しゅぷりったあえこお nano

ブログ版 シュプリッターエコー

楽市楽座

2021-05-31 10:35:00 | 都市
5.30

勿体ないという言葉は物に執着してしまう煩悩に違いない。

近所のガソリンスタンドが軒先で「楽市楽座」と銘打った長机を設置した。まだ使えるけど使わなくなった物や、ただ捨てるには惜しい物は、他の人には価値のある物かも知れない。そんな物品を長机の上に置いておけば、2〜3日の内には無くなっている。私も祖父母宅にあった伊賀焼の花瓶を置いたところ、翌日にはもう誰かが持ち帰った後だった。フリーマーケットのように収益は発生しないが、家の中から不要な物が出て行くだけで煩悩が一つ消えた気になる。

執着に引導を渡す場として「楽市楽座」。ガソリンスタンドの店主の心意気に感謝している。




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桃栗三年柿八年 椿もどうやら七、八年?

2020-05-03 18:03:00 | 都市
今から7年前、こどもを幼稚園に送り迎えしていた頃、たくさんの椿の木が植えられている小道を毎日通って通園していた。

瑞々しさを感じる艶やかで深い緑色の葉。
透明感のある花びら。黄色い糸のような雄しべが筒状に集まっているその可愛らしい姿。

椿の木達は日陰に楚々と慎ましく植わっているのだが、白に赤を散らした大輪の花をつけていたり、幾重にも重なる品の良い薄い桃色の花びらをお椀の形に整えて咲いていたり、花々を溢れんばかりに咲かせて壁のような生垣になっていたり、姿形もそれぞれ違ってたいへん魅力的である。



そんな素敵な小道を通りながら、実は私は虎視眈々と狙っていたのである。そう、眺めるだけでなく手に入れたくなる強い欲望をかきたてられていたのだ…!
花はたくさん咲いているからといって摘んでいいものでは断じてない、と思っている。
挿し木とか言って人んちに咲いた花の枝を切って自分ちに移植してる方もいらっしゃいますが、された方としては毎年咲いてるのを見る度に何だかちょっと釈然としないものです。
しかし手を出して許されるものが唯一あるんじゃあないかな、とも常々思っていて、何かと言うとそれは種子。実の状態もやはり手を出してはいけなくて、からからに乾いたタネがもうすぐ地面に落ちますよ、あるいは落ちている、その状態の種なら手に入れても構わないのではないかという、マイルールに則るわけである。だって落ちてるもん。ほっとくと芽吹いちゃうから。すでに芽吹いてるやつがほらあっちにもこっちにも。

日時を見計らったある日、団栗を拾うかのごとく落ちまくっているタネを園児に集めてもらい、一目見ただけでそのタネの価値がわかる保護者にも「おっいけるクチですね」みたいな調子でそれを譲り、何種類かのタネを手に入れた。

拾った椿のタネは水に沈めておくと発芽率がいいと教えて貰い、小さな庭に植えて今年で7年。毎年葉のみを愛でる形になっていたのだが、ようやく、ようやくひとつだけ蕾をつけたのである!
しかし咲く前に何かに食べられてしまった。僅かに残った花色の部分からみて私のいちばん欲しかった椿ではなさそうなのだが、来年は無事に咲かせられたら、と思う。


さな



自転車とか(寒い日の日記)

2019-02-21 23:59:00 | 都市
だいたい10年ごとぐらいに自転車を乗り換えているでしょうか。
いま乗っているGIANTがあちこちガタが来てるので(自転車屋さんのお兄さんに前輪のリムが破裂寸前ですと脅されたり)、もうこれ以上パーツごとの修理でお金をかけるよりはと「新車」を買いに行きました。伊丹へ。

初めて行ったお店でしたが、割合にすぐに決めて、乗って帰るのもOK。でも組み立てるのに時間がかかるということで、3時間ほどぶらつくことに。

西宮から宝塚にかけて多いように思う、こういう駅のあたりの感じが結構好きです(大阪はあまり知らない)。

近くには大手前大学も。

キューピーの敷地と敷地のあいだの細い道。

このあたり歩いてるときは頭の中でずっと「キューピー3分クッキング」のテーマ曲が流れてましたね。

いまはここではもうマヨネーズ作ってないらしいです。敷地内で巨大な建物が建設中で、調べてみると、これまでタマゴ割るとこと加工するとこが別だったのを、ここで一貫してやる、そういう工場ができるらしい。2020年操業開始予定。ふんふん。出来上がったら工場見学に来てみたいものです。てか、その前に東灘に神戸工場あるじゃん。

