座間郷総鎮守 鈴鹿明神社ブログ「社務日記」

神奈川県座間市入谷西鎮座、座間郷総鎮守 鈴鹿明神社の神事や日々の様子、神社の豆知識をお知らせ致します。

神社と御神木

2012年04月10日 | その他

神社界での統計調査の一環として、先般『神社と御神木・社叢』という冊子が刊行されました。

神社本庁・國學院大學研究開発推進機構共同の全国調査によるものですが、興味深い内容ですのでその一部を紹介したいと思います。

古来神社は木々と共にあるものですが、それ自体由緒を持つ「御神木」となるとその数は限られてきます。例えば御神木の樹種について。

はっきりと多いのは杉の木で、次に楠・銀杏・欅と続きます。この上位の樹種に共通するのは大木に成長するということ。楠や欅も20m位に伸びますが、杉の古木は50mにまで達します。特に杉は日本固有種で平安時代、神社社殿の御用材として植林された歴史があり、神社・地域との関わりを思わせます。

銀杏などの落葉樹が多く含まれているのは信仰対象である御神木として少し意外な点もありますが、銀杏は古くより長寿の木として知られていること、また用材等として人々の生活に密着した木であることが影響しているようです。また、高木にならない榊が比較的上位に挙がっているのは神社との強いつながりを表しているものといえます。

もちろん樹種についてはその生育域に大きく影響されていますが、同時に神社・神道とのつながりも示されています。他にも境内林を構成する樹種について、玉串など祭事に使用する樹種についてなどの調査結果が掲載されていました。普段一所にいると気にならなくなってしまう事も多いのもですが、大変勉強になる一事でした。