COJゲームブック：幻のアニメ（20）

COJゲームブック：幻のアニメ
（2016年4月1日版）

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20.

爆風に背中を押されながらも、俺は窓ガラスを突き破って飛び出した。現実世界ならば即死する高さであるが、アルカナ適正の優位を活かし、アスファルトの路上に膝立ちで着地した。

「何だ何だ？」背後から声が聞こえた。振り返るとギターを抱えた若い男が立っている。「爆発音にさっきの遭難者の死体…まさかあれが？」

端末から流れるデータによると、どうやら政府側のエージェントの様だ。既にミッションのノルマは達成しており、下手に関わらずにやり過ごしたいところだ。

【JOKER《THE HERMIT》を持っているならば】→22
【そうでないなら】→23

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COJゲームブック：幻のアニメ（21）

COJゲームブック：幻のアニメ
（2016年4月1日版）

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21.

爆風に背中を押されながらも、俺は窓ガラスを突き破って飛び出した。現実世界ならば即死する高さであるが、アルカナ適正の優位を活かし、アスファルトの路上に受け身を取りながら背中から着地した。

「何だ何だ？」仰向けのまま横を向くと、ギターを抱えた若い男の姿が見えた。先ほどの着地の衝撃で、すぐには体が動かない。下手に関わると面倒だ、何とかしてこの場を離れないと――そう思った直後、男の表情が変わった。

「こいつはやばいぜ！」男は血相を変えて俺に向かって駆け込む。一体何が――反対側を向いた直後、俺めがけて突進するトカゲめいた歪な巨大生物と目が合

――「すいません、間に合いませんでした」男はギター型の端末を通して、本部に連絡した。ビルの爆発に気づいて駆け付けたところ、路上に倒れた男をトカゲ型の巨大生物がまさに轢き殺さんとしていたところだったのだ。あと5秒発見が早ければ、救出できていたことだろう。

「どうやら突然実体化したユニットに襲われた様です、それと端末が――」男は出所不明の端末に慎重に無線接続を行い、データを回収した。「見たところ例の『組織』と関係あるみたいです、詳しく解析すれば更に重要な情報が分かるかも知れません」【死】

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COJゲームブック：幻のアニメ（22）

COJゲームブック：幻のアニメ
（2016年4月1日版）

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22.

「そのまさかよ、お前も後を追え」端末にコマンドを入れると、俺の手の甲の「09」の文字が鈍く光りだし、上空から老魔導士めいた巨大な塊が現れた。JOKER《THE HERMIT》である。

「JOKERだと！まさかあの組織が…！」男はJOKERの姿を見て、動揺した様子であった。「組織」という言葉が少し気にかかるが――。

この隙にアルカナと現実世界を繋ぐ「ゲート」を呼び出し、帰還することも出来る。だがクライアントからは政府エージェントの拘束ないし殺害には特別報奨があるという。追加の報酬を稼ぐには良いチャンスだ。

→ゲートを呼び出して帰還する→24
→エージェントとの交戦を続ける→25

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COJゲームブック：幻のアニメ（23）

COJゲームブック：幻のアニメ
（2016年4月1日版）

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23.

「そのまさかよ、お前も後を追え」端末にコマンドを入れると、無数の武器を背負った青い戦士が3体現れた。ここはユニットで仕留めるのが良さそうだ。俺は戦士達に一斉突撃の命令を出した。

「ユニットだと！やはり組織が…！」戦士達が男を串刺しにしようとしたその時、彼の前に金色の翼を持つ騎士風の物体が現れた。「JOKERだと！やはり政府エージェント…！」今度は俺が呻く番だった。

――1週間後、俺は西東京郊外の留置所に勾留されていた。かの政府エージェントの男に敗れ、気を失ったところをそのまま捕縛されてしまったのだ。既に端末は回収され、クライアントとの連絡を取ることも出来ない。

俺のハッカー生命もここまでか――そう思っていたところで、俺の独房の扉が開いた。看守に連れられて現れたのは、サングラスにスーツ姿の男だ。「保釈が認められたそうだ、彼が身元引受人とのことだ」「よろしく、おねがいします」どこか無機的な雰囲気である。→19

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COJゲームブック：幻のアニメ（24）

COJゲームブック：幻のアニメ
（2016年4月1日版）

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24.

