木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

サッカー大会の影でコンゴの悲惨が続く。

2010年06月13日 | Weblog
コンゴの悲劇。
サッカーWカップ大会が南アフリカで開かれていることにちなんで、アフリカの現状を報告する番組を見た(cs朝日ニュースター・ニュースの深層)。
米川正子氏(宇都宮大特任准教授)が語るコンゴ情勢。
国連関連でボランティア活動をしていて、コンゴに関わるようになった米川氏によれば、コンゴは南アと同様、鉱物資源に恵まれ、また自然も豊かなので、それゆえ欧米の侵略の犠牲になってきた。
近代以前、ベルギーの植民地とされたコンゴはベルギー国王の私有地という存在だった。
ゴム栽培の苛酷な労働に使役されたコンゴ人。抵抗に対する弾圧や苛酷労働による病気などで犠牲になった数実に500万人。
そして独立後もその資源を狙う諸外国の干渉による内戦で、これまた犠牲になった人500万。総計1千万もの人々が、孤独に、その事実を知られることもなく、しかしおびただしく犠牲になってきたのだ。
私も米川氏の話しを聞くまでは、それほどとは知らなかった。
犠牲者の数比べをするのは本意ではないが、01年、ニューヨーク同時テロの犠牲者は3000人。
子供の頃の記憶にコンゴの大統領ルムンバ氏がいる。
このルムンバは、自国の権限で、資源を輸出することを宣言し、実行しようとした。だが彼はまもなく暗殺される。
当時、原爆製造用のウランをコンゴに頼っていたアメリカは、このウランがソ連を始めとする東側諸国に渡ることを恐れた。
この暗殺にはアメリカのCIAの関与が疑われる。
このルムンバ暗殺の時は、アメリカに希望を与えたとされるケネディ大統領の就任直前だった。
常に政権の交代期をねらってCIAは行動を起こす。
オバマ大統領就任直前にもコンゴの「内戦」という形の紛争が起きている。
「紛争の影にアメリカあり」だ。
アジア、及びアフリカを食い物にしてきた欧米諸国。
南アフリカを支配したオランダにコンゴ支配のベルギー。
今はなんとなく、地味な存在で、そんな悪事の限りを尽くした国だったということに知らん顔しているように見えるが。
アメリカの横暴やCIAの悪事に唯一対抗できるのは、圧倒的に大勢の「民衆の力」だと思う。
そんな横暴は許さないという意志を見てはじめて彼らは退散を考える。
少数がすべての人民を殺しつくすことなどできないのだから。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする