しゅぷりったあえこお nano

ブログ版 シュプリッターエコー

魔が差した? 原監督

2010-04-30 23:14:00 | 阪神タイガース
 9回裏にワンアウト三塁・一塁のサヨナラのチャンスを迎えて、打順が2番バッターの平野選手に回ったとき、タイガースファンの多くは、これは点にならないかもしれない、と不安な心になったはずです。

 平野選手は全力でプレーに取り組むすばらしい選手ですが、ただここ一番のチャンスには弱いことを、タイガースファンならみんな知っているからです。

 希望は、平野選手がゲッツーを喰らわずに、凡打でも三振でもいいから、とにかく次のバッターの鳥谷選手に回してくれること、その一点でした。

 鳥谷選手も2アウトの大チャンスでは硬くなるでしょうから、あまり期待は持てませんが、それでも平野選手よりは打つ確率が高いのです。

 ところが、思ってもみなかったことですが、そこでジャイアンツの原監督は、マウンド上の越智投手に、平野選手を敬遠するように指示したのです。
 満塁策をとって、このピンチを切り抜けようという作戦です。

 驚きました。
 まさか、と思いました。
 大大大チャンスがむこうからやってきてくれたのです。

 タイガースファンは、たぶん、ここでサヨナラの勝利をほぼ確信したと思います。
 越智投手はますます追いつめられることになるでしょうし、それに鳥谷選手は去年のシーズン中に、越智投手をめっぽう打っているのです。

 案の定、鳥谷選手は越智投手の球を的確に打ち返して、一塁線を鋭く抜きます。
 みごとなサヨナラ打を放つのです。
 激闘のシーソーゲームをタイガースは4-3でものにしました。

 それにしても、原監督はどうしてあんな采配をしたのでしょう。
 強気の指揮で定評のある人が、どうしてあの一瞬だけ弱気が表に出たのでしょう。
 魔が差すとは、ああいうときのことを言うのでしょうか。

 タイガースファンとしては最高の勝ち方で、喜びはむろん大きいのですが、一瞬の判断の誤りの不気味さを、実感させられもしたのです。

 原監督のように冷静に戦局をみる人でも、今夜のような追いつ追われつの熱戦では、さすがに雰囲気に呑まれてしまう、そういうことがあるのでしょうか。

 もし今シーズン、タイガースが栄光を勝ち得るような、そんなことがあるならば、今夜の勝利は大きな分岐点として振り返られることになるのではないでしょうか。

選挙に勝つには、アオりにアオれ

2010-04-23 23:24:00 | セイジ
 舛添(ますぞえ)さんが自民党を出て、新党を結成しました。
 舛添新党がしっかりした政策をかかげて、無党派層の心をつかめるか、それが参院選で勢力を伸ばせるかどうかのカギになる、とそのように識者と呼ばれるセンセイがたは語っています。

 しかし、どうですかね。
 政策で判断するというような、そういう政治的能力がわれら大衆にありますかね。
 それほどわれらニッポンの大衆は、政治的にオトナになっていますかね。

 結局は政策より雰囲気と違います?
 ムードとか、人気とか、テレビへの露出度とか。

 あの偉大なヒトラー総統が言ってるじゃないですか。
 大衆というのはバカなものだ。
 大声でアオリ立てたら、やすやすと煽動に乗る。
 なかんずく同じことを何回も何回も繰り返してやればいい。
 そうすれば、煽動の効果はいっそう大きくなる、と。

 あのチョビひげの天才は、真実を突いていると思いませんか?
 ネエ、大衆のみなさん。

金本選手の偉大な決断

2010-04-20 18:11:00 | 阪神タイガース
 金本選手が偉大な決断をくだしました。
 不調の自分が試合に出てはブレーキになるからと言って、みずから出場を辞退したのです。
 全イニング出場を連続1492試合に伸ばしてきてのことです。
 こんな結末をだれが想像したでしょう。

