木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

天皇制と文化人

2023年02月26日 | Weblog

「宮沢賢治と小川未明」のカルチャー講座に行きました。ほぼ同時代に生きた二人。ただし賢治は昭和8年37歳で亡くなりますが、未明は戦後も行き抜き昭和36年79歳で亡くなっている。
戦前社会主義運動にも近づき、プロレタリア文学的な小説も書いていた未明。但し時代の厳しい流れにあって、「戦争賛成」に転向していった。賢治は昭和8年に亡くなっているし、しかもまだ無名だったので時代への向き合い方はわかりませんが、国柱会という「世直し的な」結社に参加したりしていたのでもしかしたら「聖戦思想」に傾いていったかもしれません。文化人の多くが当局の圧力もあったかもしれませんが、「天皇制軍国主義」に賛同し、翼賛的な作品を書きました。
軍国主義に迎合できない作家はこの時代沈黙することでやりすごした。農山村に引っ込んで自分や家族の食べるための農業をして生きた文学者もいます。
賢治の作品は死後多くの人に愛され、特に「銀河鉄道の夜」は映画にアニメに漫画に歌にとそのモチーフは数多く作品化されています。この前書きましたが、「赤旗日曜版」のいまむらまさゆきさんの絵は猫が主人公ですがほんとかわいい。
ところで多くの作家が戦争賛成になだれ込んでいった背景はやはり「天皇制」にあると私は思っています。「天皇制」に明確に反対したのは政党で行くと共産党だけで、個人では個人主義と言うか「個」を明確に持っていた人だけだったように思います。こうした集団主義は戦後も人々の間に根付いていて、何かの折に個人への圧力となって顔を出します。

 

コメント
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