キューピーのこのころのテレビコマーシャルは、小さいときみて印象的でしたね。風邪で休んだ日なんかにひとりでボーッと。
アオハタのCMはずっと好きです。

そういえば伊丹には自衛隊の駐屯地あるんでしたね。

ボンベ萌え。

鉄塔萌え。手前は新幹線の高架。

萌え~。

萌え萌え~。

さてそろそろと、お店に戻り、自転車を受け取りました。
今回はGIOSです。GIANTの前はMERIDAでした。あんまりこだわりはありません。
自転車屋のお兄さん「神戸のそのあたりだったら1時間もかからないで帰れますよ、イナイチ(171号線)に乗ったら」
そうですね、イナイチで行ったら。って分かった感じで答えましたが、ここがイナイチかな? と乗ってみること数度、実はどれもイナイチではなく、結局イナイチの恩恵にあずかることはなく。
いや、前に京都から帰ってきたときは確かにイナイチ乗ったんですけど、いーんですよ別に、帰れれば。何ですか、イナイチ乗るのがそんなにえらいんですか? ハイハイ、そうです、僕なんてイナイチって言いたいだけですから。ハイハイ、もうスッキリしましたから!



今回の帰路のハイライト。武庫川越え。

なんか西宮北口のとこに流れてる川。温泉街っぽい風情がないこともありません。いや、やっぱりありません。

夙川にかかる味わいのある石橋。

夙川沿いは桜の名所なんですね。今日も行きの電車の中でオバちゃんが話してました。あるときから花見客相手の露店がなくなったんですって。それがとてもいい、と。
もう一ヶ月ちょいで桜の季節か。

小さな踏切。

阪急甲陽線ですね。

お二人とも現役ご苦労様ですって感じの。

あとは芦屋川越えて、住吉川越えて、石屋川まで来たら、もう庭の感覚です。
自転車屋さんに「三ヶ月ぐらいしたら点検に来てください」って言われたので、その頃にはあったかくなってるだろうし、また阪急沿線を走るのいいな、と。

※   ※   ※


で、帰ってきて実家寄ったらですよ、最近ひとりになってしまった母が脚に包帯を巻いている。
どうしたのと訊いたら、数日前、道を曲がってきた自動車に後ろから脚をひっかけられたと。
言ってよ。買い物とか行けないでしょ。
完全にドライバーの不注意だとはいえ、どこかまだ地に足がついてないところがあるせいなのかなぁ、とか。
最近読んだヴォルテールの小説作品『ザディーグまたは運命』のいちばん面白い場面は、ザディーグが出会ったひとりの隠者が、泊めてもらった家の物を盗んだり、挙げ句の果てには家に火をつけたり、さらにさらにもっと残虐なことをしたり…しかし実はそれはその先の運命を見越した行いであって、という挿話(岩波文庫 植田裕次訳『カンディード 他五篇』で読めます。『カンディード』より『ザディーグ』の方がずっと楽しく読みました)。
母の怪我が軽かったのはまったく不幸中の幸いというものですが、そんな不幸が何か別の幸福の布石になってくれればいいのに。
まあ、塞翁が馬というやつ。
僕のは馬でなく、塞翁が自転車ですが、ウウ…今日も新しい自転車に相当緊張しながら帰ってきたけど、やっぱり自転車から落ちて脚折ったりしたくない…


(takashi.y)



コベリン

2016-11-15 02:20:00 | 都市
先日、コベリンを初めて利用しました。
と言ってわかる神戸市民はまだ少ないんじゃないでしょうか。
僕も、最近そこここでみかけるなぁと思いながらも、それが「コベリン」という名だとは知りませんでした。

正式名称は「こうべリンクル」? 通称が「コベリン」? ちょっとよくわからないのですが、たぶんそう。
部類としては「コミュニティサイクル」というんだそうです。
要するに、貸し自転車。
中央区内にいまは10か所、無人の拠点(サイクルポート)があって、スマホに送られてくる番号を入力して鍵を解除、街を乗り回すわけです。

事前の登録が必要で、僕は自宅のパソコンでやりました。
支払いのためにクレジットカードが必要です(拠点によっては交通系ICカードで払えるみたい)。
料金の体系は2種類あって、「最初の1時間100円、あと30分ごとに100円」というのと「1日500円」。
僕は「1日500円」の方で、結局3時間ほど借りました。

