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すみちゃんノート

ひまつぶしのいろいろ

「野口英世の母シカ」田中章義著を読む

2015年11月24日 | 四方山話
図書館で目に留まった一冊の本・・「野口英世の母シカ」田中章義著を涙を拭き拭き一気に読みました・・


田中氏がこの本を書いたいきさつは私にはわかりませんが 本の締めくくりを「野口英世は世界の宝だ。そして、野口シカも、英世に負けないくらい宝だ。その一生を、これからも語り継いでいきたい。」という文章で結んでいます・・

シカの生きた時代は今とは全く異なる時代とは言え その生きる姿勢が偉人をつくる基となっている 偉人の母とは偉いものだと感銘致しました

近くには医者もなく 丈夫に育つようにとシカのように動物の名をつけることも多かった 会津磐梯山の噴火 戊辰戦争 磐越西線もまだなく どこへ行くにも歩いていた時代で 農作物の不作で食べる物に困ることもあった時代です

シカは幼い頃から祖母と貧しい家で二人暮らしでした シカの母は街へ出稼ぎに行ったまま戻らず 娘婿の父はいずらくなって 体も弱かったので奉公に出たままでした

祖母は働きながらかわいがってシカを育ててくれたが だんだん体が弱り働くことができなくなり シカはわずか7歳で奉公に出る 祖母は信心深い人でシカはその影響を受けている シカはかわいがって育ててくれた祖母のために薬を購入し飲ませていたそうです

シカが17歳の時のエピソード 戊辰戦争で村の家々が焼かれようとしていた時 シカは家を焼かれては皆が困ってしまい生活できない どうか家を焼かないで欲しいとたった一人で官軍の陣営を訪れた そのおかげでシカのの全滅はまぬがれた

シカは男たちもいやがるような仕事もかえって勉強になると進んで奉公に励み そのかいあって20歳で佐代助を野口家に迎え結婚するのですが 酒に呑まれてしまい 借金もするので これまでよりも増して働かざるをえなくなってしまいます 

そんな時に清作が火傷を負い 火傷を負わせたわが身を責めつつも この手では農作業は酷だろうと肉体労働ではなく学問の道に我が子を進ませようと そのお金のために 重労働もいとわず寝る時間も惜しんで働き 母はいつ寝ているのだろうと思ったそうです 男も嫌がる会津の厳しい冬の雪山越えの仕事もいいお金になるからとしたと言う

清作が上京する時に 恩師である小林栄さんがかけた言葉・・
 「良くやった 今度の上京がお前の人生を決める大事なものとなる しっかり勉強しなさい それでもくじけそうになる日が来たら 母の姿を思い出すがいい お前のお母さんは 普通の女性では決してできないようなことをし続けて お前を育ててくれたのだから その母の血がお前には流れている 母のためにもお前はやり遂げる義務がある」 

やがて英世はアメリカに行くこととなり 世間では英世のことを自慢の息子のように語られることが多いけれど 実は逆なのだ 英世にとって野口シカという母は自慢どころか人生の教科書となるすばらしい人間だった この母のもとに生まれたことが どんな名誉な出来事よりも遥かに幸せなことだと英世はアメリカ行きの船の中であらためて思い返していた

中田観音へのお参りは毎月重ねていて 英世が渡米してからは いただいたお札を毎年送り続けている

英世が渡米する頃 シカは産婆の助手を頼まれ 手伝いをするうちにすっかり仕事を覚えてしまっていたので 産婆が正式な試験を必要とされた時には 行政から推され講習を受け資格を取得し 生涯にわたり2000件近くの出産に貢献し 近隣の人々から大変慕われていた

不作が続き 税金が納められず 田畑の強制競売を受けることとなり また佐代助が作った借財の借金取りの催促が厳しくなり 高齢になり 心細くなって 英世に直筆の手紙を書く かの有名な手紙がそれで・・「・・・・・はやくきてくたされ はやくきてくたされ・・・・・」あの気丈な母が 直筆の気弱な手紙を書くとは よくよくの事と 英世に帰国を決心させることになる

その後 帰国した英世の晴れ姿を見て ともに関西方面へ旅行もし 数え年67歳 働きに働き 尽くし尽くし続けた人生を終える

野口英世は皆さんご周知の通りですが その母シカもまた 語り継いでいきたいすばらしい人物だと思います

猪苗代町の野口英世記念館がリニューアルオープンだそうですので 何度も訪れている場所ですが できればまた訪れてみたい 
テンボーと呼ばれてもハンディキャップに負けず そしりすら力に換え 志高く生き抜いた母と子 その忍耐 努力 根性は本当に素晴らしく 称え語り継いでいきたいと思います

新しい記念館の様子がありましたので・・
 
この本に心動かされ 引用させていただきましたが もし差しさわりがあれば 削除致します



  
コメント
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