが脱原発を標榜(ひょうぼう)したら、国民の大半がこれに共感するでしょう。
 いままで何をしてきたか、それがものをいうのです。

 脱原発に関するかぎり、自民党は身動きがとれません。
 原発は自民党の原罪です。

 どうでしょう。
 脱原発に賛否を問うという、今最大の国民的な緊急課題で、菅さんが解散・総選挙に踏み出しませんかね。
 原発解散はきっと小泉さんの郵政解散どころじゃないですよ。
 たぶん一発逆転、民主党の歴史的な大勝になるでしょう。
 国家の基盤を構築しなおした首相として菅さんの名も日本の歴史に残るでしょう。