電動自転車です。いや、僕は初めて乗りました。確かにスーイスイです。
坂の街ですからね。確かに電動アシストはものをいいます。
新神戸駅のポートで借りました。そこの収容台数は18台とのことですが、僕が行ったときは3台だけ残ってました。日曜日だったので利用者は多かったのかもしれません。
バッテリーをチェックして、フル充電のものを選んで借りて、返すときは残量が確か30%でした。

こういうものが増えればいいと思いますが、それはそれとして、自転車のレーンをもっと整備してほしいなと思います。
車道を走るのがこわい道路が多いです。こわいので歩道に上がると、最近は車道を走れと怒られることが多いです。
自転車専用レーン、僕の知ってる限りでは中央図書館の南側の道路に、短い区間ですが理想的な感じのがありますね。あんなので街じゅう走れたらいいのに。
狭い道路も多いですし、なかなか難しいとは思いますが。

神戸の市民が夢の芸術基金…助成決まる

2016-06-26 21:14:00 | 都市
 街の人ひとりひとりがお金を出し合って芸術家の活動を助けていこうという夢のような市民基金が現実に神戸の街で働いています。
 神戸文化支援基金(略称こぶし基金、公益財団)と呼ばれています。
 2009年に始まって、ことし16年度の助成11件(総額200万円)も決まりました。
 2月23日に神戸・北野坂のオフィスDOで選考委員会が開かれて、9人の委員が20件の応募をめぐって真剣に議論を交わしました。
 「先験性・実験性」「計画性」「社会性」の3本の柱を軸に討議を重ね、最後に各委員が個別に採点をおこなうという方式がとられました。
 その結果、合計点の上位10件および枠外から特別助成の1件が選ばれました。
 あたらしく応募をめざしている人びとの参考のために、その11件の概要をまとめました(カッコ内は総合得点=45点満点=と助成額)。

▼画家・木下佳通代の作品保存プロジェクト(45点、12万円)
 1994年に55歳で他界した画家・木下佳通代の作品のデータベースの作成など。木下さんは女性の作家としては珍しく「存在」の根源に迫ろうとした作家で、近年再評価の機運が高まってきています。
▼芸術家の共同体C.A.P.(芸術と計画会議)が取り組む「See Saw Seed」プロジェクト(43点、20万円)
 ドバイ、トゥルク(フィンランド)、ハンブルグ(ドイツ)などでも神戸のC.A.Pと同じように芸術家たちの共同体が活動を続けています。それら3都市と神戸をつないで、芸術家たちの相互訪問および現地制作、市民との交流などを繰り広げようというものです(2016.5~2017.2)。
▼西宮船坂ビエンナーレ2016(43点、20万円)
 西宮市郊外の船坂地区に作家や美術館の学芸員たちが長期滞在を続けながら、制作や展観、シンポジウムなどの芸術活動を行なおうというものであう。旧船坂小学校や古民家が活動の舞台になります(2016.6~11)。
▼藤田佳代舞踊研究所の舞台公演「創作実験劇場」(43点、20万円)
 藤田佳代舞踊研究所は長年にわたって神戸のモダンダンスを切り開いてきたカンパニーです。この研究所のベテランから若手までのダンサーたちがそれぞれにオリジナルな新作を振り付けて舞台にかける試みです。「破る」というユニークなテーマで8作品が初演される予定です(2017.3.11 東灘区民センター)
▼神戸・長田の駒ケ林町で行われる下町芸術祭のプレイベント「下町アセンブリー」(43点、20万円)
 古民家「角野邸」を中心に近くの空き家など5棟を活用して、芸術作品の制作、展示ならびに地域の人びとを巻き込んだワークショップやトークセッションなどを行います。はじめは街おこしに主眼を置いていた商店や工場の社長さんたちが今では立派な芸術愛好家に変身しているということです(2016.10.29~11.6)。
▼ドイツのブレーメンから現代美術家・アンニャ・フースバッハさんを神戸に招き、制作・展観・トーク・ワークショップを繰り広げる(43点、20万円)
 フースバッハさんはミクストメディアによる立体造形はじめインスタレーション、写真、映像、版画、刺繍、パフォーマンスなど幅広い領域で活動する作家です。1カ月の滞在中に展覧会、トークショー、ワークショップなどを繰り広げます(2016.4.19~5.15 C.A.P.)
▼世界の4都市を結んで「時差」をテーマにした作品の制作と展示を行なう(41点、20万円)
 地球上の場所の違いで生まれる「時差」。そこで経験する感覚の微妙なずれ、ひずみを汲み取り、芸術作品に結晶させようという試みです。美術集団アートビースティーズ(ART BEASTIES)のメンバー11人がシアトル、ニューヨーク、東京、神戸の4都市をつないでコラボレーションを行ないます(2016.5.30~6.5 兵庫県立美術館ギャラリー棟)。
▼狂言師・善竹忠亮さんによる「三番三」の無料公演(31点、20万円)
 京阪神3都のなかで神戸の能・狂言活動は、豊かな人材をもちながら往時のような熱気を失ってきているようです。善竹忠亮さんのこのプログラムは新年を寿ぐ名舞台を神戸の市民的な行事に定着できないか、熱い願いを込めての企画です(2017.1.28 湊川神社の神能殿)。
▼j.a.mダンスシアターの新作公演「アイムファイン、アンドユー?」(29点、20万円)
 j.a.mは近畿大学の芸術学科で舞踊を教えている相原マユコさんと森井淳さんが中心になって活動を繰り広げているコンテンポラリーダンスのグループです。関西の舞踊文化の発展へ意欲的な新作が期待されます(2017.2.25~26 神戸・新長田のアートシアターdB)。
▼目黒大路さんの舞踏作品「Fragments」(仮題)の上演(27点、20万円)
 敗戦(1945年)から今日までの日本の移り変わりを、特に女性の存在を通して振り返ろうというものです。戦後に生まれた女性たちの人生、思想、そして身体を舞踏によって視覚化し、そこから現代を考えます(2016.11.26~27 アートシアターdB)
▼アール・ブリュットに焦点を当てた展覧会とミニコンサート(選外、8万円)
 美術教育のシステムにとらわれない知的障害者たちの闊達な作品が、多くの人びとの心をも自由へと解き放っています。これらアール・ブリュット(生の芸術作品)を集めて展覧会とライブ「壁がなければ」をおこないます。「拠り所のないものの居場所を作る」ことを目標に、将来は小さな農園を併設した美術館を作りたいと願っています。最初の選考では枠外になりましたが、その後の再討議でさらなる展開へ期待を込めて助成することになりました(2016.6.3~12 神戸・アートスペースかおる)。