《THE HERMIT》が男を雷撃で焼き尽くさんとした丁度その時、金色の翼を持つ騎士風の物体が盾となって男を守った。軽い男に見えたがやはり正規の政府エージェント、JOKERの装備も怠りない。

2体のJOKERが火花を散らす。このまま男を仕留めて追加報酬を得ることも出来るかも知れないが、今は現実世界への帰還が先決だ。俺は端末にコマンドを入力し、青緑色に輝く光の扉を発生させた。現実世界に戻る「ゲート」である。

「残念だが遊びはこれまでだ、ここは退かせてもらう」俺は男をJOKERの背中越しに一瞥した後、ゲートへと滑り込んだ――。→26

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COJゲームブック：幻のアニメ（25）

COJゲームブック：幻のアニメ
（2016年4月1日版）

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＊25.

《THE HERMIT》が男を雷撃で焼き尽くさんとした丁度その時、金色の翼を持つ騎士風の物体が盾となって男を守った。軽い男に見えたがやはり正規の政府エージェント、JOKERの装備も怠りない。

2体のJOKERが火花を散らす。予想以上に手強い相手だが、それだけに身柄の確保に成功すれば査定アップも期待できよう。一気に勝負を決めるべく、JOKERの出力を上げるよう端末にコマンドを入力したその時であった。

突如目の前のマンホールの蓋が飛び上がり、同時に何かが穴から飛び出した。それは空中で連続18回転を決めた後、俺の目の前に着地した。銀色に輝く髪を持つ、和服姿の謎の女――いや少女か。端末のログを見ても接近情報をはじめ一切のデータが無い。まるで幽霊だ。→14

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COJゲームブック：幻のアニメ（26）

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（2016年4月1日版）

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26.

「…確かに旧世紀の発禁アニメの記録と一致するものだ」ホログラムディスプレイの向こうでは魔女めいた鉤鼻付きの仮面を付けた女が、俺から受け取ったデータの検証を行っている。奇妙な姿だがクライアントの担当官である。「約束通り報酬を出そう」

俺の秘密口座への入金を知らせるダイアログが現れる。事前の契約の金額より1桁程多い。危険手当ということか。

「ところで、政府側のエージェントに遭ったそうだな」検証が終わったのか、彼女の視線はディスプレイ越しの俺に向けられていた。「その男は専門のハッカーではない。だが油断はするな、アルカナ適正の高いエージェントである以上、次もうまくやり過ごせる保証はないからな」

俺の送ったデータには、政府エージェントについての情報が添付されていた。その外見や装備に、彼女は少なからぬ興味を持った様だった。もしかして知り合いなのか――一瞬そんな考えが頭をよぎったが、勿論そんなことを口に出す程、俺は軽率ではない。

――こうして報告は完了し、クライアントとの通信回線も切断された。これで俺は漸くミッションから解放されることとなったが、近いうちに再び探索の為に、アルカナへ潜ることになろう。政府側も今回の件から、エージェントの行動を本格化させるに違いない。

いずれにせよ暫くは身元の安全を優先させた方がよさそうだ。俺は端末の電源を切ると、次のアジトへ向かう為の撤収作業を開始した。【完】

【完走者特典：おまけがあります】→27

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COJゲームブック：幻のアニメ（27：おまけ）

COJゲームブック：幻のアニメ
（2016年4月1日版）

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27.

いかがだっただろうか。
「ブラウザ（上で表示されるブログを使った）ゲーム（ブック）」
ということで想像と違ったという人も多いかも知れない。
勿論本作は公式とは無関係なので、
公式に問い合わせたりしないよう注意してもらいたい。

万一公式が本当にCOJをブラウザゲーム化した時には、
この「ブラウザ（中略）ゲーム（攻略）」を思い出してもらえれば幸いである。

ともあれ無事ミッションを完走し終えた君の為に、
今回は特別なプレゼントを用意した。
壁紙として使ってみるのも良いだろう。



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