しゅぷりったあえこお nano

ブログ版 シュプリッターエコー

神・中の明暗きめた3ミリの差

2010-09-26 19:00:00 | 阪神タイガース
 タイガースの優勝は99.99%なくなりましたが、対ドラゴンズ最終シリーズの3連戦(ナゴヤドーム)をつぶさに見て、敗北を納得しました。
 守備の差が歴然としたのです。
 天王山となった2戦目にそれが象徴的に現われました。

 試合は序盤にタイガースが先制機を迎え、マートン選手がライトへ決定的と思われる大きな当たりを飛ばしました。
 ところがドラゴンズの右翼手がまさしく超人的ともいえるスーパープレーでこれを好捕。
 あと1センチ右へ球が飛んでいたら、それどころかあと3ミリもずれていれば、タイガースの勝利がほぼ決まっていたという、決定的なプレーでした。

 そして今度は9回裏、ドラゴンズが1アウト満塁の大チャンスを迎えました。
 そこでドラゴンズの代打が打った球は、一塁ゴロ。
 だれもがダブルプレーだと思った次の瞬間、タイガースの一塁手が高い球をホームベースに投げてしまい、これを捕手が取れずに、サヨナラの1点をもぎ取られることになったのです。
 一塁手の投球が、投げる瞬間に手元でおそらく3ミリほどずれた、その結果の明暗でした。

 優勝に深くかかわる一戦となって、タイガースの選手もドラゴンズの選手もガチガチでした。
 プロの選手でさえこんなになるのかと思うほど、両軍ともバットがまともに振れないのです。
 すさまじい精神的な重圧のなかで、試合はけっきょくどれだけ守れるか、守備力の闘いになりました。
 そしてたった一回のファインプレーとたった一回のエラーの差が、つきつめればたった3ミリの極微の差が、天王山の一騎打ちを決めました。

 落合監督は、少しくらい打撃がよくても守りの悪い選手は一軍で使わないという守備優先の姿勢でこのペナントレースを戦ってきました。
 一方の真弓監督は、少々守備が悪くても、打撃がよければ目をつぶって使うという打撃優先のセオリーで戦ってきたのです。

 それぞれのチーム事情もあることで、どちらが良くて、どちらが悪いというような問題ではありませんが、守備のチームが最終局面で打撃のチームを凌駕(りょうが)した、その結果は事実です。

 選手の体が固まってしまうような厳しいゲームになると、守備力で切り抜けるほか方法がないと、そう思い知らされたシリーズでもありました。
 いやあ、ドラゴンズは立派、と今はそう言うしかありません。

 タイガースの残り9試合に、0,01%の逆転優勝をそれでもしつこく夢想しながら。
 おれもバカだなあ、と深く深く自嘲(じちょう)しながら。 

大試合で打てない新井選手

2010-09-21 19:33:00 | 阪神タイガース
 ここぞという大試合になると、新井選手がどうしても打てませんねえ。
 再三再四チャンスが回ってくるんですが、どうしてもコスッたような当たりしか飛ばせない。
 バッターボックスに入ったときから、もう腰がフワフワと浮いている感じなんですね。

 ほかの選手が打つときには、あとについてほかの選手以上に打つんですがね。
 ですから打率はけっこう高い。
 しかし四番バッターとしてここを切り開かないといけねいというときには凡退してしまう。

 やさしい気性のひとだと言われていますが、ゲームの中でまでやさしいというのは、プロの選手としてどうなんですかねえ。
 
 技術の力と精神の力の両方があって、選手の実力でしょうから、これは、どうも、しかたのないことかもしれませんが。

 金本選手とそこが決定的に違いますねえ。

優勝して金本を胴上げしよう!

2010-09-18 20:08:00 | 阪神タイガース
 デイリースポーツの記事によると、金本選手が先発出場を外れたのは、金本選手が自分から申し出たことだったそうです。
 やっぱりすごい選手ですね。
 金太郎アメにたとえては失礼かもしれませんが、どこを切っても、金本はやはり金本、凛(りん)とした金本が出てきます。

 金本がどれほど大きな貢献をタイガースにしてきたか、ぼくらファンはもう十分どころか、二十分にも三十分にも知っています。
 肩のケガからの回復に向けて、血の出るような努力を重ねていることも知っています。
 調子を取り戻そうと、ほかの選手の倍ものトレーニングを続けていることも知っています。
 だから、日々のゲームで金本選手がどれだけブレーキになっても、彼を控えに回せとはぼくらはよう言いませんでした。
 それはたぶん、タイガースの監督やコーチにとっても同じだったことでしょう。

 しかし、いちばん悩んでいたのは、その金本自身でした。
 そしてこの偉大な選手は、ついに自分で自分に断を下したのです。
 自分で自分を斬りました。
 タイガースの優勝のために。