 なお神戸文化支援基金は、行政や企業の支援とはまったく別に、市民ひとりひとりの個人的な寄付によって運営されています。
 芸術への愛だけで成り立っている、現代にはまれといっていい純粋な基金です。
詳しいことを知りたいかたはホームページがありますので、検索してください。
 問い合わせの電話またはファックスは078.262.8058(ギャラリー島田内の基金事務局)

まだ後退続く? マクドナルド

2015-12-27 21:29:00 | 都市
 マクドナルドの後退が神戸でも目立ってきたようです。

 一週間ほど前に三宮センター街のオーエスドラッグでグルコサミンを買ったついでにマックへ寄ろうと思って、国際会館の南向かいまで行ったんです。
 ところがマックがもうなくなっていたんです。
 この店のハンバーガーには少々粗雑なところがありましたが、お客さんは結構はいっていたんです。
 お昼から午後4時ごろまではいつもいっぱいだったと思います。
 まさかここが閉めるなんて夢にも思いませんでした。
 しかたなく近くの地下鉄まで下りて、コンコースの喫茶店でまあまあのコーヒーとまずいホットドッグでがまんすることになったんです。

 それできょうは新神戸から北神急行で谷上へ出て、谷上駅の構内のマックをめざして行ったんです。
 ところがなんてこと、ここも閉まっていて、それでまた三宮へ戻ってきて、高架下のマックで食べることになったんです。
 ちなみにメニューは、ダブルチーズバーガーのポテトセットをコーヒーで(シメテ630円)。
 そしてお土産用にテリヤキバーガーを二人分(割引クーポン券で計540円)。

 今の売り上げの減少は一時的なもののような空気ですが、ひょっとすると永続的な後退への一プロセスなんでしょうか。
 もうすぐ回復する、もうすぐ回復すると考えているうちに、ズルズルと後退が続いていって、ついには破局へ進んでしまうのも、まあ、よくあることですが。

人ごみのキャリーバッグは凶器です

2015-12-20 20:01:00 | 都市
 先々週の水曜日の昼過ぎのことですから、もう10日ほどになるんです。
 JR三ノ宮駅の南側の混んだ通路を歩いていたときのことなんです。

