社会科学上の不満

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独立性の担保の落とし穴

2012-10-02 19:01:31 | 社会常識と教育

 原子力安全委員会、公正取引委員会、日銀等、その「独立性の担保」が問題となる。政権による不当な介入をさけるために謳われる錦の御旗である。しかし完全に独立してよいのか?けん制する機関がなくて良いのか?最近考えさせられる。

 例えば日銀の場合、前回の日銀法の改正により日銀総裁の罷免を政府が行えなくなった。これで政権から離れた経済政策が討てると言うわけだ。しかし、本当にそれが良いのか?デフレ脱却政策を政府が企画してもインフレには、日銀は反対である。ここに日銀をはじめとした財務官僚の限界がある。彼らは自ら起業したことがない、また企業を経営したことがない。よく銀行員を天下りで事務長や経理部長で迎えた病院や中小起業が黒字化することは難しい。出身銀行から優良融資先であった方がありがたれるからだ。いくら退職しても住宅ローンの特別金利や年金はその銀行が払うからだ。現在の国と地方の借金約1000兆円、どのように返済するつもりか?その青写真さえ国民に提示できないではないか。インフレターゲットを説く経済学者は多いが、マスコミにあまり取り上げられない。なぜであろうか?仮に年率4%のインフレでは10年後に借金の価値は半分になる。しかもこのまま財政が破綻すれば、年率20%を超えるハイパーインフレ(コントロール不能)となる可能性が高い。1960年の大卒の初任給はおよそ1万円/月であった。1957年入社の初任給は8千円/月だったそうだ。1985年は15万円/月にまでなった。バブル期日本の財政は一度無借金となるもその後の失われた20年間デフレで現金が一番強い状況だった。

 このような政策転換を国会から切り離してもよいものか?大いに疑問だ。インフレターゲットの導入など現在の日銀にできるのか?そもそもインフレ時代を知らない職員の比率が高くなってからでは益々手遅れではないか?韓国債の売却など判断できるのか?内閣との連携がもう少し密でもよいのではないか?バブルを恐れ何もできないのではないか?バブルの後始末で自分たちが非難を浴びたことに萎縮している。

 民主党には経済や外交を期待した国民は少ない。自民党が長期政権だったために溜まったウミに嫌気がさしただけだ。しかし委員会や日銀といった特別な機関と政権(内閣)との適正(これが難しい)な距離感を有して、今より親密であった方が、国家運営が上手く行くのではないだろうか?

 

 

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