 金本選手は肩の故障が深刻で、今シーズンは打撃にも守備にも精彩を欠いていました。
 いまの状態が続けば早晩、重大な判断を迫られるであろうことは、だれの目にもあきらかでした。

 ぼくは、真弓監督がどう出るか、そのことばかりを考えていました。
 10連敗くらいすれば、もうどうしようもなくなって、金本選手を4番から下げるだろうか。
 しかし、金本選手はフルイニング連続出場(世界記録)を更新中だから、ベンチというわけにはいかないだろう。
 6番か7番あたりになるのだろうか。
 それでも、監督と金本選手との間には気まずいものが生まれるだろうし、チームも暗くなるだろう、と…。

 ところが、驚いたことに、決断したのは金本選手じしんでした。
 18日の対ベイスターズ戦(横浜)の前に、このままではチームに迷惑をかけるので先発メンバーから外してほしい、と監督に申し出たのです。
 考え直してほしい、と言ったのは、真弓監督のほうでした。

 メンバー交換のあとでポツリと語った真弓監督の言葉には真情がこもっていました。
 「彼がいないのは、さびしい」

 そして、その夜、選手たちは燃えました。
 4番には金本選手の愛弟子ともいわれる新井選手が入って活躍。
 8-4の快勝でした。

 偉大な選手は、引き際も偉大です。
 元気なときは先頭に立ってチームを輝かせ、引くときもチームを輝かせ、監督を輝かせ、そしてファンを輝かせてくれるのです。

 ぼくは、じぶんの卑しい想像力を恥ずかしく思いました。 
 

ご機嫌のおぎゃあ子たち―岡本で能勢寛子展

2010-04-18 20:53:00 | 美術
 阪急電車神戸線の岡本駅かいわいは学生の町です。
 とりわけカジュアルな装いの女子大生が目立ちます。
 そんな通りに面した小さなビルの2階に喫茶ひとひがあります。
 その喫茶店で能勢寛子さんの展覧会が開かれています。
 家内と一緒に行ってきました。

 タイトルは「おぎゃあ子」。
 おぎゃあ子というのは、能勢さんオリジナルの手づくりの人形です。
 ちょっとキカン気のような、場合によってはギャアギャア泣きわめくかもしれないような、けれどとても甘えん坊のような、だれよりも保護を求めているような、そんな形をした赤ん坊、ひょっとしたら少女、あるいは成人女性の心の中にも生きている永遠の幼女なのかもしれないような、そんな形の人形です。

 いくつものおぎゃあ子たちが白い壁の高いところにぶら下がって、とてもご機嫌のごようすでした。

 なかでも目を引いたのが、能勢さんが最近発表を続けているコケット・シリーズ(…と、ぼくは勝手に名づけています)の新作です。
 火のように真っ赤な髪の毛、ふっくらとした顔立ち、長い切れ目、それからエロテックなアミタイツ…、色っぽくて、でもとてもかわいくて、ナイーブで。
 なぜか、1920年代のパリの街を彩った、アール・デコ調のドゥミ・モンド(高級娼婦)を連想しました。
 プルーストの小説に登場するあの豊麗なオデットみたいな(でも、オデットはまだアール・ヌーボーの女かな?)。

 ところで、喫茶ひとひは少し変わったお店で、日本茶専門の喫茶店です。
 日本茶にもこんなに種類があるのか、と驚きました。 
 家内はなんか、むずかしい名前のお茶とケーキを注文しましたが、ぼくは緑の色がとてもきれいな抹茶ぜんざいをいただきました。
 このような店があるのも、岡本の空気です。
 
 喫茶ひとひは、☎078.453.3637
 能勢寛子展は4月25日(日)まで(19日は休み)。
 24日午後6時半からはパフォーマンスも行われます。 

バートランド・ラッセル

2010-04-18 13:49:00 | 引用
 誰もが満たされて、貧困や病気がこれ以上ないほど少なくなったとしても、よい社会にするためにすべきことはまだたくさん残っているだろう。
 今のこの世界においてすら、心に対する善は、身体に対する善と少なくとも同程度には重要である。
 (哲学入門」 高村夏輝訳 ちくま学芸文庫)

