衰退しかないロシアが最後にすがる、「西」vs「南」の世界対立構図はこれだ
ウクライナ戦争の先にある泥沼世界・後編 畔蒜 泰助
今しがたネットのニュースで発見した記事である。
私は民放の報道番組やワイドショーの類は、余程の事が無い限り、全く観ないので、筆者については初見だったが。
有益な論文である。
https://gendai.media/articles/-/105424
見出し以外の文中強調は私。
前文省略
第1次世界大戦100年後の新たな崩壊
大局的に、このグローバル・ウエストとグローバル・サウスの対立へと向かう局面を考えると、その転換点は、2013年から14年に向かうあたりにあったのではないかと思われる。
もうちょっといえば、2008年から9年にかけてのリーマンショックがあり、それ以前からのイラク侵攻の後始末の問題もあり、アメリカはもはや世界の警察官ではないとオバマ大統領が言ったのが2013年の秋で、翌2014年2月にクリミア侵攻が行われた。
これが国際秩序を崩壊させる現在の戦いのきっかけとなった。
2014年というのが今のプロセスの始まりと見るとすると、第1次世界大戦勃発のちょうど100年後となる。
あのときに崩れ去った世界秩序が、第1次世界大戦をへて、さらに第2次世界大戦をへて、アメリカが圧倒的に勝つことで、もう一度立て直し、国際連合も設立され、なんとか維持されてきたが、今や国際連合を中心とした秩序そのものが機能しなくなってきている。
要するに100年後にまた秩序が崩れ始めたのだ。
その前後に中国が一帯一路を打ち出したという流れもある。
2010年に中国は名目GDPで日本を抜いて、世界2位の経済大国になっている。
そしてその流れを決定づけたのが、今回のウクライナ戦争ということになる。
この局面を日本は深刻に考えるべきだ。
ロシアが中国のジュニアパートナー化するということは、東アジアで台湾危機のように、日米と中国が対立する際に、ロシアが中国側について行動する可能性が高くなる事を意味する。
すでに中露の空軍や海軍が日本周辺で共同パトロールを実施している。
今後、ロシアが中国のジュニア・パートナーと化していく中で、日本周辺での実際の戦闘や軍事的威嚇でも両国が共同歩調を取る可能性は排除できない。
日本にとっても第2次世界大戦終結後の秩序に頼れない事態が、目の前に突きつけられている。
その意味でウクライナ戦争は決して地球の裏側の出来事ではないのだ。