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とりわけ藤を賛美したのが平安時代の王朝貴族です。文学作品にもたびたび登場します。清少納言は「枕草子」にめでたき物、素場らしき物として、唐錦、かざり太刀、作り仏のむくうえ、色合いふかく花房ながく咲きたる藤の花、松とかかりたると綴っている。
また紫式部は源氏物語で藤の花が特に印象的に描かれているのは光源氏と朧月夜(おぼろつきよ)の恋の場面です。
桜の宴で出会った二人は1ヵ月後の藤の宴で再会します。しかし、その恋が原因で光源氏は都を追われます。そして20年後に都に戻って、朧月夜と出会います。その時の歌が
沈みしも忘れぬものとりずまに 身をなげつべきやどの藤波
意味は須磨に身を沈めていたことを忘れることはないけれど,こりもせず、又こうしてあなたの元に身を投げ出している。そんなしぐさが、藤の花に託されている。
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