まあ、ここでは「ほぼ日本イタイ新聞」などというものを不定期に入れていますので、あまり強く非難することはしたくないのですが(棒
普段、糸井重里氏のツイートはTLに流れてこないんですが(まるで違うクラスターなので)、今朝ツイッタ見たらいきなり目に飛び込んできました。
糸井氏といえば、社会問題には目をつむりひたすら自分の心にやさしい「ていねいな生活」を日々送っているゆとりおじさんです。
例えば、昨夜の安倍様のツイート、
「勝利を諦めないラグビー日本代表の皆さんの勇姿は台風で大きな被害を受けた被災者の皆さんにとっても元気と勇気を与えてくれるものだと思います。」
などという中身が空っぽどころか、被災者のことなど一ミリも考えていないこういう発言は、まさに現在の糸井重里ワールドなんですよね。
被災した人がそんなもので元気になるわけないんですよ。気持ち悪い。
試合中だってまだ洪水の中に取り残された人だっているかもしれない中で、ラグビーどころではないぐらいのことは普通わかりそうなものですが安倍にはわからないし、中の人にもわからないのでしょうね。
そして糸井重里にもわからない。
温くて鈍くてふわふわした感っくって言うんですか。そういうのがイトイワールド。
わたくし以外にも糸井氏が鈍いという認識を持っている人がいましたが、まあ、そうですよ。
すべてにおいて鈍い。
ええと前置きが長くなりましたが、これはびっくりしましたよ。
上級国民・糸井様
だれか、この話を書いて、ぼくらに読ませてください。「力があるのに仕事がないフリーのライター」さんとか、仕事はあるんだよ、こういうところにも。(ただ党派的な物語にするのは勘弁だけど)
見ればわかりますけど、
八ッ場ダム万歳
1億750万立方メートルの総貯水量が一晩にして満水、利根川流域を水害から守った。地域住民に反対派が居た事は事実。しかし、関東一円を救ったと誇りにしてほしい。
このめちゃくちゃな八ッ場ダム万歳ツイを引用して、賛同とともにバカ発言しているですよね。
そもそも「1億750万立方メートルの総貯水量が一晩にして満水」と、すでにここが嘘です。
1日から試験湛水を始めてある程度たまっていたんです。それから、こことその上の流域面積は利根川全体の4%に過ぎません。
下流の水位に影響しているとしても10㎝か20㎝ほどということになりますかね。
しかも利根川の問題は下流の流れが悪いこと。
だいたい、「地域住民に反対派が居た事は事実。しかし、関東一円を救ったと誇りにしてほしい。」って特攻隊に誇れって言ってるのか?
その靖国メンタリティには吐き気しかしませんが。
そんな糸井氏のツイ、すごい()ところばかりですが、まず未検証。
この八ッ場ダム万歳すごいテキトーな話ですよね。
それを検証しようという意思すらない。
そして、「仕事はあるんだよ」がすごい。
それはつまり「兵隊さんありがとう」という文章を書くとおカネになるということかね。
兵隊が死んでいくことで、武器商人とその取り巻きは儲かりますから、そりゃ「ありがとう」といいたくもなるでしょうね。
非常に意識が低くて残念だし、傲慢ですよね。
ライターに対する傲慢、元住民に対する傲慢、そして検証する気すらないその自らの粗雑さをよしとする傲慢。
完全に「おっさん」。
しかも自分では、これで党派性がないと思っている。この異常な鈍さ。
大政翼賛会の人ですよね。
自分は集団の真ん中付近にいて、何の偏りもないと思っているのでしょうかね。
ライターということですけど、日本にも「科学ライター」という人たちがいます。
そこそこ有名な人はおおむね原子力ムラ向けの発言をしていますね。
まあ、その辺も踏まえて「原子力ムラに忖度した文章を書け」あるいは「体制に逆らわない文章を書けばおカネになるよ」ということなのでしょう。
実力がある人は普通そっちには行かないものです。
さてそこで、八ッ場ダムそのほかのダムについて検証してみましょうか。
まずですね、八ツ橋ダムではありませんよ、ネトウヨさん。
そもそもそれだと名前知らないんだよね?「やんばだむ」と読むんだけど。柏原発とともにそもそも名前も知らない。
というか、ニュース見てないんだね。
八ッ場ダムは前原がなしにするといった件で大騒ぎでしたよ、当時。
もう長年塩漬けになっていて、「それならやめようぜ」と珍しく正常な判断をした前原に襲いかかる非難。すごかったですけど。
ま、それは置いておいて、
そもそも東京の「水がめ」が目的だったんですね。
しかし、反対運動あり、需要の減少ありで塩漬け。
