知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

映画「37セカンズ」がお勧めです。

2020年02月20日 | Weblog
仕事を辞めて、3日目・・・家にいても、気が滅入るので、とりあえず日帰り温泉やら、映画観賞をしています。


先日、たまたま見ていたTV番組(NHK)で、障害者(車椅子を使っている)の方を主人公にした映画を作るということで、監督が実際に障害のある方(一般女性)に演じてもらいたいということで、オーディションを行いました。(調べると、NHK BS1の「もう一つの「37セカンズ」 車椅子女子の挑戦」という番組でした)


実は、何の映画を観ようかなと思って、いろいろ探していると、たまたま「37セカンド」というタイトルの映画があり、内容を見ると、生まれたときに37秒間呼吸をしていなかったために、脳性麻痺になってしまったという主人公が、様々な経験をしていくというものでした。
偶然、上記のTVのオーディションのことを思い出し、「ああ、あの映画かな?」ということで、これはぜひ観に行こうということで、昨日さっそく行ってきました。


現在上映している映画館が、(近場に)それほどなくて、唯一自宅から行ける場所(それでも車で1時間余り)にあり、行きました。上映回数も1回きりで、今、たまたま仕事がなく、時間があったので、観ることが出来たという訳です。


で、いつもは他のブログで報告する内容なんですが、この映画は、ぜひここのブログを見ていただいている方々に、お勧めしたい映画だったので、投稿しました。
(※ちなみに、性的な描写もあるので、R12指定です)


映画「37セカンド」
(http://37seconds.jp/)

予告編 https://www.youtube.com/watch?v=vnWDiiXdtMA&feature=emb_title



映画のストーリーをちょっと・・・
「生まれた時にほんの37秒間、呼吸が止まっていたことが原因で、手足が自由に動かせない身体になってしまった貴田ユマ(佳山明)。彼女は親友の漫画家のゴーストライターとして働き、自分の作品として世に出せないことに寂しさと歯がゆさを感じていた。そして、シングルマザーで、ユマに対して過保護になる母・恭子(神野三鈴)との息苦しい生活。日々、自分にハンディキャップがあることを突き付けられながらも、23歳の女性として、望んでいいことだってあるはず、という思いとの狭間で揺れながら生きていた。そんな時、ある出来事をきっかけに、ユマの人生は大きく変わり、自らの力で『新しい世界』を切り開いていくことになるが……。」(MovieWalkerより)



映画監督が、実際の障害のある方に演じてもらいたいという意味が、映画を観ていて、なんとなく分かります。
演技が大げさではなく、本当に車椅子を使っている生活であり、普段も自然に行動しているのが、普通に目に入ってくるので、違和感を感じない・・・というものです。

また、周りの俳優さんたちも、自然に接しているような、そんな感覚がよかったですね。

監督は、このオーディションで選ばれた主人公(佳山明さん)を見て、改めて台本を書き直したと聞きました。

この主人公の女性は、もちろん初めての映画出演でもあり、演じるのも初めてだったと思います。
すごい美人でもなく、変に魅力がある感じで、当然ながら、女性としての本能的な部分もあり(作中は、その目的は違っていたけれど)、余計に見入ってしまいました。
また、映画の当初から、裸になったり(服を脱ぐという行為)、男性との性的シーン等、よく演じられたなあ・・・という驚きもありました(映画出演での覚悟が感じられました)。


後半は、家族愛的な部分が強く出ていましたが、監督の伝えたかった部分は、どこなのか?

映画パンフレット内に書かれていましたが、監督が「障害」というテーマにたどりついたのは、作品中に出演されている、熊篠慶彦さんとの出会いがあったと言われています。
この熊篠さんという方は、NPO法人ノワールの代表でもありますが、この方も脳性麻痺で四肢痙攣麻痺があるそうです。
身体障害者の性についての、支援や啓発をされているようです。

ネタバレになるので、詳しくは書けませんが、結構(R12指定通り)性的な描写が強い部分もあります。

身体障害者であろうと、出来ることは多く、自身が様々な経験をしたいという要求も自ら満たしていく、この作品中でも、主人公は自分発見の旅に出る(ネタバレですが家出します)ことで、自分をそして周りを見直すことが出来ます。

この映画が、特にお涙頂戴の作品ではなく、現実の場面ではこういうことなんだ・・・と納得させられる部分が多いですね。
例えば、車椅子の方が、自由に移動できるか?というと、無理な場面もあり、そこを誰がサポートするのか?

海外へ出た時には、周りの人がみんなで車椅子を運ぶ場面もありました。(あまり日本では見ないですね)


映画撮影で、重要なサポートをしていたのが、フリーランスヘルパーである稲垣朋恵さんの存在です。全面的に、主人公である、佳山さんのサポートしていたとのこと。
ここが、全くの素人だった主人公の、大きな力になったのは、言うまでもありません。


いろいろな感想があると思います。
ぜひ、観ていただきたい映画作品のひとつですね(後々、DVD化されるかどうか、分からないので)。

上記の映画HPに、上映館の情報が載っていますので、参考にして下さい。



実は、今週は例の韓国映画「パラサイト・半地下の家族」も観ていて、いろいろ考えさせられています。

コメント
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