神社でのおまつりごとにお供え物というのはつきものですが、実際にどんなものをお供えしているのかよく知っている、という方は少ないのではないでしょうか。古来より神様へのお供えは「衣」「食」「住」の三つであるとされています。
まず一つ目が「衣」です。着物は生活に欠かせないものであると同時に、心を豊かにするための道具でもあります。今では御幣(ごへい)や紙垂(しで)という形へと変わりましたが、昔は着物や反物を直接お供えしていたようです。今でも伊勢の神宮などは、古式の通り立派に仕立てた御着物をお供えしています。
御幣。今では布でなく紙を使います
二つ目は「食」です。“お供え物”というとまずイメージされるものですが、海の物山の物、様々な食べ物がここに含まれます。実はお供えする食べ物には序列があって、白米と御酒が最上位。それに塩と水を加えた4種類は必ずお供えすること、とされています。他の品物は神社によって差異がありますが、逆にドジョウやゴボウなどは“泥物”として、ニンニクやネギなどは臭いの強いものとして一般的にお供えには嫌遠されていたようです。
並び方にも決まりがあります
三つ目は「住」、まさに神社の建物そのものがお供えものに当たります。神社は神様への感謝の気持ちから生まれたもの、という事ですね。