先制攻撃と謀略と介入
強固な日米同盟を誇示するアメリカと日本が関わる戦争はいつもこれで始まっている。
1937年(昭和12)7月7日夜、中国北京郊外盧溝橋で始まった日中戦争の端緒も闇夜に響いた一発の銃声から始まった。
そして一人の日本軍兵士が行方不明に。真相不明のまま牟田口廉也連隊長の独断による中国軍への攻撃が始まる。
あの悪名高い「インパール作戦」を主張して、日本軍兵士の屍を重ねさせた牟田口廉也である。
行方不明とされた兵士は小用のため隊を離れただけだった。かねてから用意された戦端のシナリオである。
張作霖の爆殺事件もあった。これまた関東軍の謀略である。
そしてアメリカの歴史といえば、新大陸での先住民の虐殺に始まって、常に相手国に出張っての先制攻撃だ。
そんな先制攻撃と謀略の得意な日米が組んでの集団的自衛権行使は他国の「存立危機事態」を招くだけだ。
大国アメリカはいざ知らず、小国日本が中国や中東諸国を敵にまわせば、日々の生活の存立がたちまち危うくなる。
輸入大国日本の食料もエネルギーも数か月で底をつく。
自公が組んで国民の反対をよそに「強行採決」しようとしている「安保法案=戦争法案」の中身はそういうことだ。
「平和の党」を標ぼうしていた公明党はこんな法案に賛成して、どう説明をつけるのかと思う。
宗教団体が戦争賛成に傾いていくのは歴史の常だが、公明党=創価学会は他の宗教団体以上に積極的に日本を戦争に引きずり込む役割を果たすのだからこれ以上の欺瞞はない。
戦前の日本人は「天皇制軍国主義」に深く組み込まれ、全体主義にたやすく傾いたのだが、さて今の日本人は軍産複合体の起こす戦争に一丸となれるのか。
中国の脅威や北朝鮮の攻撃を言われて、そうかと思ってしまう人たちがいるが、それは昔こちら側が相手を攻撃し、痛めつけたから仕返しを恐れる気持ちがそうさせるのだろうが、共に同じ東アジアの国として共存していこうという姿勢を持てば攻撃されると心配する必要はない。アメリカとの悪縁を絶てばよいのだ。