鳩山首相はそんなにダメか

2010-04-16 23:04:00 | セイジ
 鳩山首相の人気がガタ落ちです。
 しかし、ほんとうにそんなダメな首相でしょうか。
 ぼくにはそんなふうに思えません。

 子育てのための本格的な支援制度とか、公立高校の完全無料化とか、自民党の歴代の首相では思いもよらなかった制度を早々とつくりあげたじゃないですか。
 水俣病の被害者の救済も、首相が自分の意志を強力に通したから、実現したわけでしょう。
 沖縄の日米密約だって、歴代の首相がヒタ隠しに隠し続けてきたものを、鳩山さんの登場でようやく明らかになったものですからねえ。

 沖縄の基地移転問題では苦闘が続いているようですが、そりゃあ、日本がはじめて大国アメリカに注文をつけようっていうんですから、そう簡単にはいきませんよ。
 アメリカは長い間、日本をじぶんの飼い犬みたいに見てきてますからね。
 飼い犬にかまれたって感じでしょう。
 日本が言い分を通したいと思うなら、むしろこれからが本番ですよ。
 長期戦覚悟でかからないと。、

 まだわずかな月日ながら、この間に鳩山政権によって実現した政策を冷静に考えれば、あんまり無茶な誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)は出ないと思うんですけどねえ。

 今の鳩山批判は、自民党につながっていい思いをしてきたジャーナリストや評論家たちが、国民をあおっているような、そんな気がしてならんのですがねえ。
 ぼくは無党派ですけど、それだけに余計、すぐ雰囲気に乗せられて、一方向へドドッと傾いてしまう国民の主体性のなさを、とても危うく思うんです。

再びカフカの霧―村木さんの裁判

2010-04-15 18:36:00 | 報道
 エリート役人のひとり、厚生労働省の元局長、村木厚子さんが、国民を裏切る悪官僚のように言いふらされて、罪人扱いされてきました。
 けれど、どうやら検察のでっちあげだったけはいです。
 裁判が進むにつれて、様子が変わってきたのです。
 これも、カフカの悪夢、カフカの霧だったようなのです。

 相当いいかげんな自称・障害者団体の登場が事件の発端です。
 その団体を正しい団体のように見せるために、村木さんが部下に必要書類を作らせて、自分も判をついたというのが検察の言い分でした。
 そうして特別な利益を団体が受けられるようにしたのです。
 郵便料金の割引を利用できるようにしたのでした。
 しかも、民主党の国会議員が、団体に便宜をはかってやってほしい、と村木さんに働きかけて、村木さんがそれに従ったというのです。

 村木さんの逮捕のときには、新聞もすっかり検察の言い分に乗せられて、もう犯罪者扱いでした。
 新聞やテレビやラジオを通してしかニュースを得られないぼくたちも、どうしてもその空気に乗せられてしまいます。
 年金制度の無茶苦茶な運営や天下り官僚の横行など、役人たちのひどい実態が次々あきらかになっていた時でもあって、ぼくもてっきり村木さんのことを腐敗官僚のひとりと思い込んでしまいました(悪いことをしました)。

 けれど、裁判が進むにつれて、村木さんの「罪」を検察にしゃべっていた村木さんの部下たちが、実はあれはウソだったと白状して、どうも裏に検察のねつ造のあったことが濃厚になってきたのです。

 最終的に村木さんの潔白が決まれば、新聞もテレビもラジオも、そして国民も、検察のたくらみにみごとにあっけなく乗せられて、ウソに染まっていたということになります。

 権力を持つひとたちがその気になって力をふるえば、身におぼえのない人でも罪人にされ、国民もすっかりそれを信じてしまう。
 それも、こんなに簡単に、です。
 社会のブキミな裏の構造が垣間見えるようなケースです。