 前の方からキャリーバッグを引いた中年の婦人が近づいてきましてね。
 後ろの方から同じように中年の婦人がこれは急ぎ足で近づいてきましてね。
 ちょうどぼくの横で行き違うことになりましてね。
 行き違いしなに後ろから来た婦人が、前から来た婦人のキャリーバッグにつまづくことになりましてね。
 つまづいてバタッと倒れるそのときに、体のどこかをぼくの脚の、弁慶の泣きどころのその近くに思い切りぶつけることになりましてね。
 アタタタタ。
 たまらずぼくはそばのベンチに屈みこんでしまうことになりましてね。

 バタッと通路に倒れた婦人はどうやらケガはなかったようで、すぐに立ちあがることができましてね。
 キャリーバッグの婦人は起きてきた婦人に盛んに「スミマセン、スミマセン、おケガはなかったですか」と高い声で謝りましてね。
 倒れた婦人も「いえ、ダイジョウブです、ダイジョウブです」とこれも盛んに高い声で答えてましてね。
 まだまだ声を高めながら何回も何回も同じ問答を繰り返していましてね。
 その間、ぼくは動くに動けず、ウーンとうなって、ベンチにしゃがみこんでいましてね。
 けど二人の婦人はぼくなんかにはまったく無関心のまま、依然ゴメンナサイとダイジョウブを繰り返していましてね。

 キャリーバッグの婦人がベンチのぼくを一度だけながめることはながめましたが、
 あんた、そこで何してんのん、
 という顔で。
 なんか邪魔者を見るような目でしてね。

 で、ふたりはたぶんもう言い交わすことがなくなって、ちょっと頭を下げ合って、それから右と左へトコトコ別れていきまして。

 ぼくは残って、痛みを懸命にこらえ続けていましてね。
 するとヘビがカエルを呑んだみたいに、そこのところが膨らんできましてね。
 内出血の兆候がどんどん現われてきましてね。

 こいつは困ったことになったなあ、と思いながら、こんなことを考えていましてね。
 もしあの婦人がぼくにぶつかっていなければ、婦人はそのまま前のめりにベンチに向かって突進して、ベンチの足のあたりに頭から突っ込んでいたろうな。
 そしたら大変なケガになっていたかもしれないな。
 はからずもぼくはクッションの役割をして、婦人を助けていたんだな。
 …と。

 
 でも、そのぼくはけっきょく電信バシラ並みの扱いで。

 まあ、世の中とはおおむねそうしたものでありまして。
 傷つけられたことは、十が十ともわかるけど、助けられたことは、たぶん二つもわかればいいほうで(まあ、それはぼくもそうですが)。

 で、その足、まだ腫れてましてねえ。
 まだ痛みが続いてましてねえ。
 二か月ほど前に足首の骨にヒビが入ったその同じ左足でしてねえ。
 ひとつが治ったらまたひとつ。

 みなさん気をつけてくださいよ。
 人ごみのキャリーバッグは凶器です。

市バスで肩を痛めました

2015-09-20 09:03:00 | 都市
 きのう(19日)の午後のことなんです。
 三宮センター街の東口で市バスの青谷線(2系統)に乗ったんです。
 座席に着こうとしたとたんに、予告もなく急に発進しましてね。
 体を振られたものですから、その拍子に手すりをつかんでいた腕がねじれて、イタッ、左肩をひどく痛めてしまいました。
 左肩はことしの春先にも痛めましてね、それが今月のはじめに治ったばかりだったんです。
 7か月も苦しんで、やっと痛みから抜けられたと思っていたら、また逆戻りというわけです。

 神戸の市バスはここのところ、全体的にはとてもよくなっているんです。
 同じ青谷線でもぼくがよく利用する摩耶ケーブル回り(18系統)などは、もう完璧といっていいほどです。
 むろん発車には運転士さんが忘れず予告してくれます。
 そして車内の乗客たちが座るにしろ立つにしろ、しかるべき場所に落ち着いているのをしっかり確かめてから発進します。
 停車のときも、バスが停まってしまってから降車客が立てるように、じゅうぶんに時間をとってくれます。
 なかには乗客ひとりひとりに、乗車ありがとうございました、と声をかける運転士さんさえいるほどです。
 そういう運転士さんには、乗客たちも、ありがとうございました、ときっちりお礼をかえして降りています。
 以前の暴走バスのイメージはもうまったくありません。

