木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

キューバのなぜ、その2

2007年10月23日 | Weblog

先週の、この世の話題は、次々発覚する「食品偽装」。
「赤福」の偽装は、やれることは全部やったという感じ。
冷凍、むきあん、むきもち・・・。ただ、これでお腹を壊したという話は聞こえてこないのだけれど。
食べ物を粗末にしない、ということからいくと、賞味期限が過ぎたからと言って、捨てるということには抵抗があるのだが。
結局、1日に売れる数というのは、経験上わかっているわけだから、それに合わせて製造する数を決めて、売れ残りを最小限におさえる、品物が足りなくなるリスクには対応しない、そこまで欲張らない、ということしかない。
老舗というのはそのようにして信用を守ってきたはずだ。
だけど、冷凍技術の発達というのが、それまでのやり方を変える誘惑の魔手となっている。
食べ物がまずくなってきた、というのは、ずいぶん前から感じていた。
グルメなどと言っても、宣伝するほど、おいしくないな、とは感じていた。きっと、裏側では、こんな「裏ワザ」を使っている場合が多いんだろうな。
名前にまどわされて、「おいしくない」と言えない、消費者の味の感覚も情けない。「名物にうまいものなし」という世間の認識に乗じたか。
しかし、偽装はよくない。



キューバの社会主義が崩壊せず、むしろ、21世紀の社会のあり方の方向性を示すものになっている理由をもう少し考えて見た。
キューバの有機農業が成功した背景には自然環境に恵まれていたということもあるだろう。これは吉田氏も言っている。
寒さの厳しい北朝鮮と、温暖なキューバとの差は大きいものがある。
そして、革命のリーダーの正統性。30代前半で革命を指導したカズトロの正統性を疑う者はいない。
しかし、北朝鮮の場合、「本当の金日成は、別にいた」という説もあり、金日成は必要以上に、自身の正統性とカリスマを主張しなければならない立場にあったように思う。
そして、父の後を世襲で継いだ金正日は、父以上に自身が、その位置にあることの正統性に心を砕かねばならない宿命だ。
レーニンの後に最高指導者の地位に就いたスターリンも同じだ。
コンプレックスがある。だから疑心暗鬼になる。自分の権力者としての地位を守ることが、全てになり、人民の生活の向上はどうでもいい、その他の事柄になっていく。
アルゼンチン人ながら、キューバの革命運動に身を投じたエルネスト・チェ・ゲバラ。今年は没後40年である。
キューバの工業大臣として、60年代の始め、経済協力を求めて来日したこともあるが、やがてボリビアに去り、ゲリラの指導にあたっていたが、政府軍に処刑された。
私の読んだ本では、キューバの人たちに愛されながら、だがアルゼンチン人の彼は、革命政府を去った、とあった。
カストロとの間にどのようなやり取りがあったかはわからないが、キューバを去った行動は正しかったように思う。
「キューバ人の革命はキューバ人の手に」。チェ、というのは「やあ」とか「おい」というような呼びかけだそうだが、去ったゲバラはいまだにキューバ人の心に生きている。



コメント
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