 間に立つ新聞記者がもっとしっかりしてくれるといいのですが、日本の新聞記者の力量ではそれは無理なことでしょう(テレビは、期待するのさえ馬鹿馬鹿しいくらいです)。

 カフカの闇は今も生きているのです。

魚アレルギーのネコ様

2010-04-13 21:54:00 | 猫の町
 わが家のネコ様は、魚アレルギーなんです。
 さかなを食べると、吐くんです。

 チンチラとアメショーのあいの子のようでしてね。
 大震災(1995年)で迷子になっているのを芦屋で保護されて、そこから神戸のわが家にやってきたんです。
 壊滅の街が復興をめざしていたときでしたし、それで「夢」って名前にしたんです。

 とにかく甘いものが大好きで、カスタード・クリームなんか、もう目がない、って感じ。
 果物だったら、モモ。

 そりゃあ、ひとまずネコですから、サカナも、欲しい、欲しい、とは言うんです。
 でも、やると、まもなく玄関あたりへ飛んでいって、ゲロッ、ゲロッ。

 今夜もわが家の食卓にはアジが並んだのですが、あんまりしつこくせがむので、指先くらいの切れ端を三つばかり食べさせたんです。
 で、いちおうはおいしそうにモグモグと。
 でもやっぱりおしまいには、例のごとく玄関へ走って行って…。
 
 けれど、そういう猫バナレしたところが、どうも、とってもかわいいんです。

 あっ、言い忘れましたけど、女の子です。
 もうおばあさんのはずですが、感じはまだまだ少女です。
 ネコジャラシのおもちゃを見つけると、これで一緒に遊べ、っていつまでもせがみ続けて、もう、うるさいくらいなんですよ。

お年寄り新党『たちあがれ日本』

2010-04-12 22:21:00 | セイジ
 与謝野さんら自民党のお年寄り議員たち5人が急きょ、沈没しかけている自民党丸から脱出して、新しい政党「たちあがれ日本」をつくりました。

 「このままでは日本がどうなるか心配だ」というふうに結党の理由を語っておられます。

 でも、ぼくらにはどうしてもこういうふうに聞こえますね。

 「このままでは自分たちがどうなるか心配だ」と。

 「民主党には理念がない」とも言って民主党に正面攻撃を仕掛ける構えを見せておられますが、それじゃあ、このお年寄りのみなさんは、どんな「理念」をお持ちなんでしょう。
 「夏の参院選で民主党の単独過半数を阻止する」というのが唯一はっきりと語られている方針ですが、するとそれが「理念」でしょうか。
 しかし、そんなのは、理念といいませんよね。

 それにしても平均年齢70歳の、憂国の五銃士さん。
 いったい何ができるのでしょう。 

 沈没船から首尾よく脱出したものの、待っているのは果てしない漂流?
 それとも、孤島?

 孤島で新しい日本をタチアゲル?
 国民5人。
 それならできる。
 

神のバランス感覚?

2010-04-10 22:55:00 | セイジ
 献金問題で批判を浴びながら、小沢さんが民主党の幹事長に居座っている、このことは自民党にとって有利な材料。
 自民党が将来の展望を切り開けずに、分裂の様相を深めている、このことは民主党にとって有利な材料。
 それぞれの好材料をどちらかが完璧に生かせれば、その党こそ政界に圧倒的な勢力を張れるはず。

 ところが、民主党はその小沢問題を克服できずに足踏み状態。
 自民党も分裂問題をかかえこんで足踏み状態。
 両党とも内部事情で、全面攻勢など遠い話。

 人間集団の組織というのは、なんとも面白いものですね。
 すべての条件がそろうなんてことは絶対ない。
 外の条件が整って、今こそチャンスというせっかくの時を迎えるや、内部にほころびが生まれてくる。

 神のいたずらか。
 それとも神のバランス感覚か。