 ただ、きのうの2系統の運転士さんだけは、ずっと無言で、あたえられた路線のあたえられた時間に、あたえられた義務を、ただ仕方なしに果たしているという雰囲気でした。
 乗客のことに気を配っているけはいなどまったくありませんでした。
 神戸市バスが全体としてずいぶん市民にやさしくなっている最近の傾向には、交通局内部の大きな努力が想像されるのですが、なかにはまだそんな運転士さんんもいるんですね。
 この肩のつらい痛みをあの運転士さんに言ってやりたいほどですよ。

口先だけの神戸市バス

2014-07-12 19:12:00 | 都市
 先月の19日に神戸市バスへの苦情を書きましたが、きょうもまた苦情です。

 バスの中ではいつもこういう放送をしているんです。
 バスがちゃんと停まるのを待って、それから座席をお立ちください、と。
 ところが、実際にバスが停止してから立つと、ほとんどの場合まず間に合わないんです。
 いさいかまわず、運転士さんがバスを発進させてしまうんです。

 きょうもそうでした。
 ぼくは三宮から乗って、野崎通3丁目で降りるんです。
 梅雨の時期には腰痛がひどくなるでしょう。
 それできょうはバスの放送通りに停まってから立ったんです。
 ところが運転士さんは先の客一人が降りてしまうと、ぼくのことなんかお構いなしに、早々にドアを閉めて、バスを発進させたんです。
 「あっ、すみません、降ります」とあわてて大声をあげました。

 とうぜんバスはそこで急停車です。
 ぼくは前にのめって、運転席の後ろの柱にぶつかって、やっと体を支えました。
 おかげで、腰痛ばかりか、今度は右のふとももを痛めました。
 びっこをひきひき家まで歩く始末です。
 午後6時31分発の18系統のバスでした。

 いちおう注意の放送はするけれど、乗客がその通りにすると、こんなことになるんです。
 むろん中には車中の動きをしっかり見届けて、それから慎重に発進する運転士さんもおられることはおられます。
 しかし見たところ、そういうかたは10人に2人くらいだと思います。

 おおかたは形だけで、心なしです。
 口先だけのことなんです。

カフェ・サンタマリアのこと

2014-06-21 22:34:00 | 都市
 JR三ノ宮駅の南側の高架下にカフェ・サンタマリアという喫茶店があるんです。
 ホットコーヒーが230円。
 消費税が上がってからも、値段は上がっていません。
 がんばってくれているんです。
 買い物帰りの奥さんたちでにぎわっています。

 ここのタンドリーチキンがなかなかオツな味なのです。
 よく漬け込んだチキンにジャガイモを合わせて、それがパンにはさまれて出てきます。
 タンドリーはもともとインドが本場のようで、スパイシーの効いているところがまさに二重マルのゆえんです。
 コーヒーとのセットで550円。
 これは50円上がりましたが、こころなしか、すこしボリュームも大きくなったような感じです。
 味のことも考えれば、じゅうぶん許容範囲です。
 ぼくもお昼にしばしばこれをいただきます。

 きょうも少しワクワクしながらこのセットを注文しました。
 ところが、なにかしらきょうのは、いつもと違って食べにくいのです。
 味は期待どおりなのですが、かぶりつくと、パンと具のバランスが壊れて、中身が飛び出てくるのです。
 食べにくいうえに、形がどうもきたなく崩れてしまうのです。

 なんでこうなるのかと首をかしげているうちに、わかってきました。
 パンの切り方がこれまでと違っていたのです。
 いつもは切り口を斜めに入れて、ちょうど縦に細い台形をふたつ並べたようにして、テーブルへ持ってきてくれるのです。
 それで、細いところから順次太いところへとスムースに食べていけていたというわけです。
 それがきょうは、縦に垂直に切ってあって、二枚の扉を並べた形で運ばれてきたのです。
 ぐわっと大口をあけてかぶりつかないといけません。
 歯の弱いぼくのような老人には、食いちぎるのがこれまた骨の折れることなのです。

 食事というのはやっぱり出し方、食べ方、さらに雰囲気も合わせてまことにトータルなものなのです。
 ぎくしゃく食べなければいけなかったそのことで、きょうは30%ばかり満足度がそがれたような気がしました。

 おそらく厨房の担当者が替わったのでしょう。
 わずか包丁の入れ方ひとつのことですが、そこから客が感じるものはとっても大きなものなのです。
 客への心くばりがそこに見えるか見えないか、この落差は天と地ほどの違いになってしまうのです。

 あと3回くらい同じメニューを注文して、またきょうと同じ形で出てきたら、もうタンドリーチキンはあきらめようと思います。
 注文するときに、斜めに切ってくださいと言い添える手もありますが、これにはちょっと勇気が要りますね。、