6月にアメリカで行われた日米首脳会談で、トランプ大統領は、「アメリカが日本の防衛費を負担して、対日貿易赤字も解消されなければ、ダブルパンチになる」と不満を表明した。

そのうえで、「真珠湾攻撃を忘れていない。日本も昔はもっと戦っていただろう。日本も周辺国ともっと戦うべきだ」と述べた。

発言は、「日本が自国の防衛を強化して、アメリカの防衛費の負担を減らすべきだ」と、暗に求めたとみられる。

安倍首相は、「日米貿易は、アメリカにもプラスになっている」などと説明し、理解を求めた。

この「パールハーバー発言」は、そもそもアメリカの新聞「ワシントン・ポスト」が、トランプ大統領が安倍首相に対して、「真珠湾攻撃はひきょうだった」と非難する、「アイ・リメンバー・パールハーバー」、つまり、「真珠湾攻撃を忘れないぞ」という言葉を使って、通商問題で譲歩を迫ったと報じたことが始まりだった。

しかし、関係筋などによると、この時トランプ大統領は、「日本はかつて真珠湾を攻撃したほどの軍事強国であったじゃないか」と。

「防衛費をもっと増やすべきだ」という意味で発言したもので、通商問題で日本を非難する意味ではなかったとしている。

また、トランプ大統領は、「パールハーバー」と発言したものの、「あのひきょうな攻撃を忘れないぞ」という批判的な意味、言い方はしていないとのことだった。

外交上、際どい言葉は、異なる解釈を生み出すケースがあるため、そうした言葉が波紋を生んだケースだといえそう。

また、メディアとの関係もある。

トランプ大統領に対して批判的なメディアは、そういうふうに報道したというベースも忘れてはいけない。

*******************************************************************************

 昨日の朝の報道ではトランプ氏は「真珠湾を忘れない」と過去の事を持ち出し

貿易問題で優位に立って交渉したいが為の発言と受け止める内容でした。

トランプ大統領「真珠湾忘れぬ」と安倍首相に不満=7月に日朝高官が極秘接触 

「私は真珠湾を忘れない」と述べ、対日貿易赤字問題などをめぐり安倍晋三首相に強い不満を表明したと報じた。

 

しかしそうではなかったようです。

「真珠湾を忘れるな」とは言っていましたが、その趣旨は違っていたようです。

「真珠湾攻撃を忘れていない。日本も昔はもっと戦っていただろう。日本も周辺国ともっと戦うべきだ」

「日本はかつて真珠湾を攻撃したほどの軍事強国であったじゃないか」

叱咤激励というよりも、もっと防衛費を増やせ。

そして米軍の軍事費を減らせ。との意味だったようです。

というものの、日本にとっては耳の痛い発言ですが。

しかし、真珠湾攻撃は卑怯だった、との意味ではなかったのです。

 

この事については菅官房長官も外務省幹部も否定していました。

<菅官房長官>真珠湾に関するトランプ氏の発言を否定