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ブログ版 シュプリッターエコー

新しい歴史の始まり…金本新監督の会見

2015-10-25 19:59:00 | 阪神タイガース
 金本新監督の就任の会見をTBSの中継で見ましたよ(10月19日)。
 やっぱりスジガネ入りという感じ。
 見てるほうまで緊張しました。

 金本監督が話したことは、次の三点だと受け取りました。
 その一は、なにより大事なのは、まず試合に勝つ、ということ。
 チームの再建も緊急の課題だが、再建は勝ちながら進めていく、というわけです。
 その二は、勝利と再建に向けて監督が率先して進むということ。
 監督がまっすぐに進んでいけば、選手たちも監督の背中を見て全力でついてきてくれるはず、とそう堅く信じているとの表明です。
 その三は、勝つことに情熱をそそげない選手は去れ、ということ。
 新監督はこれをもっとやわらかな言葉で言いましたが、その真意はぬるま湯に浸かってきた選手たちに真っ向からカツを入れるものでした。

 とにかく勝つこと、その一点へ向けてあらゆるプランを組み立てていくというその姿勢は、実に明快なものでした。
 一語一語に強い響きがありました。

 ぼくはこれを通院のベッドの上で見てましたが、ちょうど看護師さんが血圧を測りにきて、なんと一八〇の最高値を記録。
 ぼくなんかファンの端っこの端っこに過ぎませんから、そんなにまで緊張することはないのですが、しかしやっぱりわがことみたいに…。

 裏のエピソードにもすごいのが。
 会見が終わって、新監督を真ん中に球団社長やオーナーが恒例の写真撮影をすることになったんですね。
 「金本さん、笑ってください」とカメラマンが求めたのはいつものことで、じっさい、この手の写真はみながにこやかな笑顔になって、翌日の朝刊に掲載されるものなのです。
 それを無視するかのように、黙ったまま表情を崩さないでいる金本さん。
 ふたたびみたび笑顔を催促するカメラマン。

 すると、とうとう金本さんが言ったのです。
 「ぼくは笑えません」
 びくっとしたのはカメラマンと記者たちです。
 こんなにもまともにはねつけられたのは、だれにも初めてだったことでしょう。

 
 苦難覚悟の門出の日です。
 つくり笑いのサービスなど、安っぽい欺瞞(ぎまん)でしかありません。

 このエピソードはなによりも雄弁に、金本新監督の真剣な決意を語っているように思えます。
 そして、漫然と繰り返されてきたあいも変わらぬ定番(ルーティーン)と馴れ合いへの勇気ある決別を。

 たしかにタイガースの新しい歴史の始まりです。

 (追伸;かくして翌20日には、これ以上ないほどに緊張した面持ちの球団首脳がしゃっちょこばって並んんでいる、そのような前代未聞のハードな写真がスポーツ各紙に掲載されたわけでした)

金本新監督の誕生―ファンの皆さんおめでとう

2015-10-18 19:49:00 | 阪神タイガース
 タイガースに金本新監督が誕生しました。
 ぼくらファンのあいだではもう、今シーズンが始まってまだ間なしのころから、金本さんが監督になってくれたらいいのになあ、って話し合っていたんです。
 でもまあ、阪神球団の経営陣(フロント)には、そんな大胆な手は打てないだろうから、これはただの夢で終わってしまうね、って。
 ところが、球団はその夢の手を打ったのです。
 びっくりしました。
 阪神球団もなかなかやるじゃないですか。

 すぐのリーグ優勝はむりだとしても、金本監督になると、ひとつひとつのゲームがきっとおもしろくなるでしょう。
 ここのところ、真弓監督にしても和田監督にしても、試合運びにワクワクするようなものがほとんどありませんでした。
 いつも後手後手に回ってしまって、結局は場当たり的な作戦(それじゃ実際のところ作戦とはいえませんが)に追い込まれてしまうのです。
 どの試合も監督のやりたいことがファンにはサッパリわからないまま終わってしまう、その繰り返しの夜々でした。
 腹を切る覚悟をしてもこうやりたい、というような強い意志が、たぶん監督のほうにもともとなかったのでしょう。

