座間郷総鎮守 鈴鹿明神社ブログ「社務日記」

神奈川県座間市入谷西鎮座、座間郷総鎮守 鈴鹿明神社の神事や日々の様子、神社の豆知識をお知らせ致します。

六地蔵

2017年06月19日 | 神社知識・作法・歴史

神社の境内には『末社』と言って本殿とは別に小さな神社、祠(ほこら)がお祀りされていることが多くあります。

この鈴鹿明神社の境内にも池の中の厳島神社をはじめ末社が点在していますが、その中で少し趣の異なるものが一つあります。

この石碑の上部には僧形の像が六体、また台座には“八王子”、“道”…といった文字が不鮮明ながら見えます。

これは『六地蔵』といい、道中の安全を願って日本各地に建てられたものです。

 

聞くところによると地蔵菩薩(じぞうぼさつ)は “衆生を救わないうちは自分の世界に戻らない” と誓いを立てた菩薩様で、「天道・人間道・餓鬼道・修羅道・畜生道・地獄道」の「六道」、六つの世界に赴く姿がこの六地蔵だと言います。

また地蔵菩薩は親より先に亡くなった子供が行く「賽の河原」へも向かい子供達を救う菩薩様でもあります。 自分がどんな境遇にあっても、たとえ地獄でも救いをもたらす菩薩様として、武家をはじめ広く崇敬を集めて今に至っています。

 

お分かりの様に六地蔵は仏教の像ではありますが、“六道に赴く”というところから神道の『道祖神』と同じように道の守護神として祀られる事にもなりました。

神社の末社は開発などの影響で境内にお遷ししたものも多いのですが、御地蔵様が神社の境内に居るというのも面白い話ですね。