 金本選手が代打に回ってから、今日で3試合目ですが、タイガースは2連勝です。
 しかも優勝戦線で最も重要な試合の一つと見られる今日の対ジャイアンツ戦(甲子園球場)では、代打に出た金本選手が二塁打を打って、それをこれもまた代打の桧山選手がタイムリーで返して、1-0で辛勝しました。
 ただ一回の出場で金本は大きな輝きを放ったのです。
 そしてタイガースをまぶしいくらいに輝かせてくれたのです。
 そういう金本にぼくらはまたいちだんと尊敬のまなざしを送るのです。

 タイガースの選手のみなさん。
 タイガースのファンのみなさん。
 優勝しましょう。
 優勝して、真弓監督の次に金本選手を胴上げしましょう。
 彼のプロ選手としてのすばらしさと、人間としての深さに敬意を示して。

真弓監督の大英断―先発外れた金本選手

2010-09-16 13:44:00 | 阪神タイガース
 15日の対ベイスターズ戦(横浜スタジアム)で、金本選手が先発メンバーから外されました。
 真弓監督には重圧のかかる決断だったでしょうし、タイガースのファンとしてもとても寂しいことですが、この時期のこの決断は、真弓監督の英断だったと思います。
 先のスワローズ戦では大チョンボを犯しましたが、今回の決断はそれを帳消しにするものです。
 15日の試合は負けましたが、これでチームが整って、優勝戦線へ立て直すことができるのではないでしょうか。

 さしもの金本選手も、肩のケガがまだ完治にはほど遠いのでしょう、先発復帰後もチャンスでの凡打が続き、むしろチームのブレーキになっていました。
 打てないこともさることながら、守りの弱さももろに出て、左翼へ打たれるとほとんどフリーパスで二塁を奪われていたのです。
 投手にも、左翼へ打たれたくないという意識が働きますから、それがピッチングの幅を狭める原因にもなっていました。
 
 ただ、これまでファンにいい思いをさせてくれた大選手ですし、復活へ向けて本人が血のにじむような努力を重ねていることもわかっていますから、いまになって先発から外すということは、あまりにもむごいことのように思えていました。
 金本選手の扱いを考えるということは、ファンには心理的なタブーになっていました。
 今シーズンは金本選手と心中することになってもしかたがないな、とぼくなぞはそんなふうに考えてもいたのです。

 ですから、金本選手を先発から外すなどということは、真弓監督にはできないだろうと思っていました。
 もしできるとしたら、ドラゴンズのあの非情な落合監督くらいだろうな、と。
 真弓さんはようしないだろうと考えていたのです。
 ぼくじしんは、どっちかというとようしないほうですし。

 しかしそれを真弓監督はやりました。
 もちろん、本気で優勝を狙うには、それが不可欠の手なのです。
 金本選手が攻守の両面で大きな弱点になっていたのですから、それを克服するのは指揮官としては当然です。
 真弓さんも追いつめられての上のことでしょうが、大きな勇気をふるいました。

 タイガースはこれでつっかえていたものが取れるでしょう。
 遅きに失したかもしれませんが、しかしどこまで巻き返せるか、そこにはまた楽しみも出てきます。
 ジャイアンツとドラゴンズに連勝するようなことになったら、わかりませんよ。

 もちろん、金本選手には肩をしっかり治して、以前のように活躍できるときが早く来るよう祈っています。
 ぼくらは、かれがどんなに偉大なことをしてきたか、それを決して忘れません。
 彼は大きく傷ついているでしょうが、その傷はぼくらもじぶんのことのように感じています。
 復活を、せつに、せつに、祈っています。

 それに、金本選手はベンチにいても、選手たちの大きな精神的支柱ですし。
 もちろんファンにとっても大きな精神的支柱ですし。

真弓監督の大チョンボ

2010-09-11 17:23:00 | 阪神タイガース
 ペナントレースもいよいよ大詰めを迎え、さあラストスパートというところに来て、真弓監督が大チョンボをしてしまいましたね。
 9月10日の対スワローズ戦(甲子園球場)です。
 好投してきた久保投手を7回にきてとつぜん福原投手に代えました。
 福原投手といえば、タイガースファンなら100人が100人ともダメなピッチャーとみている選手です。
 案の定、いきなりホームランを打たれて同点にされ、あっさりと逆転にまで運ばれてしまいました。
 なんで交代させたのか、なんで福原だったのか、だれも納得できないまま、最後は4-7の完敗でした。
 これで首位からも転落です。

 一シーズンなかなかの戦いで来ていながら、最後の最後になって監督がバカな手を打って優勝をのがしてしまう、そういう場面を何回みてきたことでしょう。
 弱気という悪魔に一瞬魅入られるんですね。
 たった一回のミスが、ここというときに出てしまうとチームのリズムが崩れてしまう。
 もうガタガタになってしまう。
 自分から運を手放してしまうんです。
 
 今年もダメかもしれませんね、タイガースは。

 最終局面の極度の緊張は1位を奪ったドラゴンズも同じことで、ですから、落合監督がこの先どこかで真弓さんと同じような大チョンボをやってくれれば、挽回(ばんかい)の可能性も出てくるでしょうが、落合さんはなかなか堅いですからねえ。