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西山美香さんの手紙・供述弱者を守れ 冤罪を導く調書(3) 角雄記(社会部)

2020-01-12 16:59:17 | 公民関連BOOK&サイト
今朝の中日新聞より西山美香さんの手紙・供述弱者を守れ 冤罪を導く調書(3) 角雄記(社会部)を紹介します。

私も、ずっと追いかけているシリーズです。

ジャーナリストとしての魂を感じます。


 ここから https://www.chunichi.co.jp/article/feature/newswotou/list/CK2020011202100014.html

以下引用です。
この事件は、真犯人がITを使って見ず知らずの人のパソコンを遠隔操作し、本人が気付かないうちに公共機関などへの脅迫メールを送信させ、四人が誤認逮捕された。後に冤罪(えんざい)と判明するこの四人のうち、二人は全く身に覚えがないにもかかわらず「自白」した。しかも、犯人しか知り得ない、具体性、迫真性に満ちた「供述調書」も作成され、本人がサインした。

 「この四人のうち二人という確率に、なるほどと妙に納得しました。取り調べを受けた経験のない人は、この高確率を不思議に思うでしょう。しかし、今の警察、検察の取り調べを受ければ、半分の人は虚偽の自白、証言をしてしまうのが現実なのです。そして、多くの裁判では、その調書が、『具体性、迫真性がある』として証拠採用され、有罪の根拠とされるのです」(同書)

 西山さんの場合は、殺人という、あまりにも重大なことだった。しかし、そこにもからくりがあったことを、私たちは出所後、西山さんから聞かされた。

 「呼吸器のチューブを外した、とは言ったけど、殺したとは言っていないんです」

 それを伝えると、村木さんは「よく分かります。『殺しました』と言ってなくても『同じだよね』って言われ、そう書かれた調書を見せられ『違います』って言っても『同じだよね、意味は変わらないよね』って、誘導されるんですね」とうなずき、「東住吉の事件も似てましたね。お母さんは『助けられなかったから殺したのと同じだ』と言われて『殺した』にサインしたと聞いています」と指摘した。

◆娘を「殺した」ことに
 一六年に冤罪が確定した同事件(一九九五年、大阪市)では、後に車のガソリン漏れが原因と判明する火災を、母親と同居男性が保険金目当てで女児を殺害した、という犯行に仕立てられた。娘殺し、という恐ろしい無実の罪を自白させられた母親の青木恵子さん(55)は、当時の心境を「助けられなかったことは事実であり、ずっと自分自身を責め、やはり私が殺したことになるのだと思い込み、これ以上、耐えられない状態に陥ってしまい」などと著書「ママは殺人犯じゃない 冤罪・東住吉事件」で明かす。

 冤罪被害者の多くは「こればかりは体験した者にしか分からない」と口をそろえる。村木さんは「言ってないことが書いてあることは十分にあり得る。どういう取り調べの状況で、とか、どういう文脈の中で、とかが分からないと本当は何が語られたのかは分からない。調書は、何重にも真実から離れていくチャンスがある」と訴える。

 二人に一人がうその自白、だなんて。

 殺してもいないのに「殺した」と言うなんて。

 あなたは今もまだ、自信を持って「そんなこと、自分ならあり得ない」と言えますか。

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