日本が一番底にいた10数年前…ありとあらゆる大企業も下を向いていた時代。
かつて坪8,000万円はした…御堂筋の中心地である大阪ガス本社…御堂筋を挟んだ対面の一筋(と言っても殆ど御堂筋に面した様な場所)で、南向き・約350坪の敷地を持つビルが競売となった…土地値はなんと坪380万円まで下落していた…
此処で、誰も考えなかった…この地区に於ける戦後初めての職住近接=8階まではオフィス…御堂筋の高さ制限で、淀屋橋地区の高さは概ね8階までだった=その上はマンション分譲…マンション暮らしを選択する人にとって最も良い場所は、その街で一番の場所に住むことに決まっている…土地値が坪1億円以上もするから、其処にマンションが出来る訳がないから、年毎に遠方に拡散して行ったのです。
あのバブルの崩壊…おまけにスーパー重課税が在ったから、いくら安くなっても誰も買わなかった…終に、上記の様な価格まで下がった訳です。
この時、上記の企画に対して、最初に社長決裁を一気に出してくれたのは、無借金経営で有名な、財務内容抜群の上場企業だった…大手金融機関を辞めてベンチャービジネスを立ち上げた某大学同級生3人が、或る縁で、僕をその会社に紹介した。
「この時代に、こんなことを考える人間に会って見たい、と先方の役員が言っているが、芥川さん、どうしますか?」「喜んで」 幸い、一瞥で、分かって頂き、1ヶ月後、社長決裁が下り、事業決定となった。
「芥川さん、この場所だからゼネコンはビッグ5の何処かで考えていると思うが、
本社ビルを建築してもらって以来、とても良い付き合いをしている会社があるのだが…」「良いじゃないですか、その会社で。技術は間違いないだろうし、何よりも御社が事業主に成るのだから」
当然ながら、その不動産の所有者もOKを出し、2度目の最終会議の時だった。
堅い事で有名な関西地場企業に相応しく実直な感じの部長、課長に交じって、
髪を後ろでちょんまげ結いにした妙な男が次長として同席した。
「僕はPFI担当で、福岡等でも、今、事業をしています…このPFIの観点から見ると、
この8階までの平均賃料1万2千円は、淀屋橋地区のオフィス賃料としては高すぎて採算ベースには到底乗りません」
この人間のこの一言(原語同断な一言です)で、総事業費45億円の事業…上層階のマンション分譲単価は坪180万円、という、淀屋橋の、ど真ん中では考えられない設定だったのに…最新のビルとしてのオフィス賃料を平均坪1万2千という阿呆な低さにしたのに…。
先だって、この時の事業主会社の社員…当時は課長で、今は部長に成っている…から電話が有りました「芥川さん、あれから一気にタワーマンションができましたな。
あの時、あの馬鹿があんなことを言わなければ、弊社も大きな利益、御社も大きな利益、地主も利益、皆が万々歳だったのに…」
マスコミよ、今のエリート層に居る人たちよ。20年経っても気が付かないのか?何度同じことを繰り返したら気が済むのだ?だが今度は駄目だぞ。今度、本質的な解決策を講じなければ、日本は本当に終わるぞ。今以上の不景気で、あちこちでの殺人列島、年金等の不正受給等の連発。そんな国に本当にする気か、貴方達は!
どんな時にも、正しい果敢な決定が下せる企業は必ず在る。それらの企業に学ぶべきであって、この「失われた20年」を作った張本人である官僚や、それに巾着型の学者等の意見なぞ拝聴し、採用している場合ではないのだ。
僕が、これほど言っても分からないなら、言って上げよう。
貴方たちは、皆、二流選手なのです…おまけに様々なエゴイズムにからめ捕られた…本当の一流は、各企業で世界を股にかけたり、ノーベル賞を取る様な発見、発明を成しているのです。
二流が一流の領域に達する事が出来る道はただ一つ。本当の無私の心を持って、
国を、他者を考えた場合のみなのです。その時だけ、貴方達は一流に到達でき、
この国を救う事が出来る。それ以外は、今の様な、貴方がたが作った中央集権国家をやっている間は、我が国は沈没するのみ。
貴方がたが言っている事で正しいのは、「国民が、国に頼れるのは後10年」だけ。
この20年で、うえ下、900兆円の損失を出した、貴方がた、今のエリート層だもの、
後10年で、最後の500兆円もパーにする以外、貴方がたには何もできないことに気付くこと、以外に重要な事は、今、日本には在りません。
貴方達が、「失われた日本の20年」を作った事を認め、己の愚かしさに気が付き、
僕の提言を真剣に考える事。それ以外に、日本が元に戻る道は無い事に気付くべきです。