あなたも社楽人!

社楽の会の運営者によるブログです。社会科に関する情報などを発信します。

11月9日は新聞休刊日

2020-11-09 05:30:55 | 社説を読む
11月9日は新聞休刊日なので、8日のコラムを紹介します。
 
・ 最古の民主主義

アメリカという国は変わった政治をしているらしい。そんな情報は江戸期の日本にも徐々に入っていた。漂流して米本土で一時暮らしたジョン万次郎から聞き取った書物がある。「才能や学識を持った多くの人のなかから、これぞと思える人物を選んで大統領とする……」▼任期は4年だが「その人の徳が高く、政治力も抜群である…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

・ 読者会員限定です
 
・ 障害者という言葉を障がい者と書き換える。害という文字が与える印象が悪いからと、ひらがなで書く役所が増えているようだ。一方、あえて漢字を用いる社会福祉法人がある。仙台市の「ありのまま舎」だ
▲難病の筋ジストロフィー患者、山田富也さんらが中心になり、1975年に設立した。誰もが自分らしく生きられる社会を目指す。会報にはこう記されている。「障害があるのはその人ではなく、社会の側」。だから「障害者」を使い続ける
▲障害者への理解に貢献してきたのがパラリンピックだ。日本で初めて開かれたのは東京五輪と同じ64年。開会式は11月8日に行われた。大分県別府市の整形外科医、中村裕(ゆたか)さんが開催に奔走した。障害を負った人たちのリハビリを海外で学び、スポーツが果たす役割を実感していた
▲だが周囲の目は厳しかった。「むちゃですよ。(体が)せっかくよくなりかけたものを」「医者のくせに身障者を公衆の前に引き出してサーカスのような見世物をやろうというのですか」(佐藤次郎著「1964年の東京パラリンピック」)
▲それでも中村さんは信念を曲げなかった。彼らの生きがいや自立につながると信じたからだろう。一人の医師が切り開いた道だった
▲ありのまま舎の山田さんが亡くなって10年。会報は故人をしのびつつ、来年の東京パラリンピックを前に「共に生きる社会」が実現していない無念さをつづる。問われているのは先人たちの時代と同様、いまだ社会に残る障害である。
 
・ 「シゲノブっていう人が捕まったそうです」「シゲノブ……まさか、日本赤軍の重信房子か!?」。ちょうど20年前のきょう、大阪府警担当の若手記者と、新聞・テレビの本社デスクとの間でこんなやり取りがあったという。国際手配から四半世紀。突然の逮捕劇だった。

▼1970年代から80年代にかけ、日本赤軍はハイジャックや空港での銃の乱射など、世界各地でテロ事件を引き起こした。その最高幹部だったのが重信受刑者である

この記事は会員限定です

電子版に登録すると続きをお読みいただけます

・ 秋篠宮殿下の愛車は黄色のフォルクスワーゲンだった。夏の静養で軽井沢をお訪ねになったときは、ホテルからテニスコートまで運転して通われた。危なげないハンドルさばきは、報道陣の間で評判だったという。

 ▼「安全運転ですね」と水を向けられ「前に(警備の)車がいますでしょ。スピードが出せないんですよ」。当意即妙のお答えで周囲に笑顔の花が咲いたと『天皇家のユーモア』(光文社)にある。実生活でもアクセルとブレーキの踏み分けに腐心されたようである。

こちらは会員記事(無料)です (会員サービスについて)

 
・ イタチの鳴き声を実際に聞いたことはないが、昔の人には、「ケチケチケチ」と聞こえたらしい。かつて、イタチが縁起の悪い動物であり、妖怪変化の仲間とさえ信じられていたのはケチがつきそうな声や血を連想する名前のせいもあったらしい
▼「いたちの道切り」とは人が歩いている道をイタチが横切ることで、見れば災難が起こるとおそれられ、横切られた人は一度家に引き返せと言われたそうだ。道切りの厄災を封じる呪文もあって愛知県の三河地方では<イタチ道血道近道違い道わが行く先はアララギの里>(『日本俗信辞典』)と三度唱えたという
▼同じイタチ科なので多少の効果はないものかと北の空に唱えたくなる。北欧デンマーク。高級毛皮を採取する家畜のミンクから変異した新型コロナウイルスが発見された。変異したウイルスに感染した人も確認されている
▼事態を受けたデンマーク政府は国内すべての家畜ミンクを殺処分する方針で、その数、千数百万匹。ミンクも哀れだが、人類にとっても警戒すべきウイルスの変異である
▼ワクチン開発が急ピッチで進む中、変異したウイルスにも効き目はあるのか。現段階では、判断できないが、ワクチン開発の道をミンクが横切ってしまったようである
▼効かぬとなれば、別のワクチンが必要となる。コロナとワクチン開発の果てない「いたちごっこ」をおそれる。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。