知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

夏の帰宅期間の始まりです。

2010年08月08日 | Weblog
今日から、夏の帰宅期間が始まりました。


例年、利用者の方がこの時期に約1週間から10日間ほど帰宅されます。
実際は、年々帰宅される方が減り、帰宅期間のすべてを利用される方が少なくなりました。

もちろん、それはあくまでも設定した施設側の都合でもあり、また保護者の方のご家庭の予定にも左右されます。


また、保護者の方は、それぞれ年齢が高くなり、各ご家庭での受け入れも難しくなってきている状況もあります。保護者も、利用者のご両親の世代ではなく、ご兄弟や親族の方、さらには甥や姪の方の世代にもなってきているところもあります。



過去には、2週間の帰宅実習があり、ほとんどの方が帰宅されていたことを思い出すと、もう今は昔の話になりますね。


特に、高齢者の方が中心の棟では、ほとんどの方が残留されています。つまり帰宅期間は、ただの長いお休み期間になっています。

それも前述したような理由もあり、否定も出来ないのですが・・・



残念なのは、以前は利用者の方が「帰宅期間」を楽しみにしていたのが、今では「今度は帰れるんだろうか?」とか、「また帰れないんだろうね」「もう帰れないんだね」という意識に変わってきています。


世間では、障害者が共に生活できる世の中を・・・とか言われますが、実際には知的障害者が各家庭に帰宅も出来ないような環境になっているようです。
家庭でなく、周りの環境も、利用者の方が帰宅されても、そういった生活していける環境が整備出来ていないわけです。


最後まで、保護者が責任を持って見ていかなければならない・・・とか、それが出来なければ施設に世話にならなければ、いくところがない状況があります。


これが現実ですね。整備には遠い先の話になっています。(これが言われて久しいのに・・)




まあ、現実の課題も大きいですが、利用者の方はどうでしょうか?

帰宅出来ないならば、この期間はどう過ごしましょう?


この期間に職員もお盆休みをいただきます。ということは、必然的に職員体制は少なくなります。

以前ならば、帰宅出来ない方は、各担当者が外出に一緒に行ったり、残留された方みんなで食事に出たり・・・と、それなりの楽しみ方もありました。最近は、それも出来ていません。


ここ数年、こういった状況が見られるため、何かよい方法はないかな?と試行錯誤しています。

例えば、いつもと違った食べ物を食べるとか、夏らしい遊びをするとか、あくまでも施設内でのことになりますが・・・、少ない職員でも取り組めることは、様々あると思います。


毎日、お風呂だけ入って、エアコンの中でのんびりTV観て・・・の帰宅期間は、変えていかなくては・・・と思います。


そのせいか、利用者の(特に残留された方)皆さんの興味は、この時期のことではなく、今月の末にある「夏祭り」や秋の「旅行」に移っていますね。


私たち施設職員が出来ることも、限られているのも、ちょっと寂しい話です。
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