ここでcpdさんが、コメント欄にリンクしていた「八ッ場あしたの会」の資料から。
八ッ場あしたの会 水あまり
首都圏の水あまり
利根川流域6都県(茨城・東京・千葉・埼玉・群馬・栃木)の上水道の一日最大給水量は、図1のとおり、1990年代に入ってからほぼ減少の一途を辿るようになり、1992年度から2016年度までの21年間に259万㎥/日も減りました。
東京都の場合
東京都水道の一日最大給水量は617万m3/日から2019年度(8月までの最大値)は459万m3/日に減少しています。
需要が減っていて、新たなダムは不要だろうということだったのですね。
一人当たりの水の利用量が減ったということで。
おそらく業務用の方だと思いますが。
だから特に必要ないと。
それから「利根川の洪水調節」の機能に関して。
八ッ場あしたの会
これ、まず「計画洪水の最大流入量は3,900m3/s、最大放流量は1,500m3/sです。」とあって
「計画変更案のルールによる洪水調節量は3,000-1,000=2,000m3/sです。」とあるんだけど、この洪水調節量っておかしくない?(サイトの話ではなくそもそものダム計画とその発想が)
流入量の方が多いほうが調整量が大きいというのは、すごい水量になるのは短時間に収まってほどなく水量が減ることが前提でしょ。
長い時間かかる場合は、昨日書いたように、十分に放流できないとだめじゃない?
そうじゃないと、結局たまりまくって緊急放流ですからね。
どうも、こういった「計画」を見ると、ダム計画はもともと緊急放流になるような状態は想定していない上に、実際には緊急放流の実施が当たり前になっているように見えますが。
いや、地図というか地形を見たら「ここにダム作っても治水にはならんわな」とすぐにわかります。すごい上流ですから。
「ここによくダムを作る気になったな」って思いますよ。
まあ、水瓶としてはないことはないですけど、もはや不要ではないかと。立ち退いた住民には残酷な話ですが。
それでですね、
「事前の水位調節せず」
美和ダム、高島ダム、水沼ダム、竜神ダム、塩原ダム、城山ダムが事前調整の放流をしていなかったといった記事が。
あれ、城山も?
実は、事前調整の放流はしていたものの「予備放流水位」でとめていたという話のようですね。
もっと突っ込んでそれより低い水位にしろよという話なのですね。
まあ、難しいところですけどそうですよね。
あの状況で「肩透かし」はあり得なかったでしょうし。
正確な降雨量はともかく、ものすごいものが来ることはわかりきっていたわけですよね。
仮に思ったほど降らなくても、相当な雨は確実に降るわけだから、思いっきり減らしても問題ないだろうという判断は普通にできるわけですが。
去年の教訓から、方針が変わったはずなんですよ。
しかし、そうでもなかったという話ですね。
城山ダムは通常の放流はずっとやっていたと思いますだって川の下流に住む人が言ってましたから。
「ず~っと放流のサイレン鳴りっぱなしなのに、さらに緊急放流するの?」
流していたけど、入ってくる水のほうが多かったということでしょ?
だから「予備放流水位」以上に放流しておく必要があったのですよね。
城山ダムの下流は氾濫しなかったからよかったものの、もう水位が上がってきてからの緊急放流って根本的におかしいですよね。
それもありますが、そもそも、やはり全体の治水戦略が間違っていたでしょうね。昭和からの。
まず林野庁。ブナの森を切って杉にしたと。保水力が大幅減、地滑りしやすい、花粉症に大貢献。
杉を植えたのは「林業」のためでしょ。
国民のためじゃない。
治水は完全無視。
そして林業も失敗。
それから千曲川が氾濫してますけど、ここはそもそも危険なところで遊水池があったのをつぶしたのだそうです。
かわりに浅川ダムを造ったけど氾濫。
だいたい都市部の川をまっすぐにしたのがアホですからね。まあ、それは治水目的ではなくて土地を使いたい強欲じじいの発想ですけどね。
武田信玄に笑われますよ。
昭和の治水よりは武田信玄のほうが優れていたのではないかと思います。
ギレリスさんです。
Brahms - Piano Concerto No.2
いつものヨッフムじゃなくてフリッツ・ライナー。
意外に速い。かなり古いです。
Grieg - Piano Concerto
こっちはヨッフムと。
やっぱり遅い。
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