 金本監督はおそらくその辺ははっきりしていて、早晩くっきりと金本野球を打ち出してくれるのではないかと思います。
 理想の野球がシーズン始めからそううまくいくとは思いませんが、一試合一試合がしっかりと方向を定めて戦われれば、航路をあやまたずに飛ぶ渡り鳥の群れさながらに、美しい飛行が夜ごと甲子園に現われることでしょう。
 そのような美しい野球を見ることができたなら、多くのファンがゲームをもっと深く理解するようになりますし、心からの喝さいを送るだろうと思います。

 それに金本さんのキャラクターで甲子園球場が明るくなること、これはもう請け合ってもかまいません。
 和田さんはどちらかというと球場に暗い空気を誘いこんでいたように思います。
 一塁に出れば決まってバント、それでなければライトへ短打。
 これではどうも、スタンドは窮屈でしかたがありません。

 金本さんには身についた花がありますが、ゲームにもきっと花が匂うでしょう。
 それにつられて、選手たちもきっとそれぞれの花を咲かせることになるでしょう。

 さて、ファン仲間のそのときの話では、金本監督と、それから矢野ヘッドコーチ、下柳ピッチングコーチがベンチワークの理想の陣容だ、ということになりました。
 タイガースを優勝に導いた三人組をずらり作戦本部に並べようというわけです。
 三人がヒーローになってお立ち台にそろって立った、あの甲子園の興奮の夜を熱く語りながらのことでした。
 でも、実際に金本監督が誕生した今は、この陣容はちょっとムード先行に過ぎるかな、という気がしていないでもありません。
 そこは金本監督がじっくりと考えて、チーム再建へ堅実なスタッフを練っていかれることでしょう。
 その上で三人の顔がベンチに並ぶようなことになるのなら、もうそれ以上の幸福はないですが。

外国人選手でダメになる日本の野球

2015-10-04 18:55:00 | 阪神タイガース
 アメリカ大リーグとその下部のリーグから安易に選手を連れてくるようになって、日本のプロ野球はいよいよ面白くなくなってきたように思います。
 ペナントレースが大味になり、中のプレーも荒れてきました。
 外国人選手が打てば勝つし、打たなければ負ける、そんな味気ないゲームがこんなに続けば、プロ野球人気も先が見えてきた感じです。

 とりわけ今年のタイガースは、外国人を軸にしたチーム編成でしたから、そのマイナスの影響をいちばん大きく受けました。
 打撃の中核にゴメス選手とマートン選手、そして投手陣もメッセンジャー選手を柱に置いていたのです。
 三人とも去年の成績が抜群でしたから、監督やコーチの過大評価にも無理からぬ面があったともいえますが、相手チームもとうぜん必死で対策を考えてくるのです。
 それに対して三選手は去年の成績にアグラをかいて、漫然と公式戦を迎えたようです。
 目をおおいたくなるような不振が続き、ゴメス選手などは東京ドームでついに1点の打点もあげられないテイタラク、これがジャイアンツに負け続ける大きな原因になりました。

 とくにシーズン終盤、胸突き八丁でのマートン選手とゴメス選手の気のないプレーは、ファンをうんざりさせるほどでした。
 かれらはけっきょく出稼ぎ選手でしかないのです。
 調子がよければ打つけれど、悪ければ流れにまかせてただ凡退を繰り返すだけ。
 どこまでも自己中心で、本音の本音のところでは優勝など知ったことではないのです。
 まさに終盤の終盤に福留選手がゴメス選手の代わりに四番に入ったときの、あのナインの締まりよう、あれを見れば、かれらがチーム内部にどれほどの悪影響を広げていたかもわかります。
 シーズンの序盤では、打ち込まれたメッセンジャー投手が、悔しさを出すどころか、他人ごとのように笑いを浮かべて、これもファンの顰蹙(ひんしゅく)を買いました。

 
 もういいかげんに外国人だのみのチームづくりから脱皮しなければ、プロ野球はほんとうにだめになってしまうでしょう。
 日本は日本人の心と風土から生まれた独自の繊細な野球をもっと大事にしなければいけません。